永遠に、幸せになりたい。    by gorosuke

真夜中、いいおっさんが独り海に向かって延々と竿を振る。
アホだな。でもこのアホ、幸せなんだよなあ。

お月さんとイカ釣りダービー

2011-10-15 | アオリイカ
昨年、輪島エギングダービーにエントリーし、中盤までは盛り上がったが展覧会で尻切れとんぼに終わっちまった。

今年も一応エントリーしたが、まだ一度も計量に行っていなかった。
計量の意味あるサイズが釣れていないのだ。

ダービーの締め切りは今月一杯、そろそろ計量しとかないとなあ、という思いがあった。

加えて、その日13日はまだかろうじて満月だった。予報は晴れ、風も悪くなった。
私はまんまるお月さんと釣りをするのが基本的に好きである。
翌日の午後からは天気は崩れ夜には雨になるという。

となれば、いざ!!出陣なのである。
満月のイカ釣りはなにがなんでも行かずばならぬ。のである。

夕刻、先ずは昨年のダービー、徹夜で頑張り27センチを上げたポイントに行ってみるが、既に先客が3人もいた。
その一人は毎年上位に居座るエギンガーさんであり、後の二人もダービーに参加している人に違いなかった。

諦めた。

移動する。
一度も行ったことがないが、以前から気になっている磯へ。
緩いカーブを描く湾の磯、岬のちょっと突き出た岩へ向かったが、生憎ここも先客が一人いた。
挨拶をし、邪魔にならぬよう隣の岩に乗った。
「釣れますか?」と訊いてみると
「一匹釣れたけど、その後一時間釣れません。」と大らかな笑顔で応えてくれる。
正直な人である。

いつも通り3.5号エギを正面の海にフルキャストする。
右後方からの追い風に乗ってよく飛ぶ。
潮が良く動くところらしく右前方に沖に向かって軽く潮目が出来ていた。

凪ぎに近い波、追い風で底に達するまでのカウントは45。
水深は10メートル強。
悪くない。

空は快晴、少し欠けた満月が右の山の端から顔を出し、磯を煌煌と照らしライトが要らないくらいだった。
イメージ通りの満月の釣りであり心は弾んだ。




釣れないというがタイミングが悪いだけだろう。

案の定、2投目足元の底で乗って来た。
足元だから小さいやつかと思いきや、そうではなかった。
胴長22センチ。今季最大である。



いや驚いた。
遠くから追っかけて来たやつに違いない。

その後もぼつり、ぼつりと掛かった。
数は出ないがサイズが揃っていた。
みんな20センチに少し足りないサイズ。
今年は全体的に小さく、20センチ弱は他のところではその日の最大サイズなのだ。




そのうち、先客はライントラブルでどうにもならない、頑張ってくれと言い残し帰っていった。
ならば、と彼の釣り座に移動する。
やはりそこがこのポイントでの一番の釣り座だった。どの方向へもキャスト出来るし、高さ、足場の安定感は理想的だった。

いつの間にか水平線にはイカ釣り舟の灯りが点々と並んでいた。
目の前の海を見ていると、なんだかデカイのが来そうな予感があった。

そして、数投後、予感は的中した。

中程の距離、底だった。
ラインのテンションが微妙に重くなり、少し待ってみると案の定そうっと引っぱるではないか。
少しラインを送ってやり、間を置いてクンと合わせるとカンナがしっかりとイカに食い込み、ロッドに重さが乗った。
いやその重さったらなかった。ロッドが激しくお辞儀を繰り返し、リールが自由に巻けなかった。

でかいぞ!!
バレないように慎重に事を進める。イカの強烈なジェット噴射をロッドでいなしながらゆっくりと寄せて来る。
水面に浮上したそやつは何度も水を噴射した。
いやあ、いい光景。

足元まで引き寄せ抜き上げにかかるが、ちょっと心配になった。
しかし、玉網を持って来ていない。
小さめのスズキを抜き上げる要領だ。
ロッドのしなりを利用して一気に抜き上げ、ロッドに全重量が掛かる前に磯の上に引き上げた。
なんとかうまくいった。




25センチを越える堂々としたアオリイカだった。
20センチクラスとは次元の違う大きさである。

いや、一人でコーフンしちまったぜ。
ここに来て正解だったとつくづく思った。

これで22センチと25センチになった。
ダービーは三匹の合計である。
後一匹20センチオーバーが欲しかった。

時間はまだ、たっぷりとあった。


しかし、その一匹が来なかった。

ぼつり、ぼつりとは来るものの20センチを越えない。

時折、アカイカ(マイカ)も来た。





つーさんのイカプラスの記事に刺激されて、時折潮目あたりの表層も狙ってみるが掛からない。
そういえば表層で掛かるのは荒れている時だったような記憶がある。

12時までには余裕を持って帰れると思っていたがそうはいかなかった。

粘るうちに12時は過ぎ、過ぎるとアタリは全く途絶えてしまった。

帰ろうかと思った。
3匹目は18センチでもいいではないか、そのうちデカイのが釣れたら交換すればいいのだから。
だが、一度帰って、計量のために再び輪島に出て来るのは面倒に思えた。
我が家は輪島市街地から20キロ離れた山の中なんである。
このままのんびり朝までやって、早一番、塩谷釣具で計量してもらおう、そう思った。

そのうち眠くなって来た。
だらだらとキャストとシャクリを繰り返していても釣れる訳がない。

岩の上で寝ることにした。
風が当たらないようくぼみを探し身体を横たえる。
フードを被れば思いのほか寒くはなかった。

少しかけた満月がそんな私を見て笑っている。
月に寄り添うように金星が輝き、西の低いところにはオリオン座が傾いていた。


一時間も眠っただろうか、目が覚めるとスッキリとして再び釣り座に立った。
海は完全に凪ぎ、風も緩くなっていた。
気分新たにキャスト再開。

一投目にヒットしたが手応えが可笑しかった。
生体反応がなく藻の塊を引いているようだったが
足元まで来て突然激しく慌てるようにジェット噴射を始めたのである。
ははんと思った。
こいつ、足元まで来て初めて釣られたことに気がついたんだ。

で、このへんなやつ、20センチを僅かに越えていた。



しかし、へんなやつはこいつだけではなかった。
その後、小さいのが数匹釣れたが
みんなそのようなぼんやりとした活気のない反応であった。

要するに、イカたちは眠っていたのだ。
これじゃあ釣れる訳がない。

ここは12時を過ぎるとイカたちの就寝時間なのだ。
そう思うと俄然やる気がなくなりもう一度岩の上で寝てしまった。

目が覚めると朝だった。
朝まづめに期待してみたが、イカたちはまだ寝ているようで早々に切り上げ塩谷釣具へ。

計量の結果、26センチは850g。あと22センチと20センチ、三匹の合計は1806gとなり
いきなり暫定トップに躍り出たのであった。
うっひゃ〜〜、トップ。

自慢ではないが、私はこれまでの人生で優勝とかトップとかの経験が皆無である。
学校の成績でも運動会でも何かのコンテストでも大したことはなかった。(体育実技と美術だけはまあまあだったが。)
暫定であっても、トップという言葉の響きは新鮮で嬉しい。

しかし、すぐに抜かれるだろうな。

25センチクラスがあと一匹釣れれば上位入賞、2匹だと本当に優勝するかも。

ダービーの締め切りは後2週間。
輪島の熱き釣り師たちのように毎朝、毎晩とはいかない。
しかしだ、ここは静かに狙ってみるか。

人生初の「優勝」を。





計測の三杯。

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釣りに出かける理由。

2011-10-11 | アオリイカ
釣りに出かけるにいろいろと理由がある。

私の場合、釣りはブログのタイトル通り、私が直球で幸せになれる行為だが、だからといって毎日釣りをしている訳じゃない。
釣りに出かけるには何かの動機と契機がある。

その日、連れ合いのパート仲間の女の子が泊まりに来ることになった。彼女は最近離婚し、近々金沢に引っ越してやり直すのだという。
引っ越す前に連れ合いと是非話がしたかったらしい。
女同士の積る話もあるのだろうと、その夜私は釣りに出た。

イカ釣りシーズン後半はイカも成長し深場へと移り、夜釣りが主流になるが
この時期、まだ夜釣りには早かった。

しかし、ぼつぼつ来た。





サイズも少し上がって来たようだ。


日中の釣りと違って夜釣りはラインを伝わって来る微妙な魚信が頼りとなる。
視覚的な情報が少ないので、かえってイカとのやり取りに集中できる。

基本的には底を狙う。まず深さを測る。カウントしてどのくらいで底に到達するか。
同じ深さでも風や波、潮流に寄って落ちるスピードは違う。
だからその時、その時のカウントがある。

その夜はカウント40で底に着いた。
カウント35で鋭い2段シャクリやタンタンタンと振り幅の小さいジグザグダートでエギを動かし、またフォールさせる。そしてまたエギを動かす。
エギを鋭く動かすことと、シャクリのパターンを作らないこと、また夜の場合はエギを小さく動かすことが肝心かと思われる。
そして底の少し上あたりの位置を保つ。

フォール時、ラインには常に軽いテンションを掛けているが、そのテンションに違和感を察知したら、それがアタリである。
もわっと重くなったり、急に軽くなったり、突然引ったくったり、また、そうっと引っぱるような感触。

私はそうっと引っぱるようなアタリが好きである。
その時はラインを少し出してやり、ワンテンポ置いて合わせる。
するとぐっと重さが乗る。してグイグイ引っぱる。
こいつが楽しい。

違和感を感じても乗らない時がある。その時はエギの周囲にイカたちがいることをしっかりイメージして誘ってみる。エギをあまり移動させず鋭く動かして待つ。それを繰り返す。
それでも乗らない時はエギを追っかけて来ていることが多いので、足元まで気を抜かないことだ。

底でアタリがなければ、表層も狙ってみる。
水深3メートルくらいのレンジ。
時折、このレンジで入れ乗りすることがある。

しかし、この夜は表層はサッパリだった。

ベタ底でなんとかぼつぼつである。





曇り空で月もなくただ暗い海だった。
目の前に広がる闇と波のざわめき、そして我がロッドが空を切る音だけだった。

連れ合いの同僚はほんわかとした空気の可愛い女性である。
離婚は旦那の浮気が原因らしい。
結婚して4年目だという。
2年悩んだ挙げ句、別れることを決意したのだとか。

まあ生きていればいろんなことがある。
いいことも悪いことも。
そしてまた、いいことも悪いことも二つ続かない。

離婚は若い彼女にとって一大事だったに違いないが、なんてことはない。
今の世、掃いて捨てるほどある。
そのうちいい男と出会いまた結婚すればいい。
故河合隼雄氏も理想の結婚は二回目の結婚だといっているではないか。
美味いイカ食って新たな出発だ。

と、・・・・掛かった!!



うっは!!マイカ。

この夜の釣果は20センチ弱が15杯。

翌日、彼女はシャキシャキのイカ刺しをたらふく平らげ、でかいお椀のご飯もお代わりし、
いい顔で帰って行ったのだった。





その2日後、横浜で暮らしている娘たんぽぽが幼馴染みの結婚式で帰って来た。
久しぶりに帰って来た彼女に何が食いたい?と訊くと
「イカ刺し食べたい。」と言う。

誰かに美味い魚を食わせたい、というのは私の釣りに出かける大きい動機である。
してそんな時は多くの場合、釣れるんである。
いや、釣れるまで帰らないのかも。

彼女が食べるに5杯もあったら十分だろうとタカをくくり
軽い気持ちで昼前に出かけたのだが、これが甘かった。

先日40杯釣れたポイントであるが、
釣り始めに20センチが釣れ



いい調子だと思いきや、
その後、サッパリ釣れない。

ここは確実に釣れるポイントだと確信していたが、
このポイントでも昼を過ぎると駄目らしい。
風も悪かった。
右からの強い横風。

しかし、テトラ帯の中程でやっている人には時々釣れているようだった。
いないわけではないが、私の守備範囲ではなかった。
私の釣り座はいつも通りテトラ帯の先端なのである。

だからといってテトラ帯の中程の、その釣り師の隣に移動する気にはならない。
しかし5匹は釣りたい。
とうとういても立ってもいられず、テトラ帯の根元に移動した。
ここは浅いが目の前に潮目があり、あぶくの帯ができている。
そのあぶく帯を狙ってみようと思ったのだ。

がしかし、ここもサッパリである。
なんだかな、どこかタイミングがズレている。
釣りは追っかけてはイケナイ。というのが持論である。
まあ人生も同じだな。
うまくいっている人の真似をしたり追っかけても駄目である。自分なりのやり方で生きる。

気持ちを落ち着け、先端の釣り座に戻った。
ここは潮の流れもあり深くていいところなのだ。ここでじっくりでかいのを狙おう。
改めて目の前の海と対峙する。
海と自分と。それだけの世界。

沖に向かって風上の正面、低い弾道でキャストする。
3.5号のエギは案外飛んで釣りになる距離に着水する。
カウント50、ベタ底を狙ってみる。

掛かった。

案外の重さ、20センチだった。



その後もぼつぼつと掛かり始めた。




いつの間にか隣の釣り座に若いカップルが登場していた。
なんだか楽しそうにやっている。
彼女と釣りに出かける。それほど楽しいことがあろうか。

ぎっちょの彼氏のキャストが独特で面白く、イカ釣りに慣れた様子で時折イカを引き寄せていた。
なんでも毎週末金沢からここにやって来てイカ釣りをやっている二人なんだそうだ。
道理でここのテトラを知り尽くしている感じだったし、的確な釣りであった。



この日は土曜であったが、いつになく道路には車が多く走っているし、ざわついた雰囲気があった。
珍しい車の渋滞を見て「明日はダイワ主催のイカ釣り大会が輪島で開催されるので、ポイントの下見にやって来てるんです。」と彼が言う。
毎年この時期に行われる大会で金沢富山から釣り師が250人程度参加するらしいが、なんと彼は昨年のチャンピオンで彼女は3位だったのだとか。
勿論、明日の大会にもエントリーし、連覇を狙っているのだそうだ。

彼は18センチが釣れてもリリースし
「こんなんじゃ優勝出来ませんね」と笑うのであった。
で、そんな彼氏を嬉しそうに見守る彼女なんである。
ナイスカップル、いいね、このやろー!!

そうこうしているうちに周囲は薄暗くなり、二人は爽やかな印象を残し姿を消したのだった。
名前はフクシマさんというらしい。またどこかで会えるだろう。

で、私。
この時点で既に5杯はクリアしていたが、なかなか帰れなかった。
この一投で帰ろうと思うと掛かり、
また最後の一投で掛かるんである。

で、最後の最後でまた掛かる。
そいつは根を引き剥がすような重さがあり、引きもこれまでになく強かった。バレるなよと慎重に引き寄せ、よいしょと抜き上げる。
思ったほどの大きさではなかったが、それでも今季の最大であった。


21センチ。

で、泣いても笑ってもこの一投で
またこいつが掛かり、これで終わりにしたのだった。



マイカ。


釣果は結局20杯。

釣れたとは言えないが、目一杯の釣りだった。


言うまでもなく、たんぽぽは美味い!!美味い!!の連発でイカ刺しを貪り食ったのだった。
まず横浜ではこんなプリプリのイカは食えないのだ。







ところで、福井のおみつさんからメールが届いた。おみつさんはつーさんの嫁さんである。
今年の12月、彼女のギャラリー・ゲッコウカフェで展覧会をすることになっている。
メールの最後にはこう書いてあった。

「釣りもいいけど版画もね!」

うっひゃ〜〜!!






【お知らせ】

師匠つーさんが釣り雑誌にデビューした。
つーさんは釣り師としてすでに北陸周辺では知られた存在だが、釣りだけでなく文学や哲学にも造詣が深く、いい文章を書く。
そのことは彼のブログ「星空キャスティング」に明らかだ。(ブックマーク参照)

その彼が雑誌に記事を書くというのはまさに水を得た魚のごとくなんである。
雑誌の名は「イカプラス」。東海・北陸のイカ釣り情報満載の釣り雑誌売れ行きナンバーワンのメジャー雑誌である。
今回の記事はアオリイカ釣りについて。特に秋のイカ釣りシーズン後半の釣り方として常識となっている底をとるやり方をひっくり返し、表層を狙うという提案が目を引く。
彼の釣りの素晴らしさは常識をしっかりと踏襲しながら、それに固執しない視野の広さと柔らかい感性で独自のテクニックを開いていくところにあるが、イカ釣りでも惜しみなくそのテクニックが披露されているわけだ。

このブログに立ち寄った貴方に是非、手に取っていただきたい。貴方の釣りにとって何か光るものを手に出来ること請け合いである。

12月には彼の真骨頂デカメバル釣りの世界がさらに大きい紙面で展開される予定だ。
楽しみに。
















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イカの海

2011-10-06 | アオリイカ
10月4日、朝早くからぷらりと出かけた。

昨夜の雨が少し残ってはいたが、西の空は明るかった。

予定のポイントは風が悪く波が強過ぎた。潮も濁っている。
二投して諦め、移動する。

海沿いの道を走りながらこの状況で釣りが出来そうなポイントを探した。

能登外浦の、とあるテトラ。

ここも荒れ気味だったが、湾なので最初のポイントほどではなかった。
1〜1.5メートルの波というところ。
時折やって来る大きなうねりがテトラにぶち当り、飛沫がかかる程度。
風はうまい具合に追い風であった。

先客は二人いたが、うまいぐあいに先端の釣り座は空いていた。
釣り座は宙空に斜めに突き出したテトラなので慎重な人は行かないのだろうな。


少し濁りがあるのでオレンジカラー3.5号エギを正面にフルキャスト。風に乗ってよく飛び、遠くのうねっている波に着水する。
この海悪くない。なんだか活気がありワクワクするものがあった。

ボトムの少し上、深層を狙う。
およそ30数えて二段しゃくり。そして適当に軽い連続ダート。フォール。またしゃくる。
その繰り返し。決まったパターンはない。
ただ深層をキープすることだけを心がける。

入れ食いとはいかないものの、釣りはじめからいい調子で釣れ続けた。
続けて掛かったかと思えば暫く間があき、また釣れる、という調子。








頭の中でカウントしてはしゃくり、またしゃくる。
そのうちカウントしなくても身体がリズムを覚えやっている。





まんべんなく掛かるのだが、みんな15センチ前後。20センチを超えるやつが来ない。

今年の特徴は釣れる場所と釣れない場所がハッキリしていること。全般に小さいが稀に予想だにしない大物が釣れたりもするということらしい。
どうやらこのポイント、ぴたりストライクのようだった。
こうなったら数にこだわってみようか。
食って美味いのはこのサイズなのだ。

目の前には美しい海。水平線は緩やかな弧を描き、そのうえに可愛い綿雲がたなびいている。何も考えることはない。この景色をただ見つめ、竿を振る。
身体の隅々に海と風と秋の陽光がしみ込むようだ。




イカの乗り方にはいろいろある。

まずはよくある、しゃくった瞬間ガツンと掛かるやつ。
これは掛けたのではなく、掛かったのだな。
下手すると身切れするので、大きく鋭くしゃくる時はタンと軽くしゃくっておいて大きくしゃくることにしている。



次に、フォール時、引ったくるように持って行くやつ。
こいつはなかなか乗せられないが、乗ったら触腕一本に掛かっている場合が多い。
だから、掛かった場合、そうっとゆっくりと引いて来る。



その次にフォール中、ぐっと重さが乗って来る時。
こいつはしっかりフッキングしている。



またフォール中、そうっと触っているのが分かる時。
やがてやつはエギを少し引っぱる。ラインを少し出してやり、ワンテンポ間を作って合わせるとぐっと重さが乗る。
これはしっかり掛けたのだ。この乗り方が一番楽しい。



エギが足元まで来ても、気を許してはいけない。
足元にいるやつは小さいやつが多いが、沖からエギを追っかけて来たやつもいる。
エギをギリギリ見えるところまで上げておいて、暫くその周りに大きいやつが追っかけて来ていないか確かめる。
そんなやつはエギが岸に近づくと慌てるように寄って来て抱きつくことが多い。




今回はラインに注視した。
日中などラインが見える時、ラインの動きでアタリをとる。
師匠つーさんの得意技だ。こいつを会得すると釣果が倍違うと彼は言うのだが、これがなかなかに会得し難し。
なにせ、波があり風があるのだ。寄せ波引き波でラインはふけたり引っぱられたり、風で膨らんでよく分からない。

しかしだ、じっと見ていると確かにそういったラインの動きとは違う動き方をするときがある。
違和感のあるフケ方、引っぱられ方、それがアタリである。
特に、フケる時、よく見ていないと見逃してしまうが、こいつはイカがしっかり抱きついているのでまずはバレない。
一二度そのアタリで掛けたが、それで掛けるとなんだか嬉しい。当り!!って感じだ。




イカたちは美しい。何度見ても見飽きない。形、模様、同じやつはいない。丸くてでっかい目。
釣り上げるとエンペラを前後にバタバタと動かし、そのうち水をブシューと噴く。思いっきりだ。
水ならいいが、墨も噴く。顔も衣服も現代アートだ。
ともあれイカたちは活き活きと躍動するんである。

嗚呼、なんと楽しいことか。


日が高くなるに釣れて風向きが変わって来た。右からの横風。
俄然釣りにくくなってきた。

釣れる間隔も長くなって来る。



しかし、粘る。
粘るのが私の得意技。




我慢をして粘るのではない。
気分がいいし楽しいから、知らず長くなる。


気がつくとベルトに付けていた小さなバッグが見当たらない。
何かやっているうちに外れ海に落ちたらしい。
道具を海に落とすのも私の得意技だ。
リーダーとハサミ、スナップが入っていた。
根掛かりでエギをロストし、どうすることもできず終わりにした。

日は頭上にあり、いい時間になっていた。
6時間はテトラの先っちょに立っていたことになる。
いい年こいて何やってんだ、と思うがしかたない。
海に出るとついこうなっちまうんである。


久しぶり、クーラーボックスはずんと重く、テトラを渡るのが危うかった。

大して釣れない日が多いが、

こんな日もある。





帰って数えたら40だった。最大は17センチ。



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嗚呼、イカ釣り!!ベイトでやってみた。

2011-10-01 | アオリイカ
8月はシュノーケリングでの海遊び。9月はじめは名古屋方面での展覧会でほぼ2ヶ月あまり釣りから遠ざかっていた。

展覧会の仕事も終わった9月23日、さいたまから友人Gさんが男の子二人を連れてやって来たのでみんなでイカ釣りに出かけた。
今季初のイカ釣りだし、友人と子供たちにもイカ釣りの楽しさを味わってもらおうと期待したが全く釣れなかった。
釣れないというより、イカの存在がなかった。

そんな状況だったが、最後にやっとこGさん釣り上げた。
小さいやつだったが、子供たちも生きているアオリイカを見ることができ、よかった!!




地元の漁師さんたちも今年はアオリイカが少ないと言う。
連れ合いが言うには魚屋さんでは小さいのが一杯400円もするのだそうだ。

昨年はいい年だったが、今年は駄目なのか。
しかし、そう思いたくはない。
まだ本格的にイカ釣りをやった気がしなかった。



Gさんたちが帰って3日目、28日。
気合いを入れ、朝まづめを狙って昨年の本命ポイントに出かけてみた。
輪島の磯である。

海は荒れ気味だったが、風は追い風、先客もいず悪くなかった。
3.5号エギを付けてフルキャストする。
追い風に乗って遠くまで飛び着水する。
朝の海に独り立ちルアーを投げる。
何も考えることなく、目の前の海と水平線だけである。
なんだかワクワクと嬉しいのであった。

しかし、噂通り渋かった。海は美しいが、沈黙したままだ。
キャストを始めて2時間、釣れたのは小さいのが一匹。
イカの釣り方を忘れたのか?
昨年のことを思い出しながら二段しゃくりや連続ダートなどやってみるのだがアタリはなかった。
でも、帰る気にはならない。時間はたっぷりとある。

気分転換、ロッドを替えてみた。
ベイトロッドである。
この冬からベイトでのイカ釣りを考えていたのだが、偶然オークションに出ていたイカ用ベイトロッドを安く手に入れた。リールはスズキ釣りに使っているアンタレスだ。して今日がそれらベイトタックルでの初挑戦というわけである。
フルキャストしてみる。やはり飛距離はスピニングに比べ5メートルくらい短い。
シャクリも案外簡単に出来るが、慣れないせいか違和感がある。
その感じは新鮮でもあり、楽しくもある。
違和感のないシャクリ方を探しているうちに、ゴッと重さが乗った。
紛れもなくイカだった。
アンタレスでイカを引き寄せる。初の体験、面白かった。
15センチクラスだったが、兎にも角にもベイトでの初イカである。



そして、次のキャスト、続けてヒット。



その次も掛かった。



突然の爆釣モードである。
時合いらしかった。
時計を見ると7時半を回ったところ。

その後もヒットは続いたが、






長くは続かず少しアタリが遠のいた。
群れが移動したのかも知れぬ、スピニングに替え遠くを狙ってみる。

しかし、アタリは戻って来ない。

30分も経っただろうか、遠くの底辺りで一際重い感触、藻の塊とも思ったがそうではなかった。グイグイと引く。ロッドの先端がお辞儀する。
遠くからゆっくりと引き寄せる。これぞイカ釣りの醍醐味である。



暫くしてやはり遠くのボトム、重さが乗った。
先程よりさらに重かった。引きも強い。
引き寄せる。
ああ!!楽し!!



18センチ。このサイズになるとやはり嬉しい。


その後、もう一匹。




そして、アタリは途絶えた。

時間は10時半。太陽は高く昇り、暑いくらいだった。

釣果は5時間粘って15杯。
その殆どは7時半前後の1時間弱のベイトでの釣果である。
大した釣果ではないものの、釣れないことはないということを確信した。



ベイトタックルでの初体験も楽しかった。
遠くは狙えないものの、手返しは良く、近場の数釣りには適しているかも知れない。
私は基本的にベイトリールが好きなので、これからこいつでのシャクリ方、釣り方を作っていくのも楽しみだ。



ロッド;オリムピック カラマレッティプロトタイプ862MH  ダイワ エメラルダスST84MB
リール;ダイワ セルテートフィネスカスタム2506    シマノ アンタレスDC
ライン;ラパラ ラピノヴァ-X マルチゲーム0.8号(セルテート) ラパラ チタニウムブレイド1.5号(アンタレス) 
リーダー:フロロカーボン3号
ルアー;デュエル アオリーQ3.5号  ヤマシタ エギ王Q3.5号各色



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ポッパークロダイは愉快だな。                          7月19日

2011-07-20 | クロダイ
釣り友O君と朝まづめのクロダイ釣りに出かけた。

7月のこの時期、メバルが終わった頃、ルアーでのクロダイ釣りのシーズンが始まる。
昨年はこの釣りをやらなかったので2年ぶりである。

O君からの誘いに一も二もなく乗ったのは、この釣りが極めて面白いからだ。
トップウォーターでの釣りである。トウッチでのルアーの動きやルアーに食いつく魚の様子もよく見えてそれは楽しいのである。もう想像するだにワクワクしてくるではないか。

午前4時、夜の帳が開け始めた頃、待ち合わせ場所に到着。
間もなく軽トラに小さなボートを積んでO君がやって来た。いつもの笑顔である。ほんと男というものは釣りとなるともう手放しと言うか、少年の笑顔になるのだ。

さて現場に到着、田んぼの畦を歩き二人でボートを海辺まで運び、道具を積んでいざ乗り出した。
軽トラに積めるくらいのサイズのボートである。これで二人乗れるのかと思ったが、意外とそう窮屈な感じはしない。只、キャストする方向は同じか逆かそのふたつに限られるのだが。
勿論、オールで手漕ぎであるがそれがまたいいのである。

基本的に遊漁船に乗っての釣りは釣りとは思っていないが、このような小さな手漕ぎボートでの釣りはまずお金がかからないこと、そしてポイントも道具も自分で考えるということから私の釣りの範疇に入ると思っている。陸からの釣りとそう変わらない。

水深2〜4メートルの浅い海である。底にはアマモなどの海藻が繁茂し緩やかな潮の流れに任せて揺れている。凪の奇麗な海である。



先ずはポッパーをキャストする。
軽くトウッチを入れると、シュポ!シュポ!!という音を立て、水を弾きながら動くのだが、その様子がいかにも「ここだ、ここにいるぞ」と周囲の魚たちに知らせているようで面白い。

と、何かが水面を跳ねた。
ボラか、と思ったが
「シーバスですね」とO君。
スズキもボラのように魚体を全て海面から出し跳ねるのである。
ただし、その様子はボラとは違いジャンプ後、イルカのように頭から海面に突っ込むようだ。

その方向にキャストしてみる。
と、ガバッとスズキがジャンプ、ルアーにアタックした。
それは何とも素敵な光景だった。
よく釣具ショップのロゴになりそうな光景。魚がジャンプしてルアーにアタックしている、その図柄そのままの光景だった。

「でかいですね」とO君。
ロッドは絞り込まれ、ドラグが出てゆく。
ロッドはメバル用だが、このディープ83は少々のスズキは大丈夫。
よし!と寄せにかかる。
激しく走るスズキ。いい感じ、と思いきや
そこで、すこん、と抜けちまった。

まあいい。
今日はクロダイ釣りなのだ。

と、気持ちを入れ直し、クロダイに集中。
ボートはアンカーなるものがないので、自然にゆっくり流され、船も回転するわけで自ずとルアーが着水するポイントも違ってくる。これがいい。

暫くすると、出た!!
魚が出る、という表現があるが、まさにトップでの釣りにはピッタリの言いようである。
ガバッと出る。下から来てポッパーに襲いかかった。
そしてうまく乗った。

クロダイの引きは独特である。
鋭くて激しく、強い。もう最高の手応えである。
銀色の魚体を翻しながら上がってくる。
O君が玉網ですくってくれる。
40センチオーバー、いい型だった。
「とにかく釣れましたね。」と喜んでくれる彼である。




その後、出て来るものの乗らない。
途中でバレてしまう、というのが続いた。
「ルアーでのクロダイ釣りはバラシが多いです。」
「口が小さいですからね。」と彼。
納得。

しかし、魚がいないわけではない。

オールで漕いで少し場所を移動し、またキャストを繰り返す。

30分も経ったろうか、
O君と喋りながらルアーを引いていると、出た。
乗った。でもまたバレるか、いやバレなかった。
しっかりフッキングしていた。
こいつもいい引きだった。



その直後、また出た。
こいつは大きかった。
始めはスズキかと思うほど重く、強かった。
何とか引き寄せ、魚体が見えた。やはりデカイ。よし。
そして、やつの顔が見え、身を翻したその瞬間、
カクン、と抜けちまった。

バラシが多いとはいえ・・・・・残念無念。


その後、アタリは途絶え、また移動。

海底は藻から沈み根が多くなった。潮の流れが強くなったとみえ、ボートが流される速度が速くなった。

今回、気がつけば不思議なことが一つあった。
アタリが私に集中しているのである。どういう訳かO君にアタリが来ない。
はっきり言って私はクロダイ釣りに関しては殆ど初心者であり、彼はスズキと同様猛者である。このポイントも彼のフィールドであり、釣り方も熟知している。
なのに、である。

私のやり方はよく分からないということもあって、とにかくアタリのあったルアー(ジャクソン、RAポップ、シラスカラー)を只ひたすら投げ続け、同じリズムでトウィッチし続けているだけなのである。
トウィッチのリズムも少し速すぎるらしい。もう少し遅い方がいいと彼は言うのだが、せっかちな性格なのか、つい速くなっちまう。
しかし、この時はその私のやり方、タイミングがピッタリと合っていたのではないか、と彼は言う。
いや、私の投げるルアーがたまたま魚の目の前に落ちただけ、とも思えるのだが、ともあれ、彼にはバラしどころかアタリさえなく、私だけに当るのである。

3匹目も私に来た。





流石にこうなると、彼も少しは焦るんである。いろいろと考えルアーを次々に交換したりしてやってみる。

と、やっと来た。クロダイ用のペンシルであった。
ガバッと水面が盛り上がるように彼のルアーに飛びかかった。
「やっと来ましたねぇ、ボクにも」と笑う彼。
しかし、バレてしまった。デカイやつだったが。

その後も彼に来る。
でもやはりバラしてしまう。

その後は二人とも時折ヒットするものの、乗らなかった。

気がつけば、ボートは相当遠くまで来てしまっていたので
帰りながらの釣りとなった。

日は高くなり、時刻も8時を回っていた。

「クロダイの時合いは決まっていません。いつでも釣れたりします。」
と彼は言うのだが、この朝は日が高くなるにつれてアタリは遠のいた。

ここで一息、朝飯の握り飯を頬張り、お茶を乾いた喉に流し込む。
凪いで穏やかな海、時々落ちてくる雨粒が涼しくて気持ちよかった。




半分くらい戻ったところで、突然のように私に来た。
ルアーが突然姿を消し、ロッドが絞り込まれた。
強い引きだったが、近くまで引き寄せ見えた魚体は引きの割にはデカくなかったがしっかりとフッキングしていた。





暫くして、とうとうO君に来た。
「やっときました!」

引き寄せる彼。バレるなよ。
今度こそはしっかりフッキングしていた。
しかし・・・
あがったのはクロダイに違いないが・・・うっはーー!!



もう苦笑いの彼であった。


その後はアタリは途絶え、我々の釣りは終わったのだ。

結局、私4匹、O君ゼロ、ということになった。うっはっは。
偶然だとは思うが、悪い気はしない。
まあ、たまにはこんなこともあっていいではないか。

いつもは逆なのだから。

クロダイのデイゲームは実に楽しい。
近いうちにまたやろう、と別れた。

その夜は遠方からの来客もあり、黒鯛の刺身、塩焼きの大宴会。
海が綺麗なせいだろう、もう感動の美味さだった。


O君ありがとう。

でした。



(最大42センチ)





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テトラのてっぺんで。                           7月8日

2011-07-10 | メバル
山道から里道に出て海に出るまで暫く走らなければならない。
窓を開けると田植えが終わった田んぼの水面を渡って来る初夏の風が気持ちよかった。

海に出るとまず波の様子を見る。
その夜は2メートルの波ということだったが、実際は凪いでいた。もうベタ凪に近い。

ここまで来ると引き返すわけにも行かず、ポイントに向かって海岸線を走る。
地形によって波の高さは違って来る。それを期待したが、どこまで走っても凪ぎに変わりはなかった。

しかし、このところの新ポイント、高いテトラの下の海は違った。
周囲は凪いでいるが、ここだけはサラシが立っていた。
うねりがあり、それが海面から顔を出し細長く横たわる磯に当り、テトラと磯に囲まれたその海域はサラシが広がり、波立つ海面には活気があった。

先ずは前回爆釣であったガルプ、ジギングブラブ2インチを付けて前回のヒットポイント沈み根辺りに投げてみる。
すぐに食いつくと思っていたが、食いついては来なかった。
前回良かったから今回も、というわけにはいかないようだ。
メバルは特にその場その時でパターンが違ったりする。
その時のベイトに由るのだろうが、よくは分からない。

そのうち、ジギンググラブは無惨な姿になってしまう。
またフグである。
困るのであるが、諦めない。まだ始めたばかりなのだ。

ならばと、自作のカブラを投げてみる。ここでプラグを使う気にはなれない。テトラに擦れてすぐにボロボロになってしまうからだ。
しかし、カブラもダメだった。こいつを使うには少し荒れ過ぎなのかも知れない。

ふと、カルティバのロックンベイトが思い浮かんだ。
人気がないようだが、気に入っているのでいつもバッグに入れてある。
尻尾を小刻みに振りながら泳ぐ可愛いやつで、フグにも強そうだ。

左手は宙空に突き出したテトラが邪魔をして投げにくいのだが、ラインが擦れるのを覚悟で敢えてその方向へ投げてみる。
着水とともにゆっくり引いて来る。
いきなりゴツンときた。
合わせると重さが伝わって来る。
ゴリ巻きして、抜き上げである。
えいやっ!!とリールを巻いたが、海面を離れると重くてままならない。
それでも巻くが、中空に突き出したテトラをなかなか超えてくれない。
テトラの腹を擦り引っ掛かり、下がり、また上がって来る。
と、その時、カクンと抜け落ちてしまった。

ああ!!と思う。
またである。


願わくは魚がそのまま海に落ちてくれることだ。
まだ巻き上げはじめたところだったし、おそらく大丈夫だったろう。
そう思いたい。

おそらく、柔らかい口の脇にフッキングしたのであろう。
この高さを落とさずに抜き上げるには堅い上顎にしっかりとフッキングさせる必要がある。
そのためには向こう合わせではなく、アタリに集中してこちら主導で掛けねばならない。


どうやらこの方向にはフグはいないようだった。
或はロックンベイトがお気に召さないのかも知れない。


すかさず、次のキャスト。同じ方向。同じライン。
ヒット。
今度は猛烈な早さで巻き上げた。
25センチ。
フッキングを確かめる。なんとか上顎に掛かっていた。




その次もガンときた。
こいつは重かった。
今度は心して巻き上げる。
テトラに引っ掛かりそうになり、一度落ちかかるが、なんとか巻き上げた。
デカメバル用のルナキアでも大丈夫かと思うほど折れ曲がった。
こいつはしっかり上顎にフッキング。




ひょっとしてと、バックからメジャーを出して、暴れる魚を押さえつけながらなんとか計測写真を撮る。
しかし、28センチを僅かに越えたに過ぎなかった。
前回、計測写真はその場ですぐ撮らんといかんなあと痛感したわけで、気を入れてやってみるとこれである。





その後もヒットは続いた。

26センチ。



25センチ。



そしてまた、一際重いやつ。
よし!!今度こそはと期待しながら抜き上げた。




測ってみる。

しかし、また28センチであった。





その後、遠くを狙ってフルキャストすると、向こうの磯まで届いて根がかり、
ラインブレイクとなってしまった。
テトラの上でラインを編み直し、再び釣りに戻ったが、
何故かアタリはぴたりと止まってしまった。

フグがいるからか?
そうではない。

フグはいなかった。
しかし、どの方向に投げても、ワームを替えても、
反応はなくなった。

何故か?暫くテトラに座り込んで考えた。
いろいろ考えられるが結局のところ分からない。
突然スイッチが入って爆発し、突然スイッチが切れて静まり返った。
そういうことだ。

メバルの時合いは短いとよく言われる。
ほんとそうなのだ。
時合いは祭りで、終われば後の祭りである。
先程までの熱気と興奮は何だったのか、
終わった後の一種形容し難い寂しさもメバル釣り独特である。

今回も怪物に出会えなかった。
でも、まだ諦めるわけにはいかない。
ここには必ず怪物がいるのだし、
この海はまだメバルたちの宴が続いているのだ。


空には星はなく、暗闇と波のざわめきだけである。
初夏の柔らかい風が吹いていた。



しかし、私は深夜独り、こんなテトラのてっぺんで何をしているのだろう?


なんだか可笑しかった。





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怪物を狙う。                  7月4日

2011-07-06 | メバル
昨夜から、嵐のような風が吹き、叩き付けるような激しい雨が降り続いた。
もう春一番とは言わないし、夏一番というのも聞いたことがないが、この嵐は確かに夏一番であった。

午後遅くになってパタリと風は止み、雨も上がった。

ふむ・・・
こんな時は、釣りに出よう。
ふと、そう思った。なんだか予感めいたものがあった。

怪物に出会えるのではないか、と。

晩飯後、遅い時間に出かけた。


9時過ぎ、先ずはこのところご無沙汰のポイント「イージーテトラ」から始める。
ここは今年の始め尺が二匹釣れたが、その時海は釣りが難しいほど荒れていた。
あれほどの嵐の後である。あの時のような荒れを期待したが、
1メートル弱、少々波立った凪ぎといったところだった。

しかし、ともあれ投げてみる。
尺ヘッドDにビームスティックを付け、まずは底をスローに引いてみる。
数投目、左テトラ際を通していると、ガツときた。
合わせた途端ドラグがどんどん出る。

あらっ!! ドラグを締めるのを忘れていた。慌てて締める。
ドラグを締めている間、根に潜ったようで引いても動かない。
で、テンションを緩め、少し間を置き、ゆっくりと上げるように引くと重さが着いて来た。
うまくいった。案外の重さ、一気に寄せる。
おっと、28センチ。このポイントでは上出来サイズだ。






案外いいのかも知れないと気分は一気に上昇するのであったが、
その後、さっぱり。

折角の尺ヘッドDだからと、ワインドでやってみるがうんともすんともである。
今のところ、ワインドの効果が実感出来ない。

そのアタリのなさは、魚は釣れたやつしかいなかったのでは、と思われるくらいであった。
勿論、小さいやつは時々掛かるのであるが。

早々に諦め、怪物を狙って本命ポイントへ。

先ずは定番の釣り座。
風は緩やかな追い風、悪くない。
波は1メートル。荒れ気味の凪である。

活性がなくはないのだが、
でかくて23センチ。





前回、取り逃がした大物が食いついた底も狙ってみるが、アタリすらなかった。


この荒れではこんなものかと早々に諦め
さて、新ポイントのテトラへと移動。

釣り座に立って下を見ると、やはり高いなあと思う。でも高いからこそ広範囲を攻められるし、障害物もあまり気にならないという利点もある。
下の海はそう荒れてはいないが、何かいい雰囲気があった。海面がソワソワというか、ザワザワと囁き合っているようで、こちらも胸騒ぎがするのであった。
風は緩い向かい風。飛ばしウキをキャストするに殆ど問題のない風だった。
ここで怪物を狙うために用意した飛ばしウキリグをセットする。
ラインはラパラマルチゲーム0.6号14ポンド、リーダーを3号にし、ジグヘッドはカルティバ、クロスヘッド2gに以前買って使わなかったガルプのブラックバス用ワーム3インチ(8センチ)を付けた。
まずは正面に投げてみる。思った通りしっかり飛んで放物線を描いて下の海面に落ちてゆく。ゆっくり、ほんのゆっくり引いて来る。くるか・・・・・・・

いや、こなかった。
暫く方向を変えやってみるがアタリなし。

で、ジグヘッドとワームを変えてみる。少し小さいやつに。
自作ジグヘッドサイズ2にガルプジギンググラブ2インチ6センチ。テールのクルリと曲がったやつだ。

正面少し左には沈み根が数カ所かたまってあるのだが、根がかり覚悟でそのラインを通してみる。
と、がっつん、と引ったくった。
15メートルをグングン巻き上げる。
23センチ。小さい。




そして次のキャスト。
また来た。
引き寄せ、巻き上げる。

巻き上げにかかると、その重さがよく分かる。
途中、テトラにどでん、どでんと引っ掛かりながら上がって来るのであるが、それにしても重かった。
落ちるなよと祈りながら、えんや、えんやと巻き上げる。
上がって来たやつは思った通りでかかった。
どでんとしたやつだった。

早速、バッグからメジャーを出して測ってみる。
テトラの上で暴れる魚を計測するのは難しい作業である。
足元は丸い曲面であるし、下手すると魚は滑り落ちてしまう。
魚を左手で押さえ、右手でメジャーを添えるのである。
勿論、写真を撮る余裕はなかった。
尺であった。30センチをほんの僅か超えていた。



ジグヘッドを見ると重さに耐えかねたのか伸びていた。
この高さを暴れながら上がって来たのである。無理もない。




思った通り、ここには大物がいた。
しかし、狙っているのはそのレベルではない。もっと強烈な引き、重さ、怪物だ。


次のキャストも続いてヒットした。
24センチ。




その次も。
26センチ。





もう入れ食いであった。




そしてその次。

こいつも重かった。
再び、メジャーを出して計測、29センチ。
先程の尺より幾分小さいものの、全体は体高が高くてこいつの方が形はよかった。




しかし、その次のキャスト、ロッドを振り抜いた瞬間、ラインが切れてルアーは闇に消えちまった。
おそらく、ガイドにラインが絡んだままキャストしたのだろう。

しかし、入れ食いである。ここで釣りを止めるわけにはいかない。
怪物への期待はまだ膨らんだままである。

ラインを組み直し、リグを作り直し、再びキャストを始めた。


しかし、

先程の入れ食い活気は何処へやら、忽然とアタリは消えてしまった。
たった数分しか経っていないというのに。
何者かにばっさりと切り捨てられたかのような理不尽さであり、すでに祭りの後であった。


諦めきれずヒットポイントをしつこくやっても時々当って来るのはフグばかり。
一発でちょん切られるワーム。ああ、勿体ない。

あっ、と思う。

フグなのだ。

そういえば、フグがうろつくポイントでこれまでメバルが釣れたことがない。
フグたちがやって来て海面を支配すると、メバルたちはフグと争ってまでワームに食いつこうとはしないのだ。
極めて遠慮深い、奥ゆかしい性格なんである。
特に、デカメバルともなれば奥ゆかしく用心深い性格故に長生き出来たのである。


ならばと、プラグを投げてみるが、もうメバルたちは引っ込んだまま出て来ようとはしなかった。


諦めた。残念無念。魚がそこにいるのは分かっているのだが、
フグたちはワームが美味かったのか、そこを去る気配がなかった。



平らな場所に戻り、一応計測写真を撮っておこうと改めて尺を測った。

ところが、である。
既に口を開いて堅くなった尺は僅かに尺に届かないのであった。
うっひゃ〜〜!!!




死後硬直で縮んだのか、見間違いだったのか、
こういうのを「後泣き尺」というのだろうか。

まあ、いいではないか、大した問題じゃない、うむ・・・・
と自分にいい聞かせながら車へと向かったのだった。


釣り始めはどんよりと重く真っ暗な空だったが帰りはすっかり晴れ上がり、頭上には夏の大三角が煌めいていた。


怪物には出会えなかったが、



いつか、きっと。


である。
























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めばる二夜。 怪物がいる。            6月25日、28日

2011-07-01 | メバル

「メバルの刺身が食べたい。」
金沢から来ていた友人が私を見てそう言った。

ならばと出向いた。6月25日だった。

このところ毎日間断なく雨が降り続けていたが
丁度、午後過ぎから止んだところだった。

ポイントは前回と同じ「右足の崖」である。
メバルシーズンの終盤である今、私のシーズンを気分良く締めくくるためにも
尺をもう一匹あげたかったし、この時期、尺を狙えるポイントはここの他なかった。

前回このポイントは期待はずれの凪だったが、今回は丁度いい荒れ具合だった。
1〜1.5メートルの波、サラシがいい感じで渦巻いていた。しかし、風が悪かった。強い向かい風。
6センチ7グラムのプラグもまともに飛んでくれない。自作のシンキング飛ばしウキ15グラムもサラシの向こうまで届かなかった。
ここでデカイやつが来るのは遠いところだというのに。

活性が強いときはサラシの中でもアタックして来るが、今回は全くダメである。
釣り座を変えてなんとかキャスト出来る方向に投げてみるが、ラインは風に流され、反応はなかった。

流石に2時間、アタリもなければ諦める。

諦めかけた頃、俄に風が弱くなった。

チャンス到来と風に向ってサラシの向こうへフルキャストする。

数投目、やはり遠いところでコンときた。待ちかねたアタリだ。
しかし乗らない。
同じところを何度も通す。
と、ココン。やはりきた。今度は乗せる。
遠くから引き寄せる。案外の手応え。魚は暗い海面を滑るように近づいて来る。
27センチ。




しかし、その後が続かない。
一時間後、25センチが一匹。




その後、再び風が強くなり、諦めた。

2匹だが、なんとか友人に刺身を作ってやれるではないか。

空はどんよりと厚い雲が覆い、細かな雨も落ちて来た。
車までの道を急いだ。

と、帰り道右手の大きなテトラ群にふと目が止まった。

普段、この巨大なテトラは危険過ぎて釣り人はあまり近寄らない。
私も過去何度か降りてゆく道を見つけて中段ではあるが、釣り座を見つけキャストしたことがある。
確かにあまり人が来ないところだし、メバルのポイントとしては最高で、デカメバルの入れ食いも経験している。
しかし、始めからそこに行く心構えと体力がないとひとりで行く気にはならない。
正直、何度か登り降りしたが、だからといっていつもうまく登れる自信が今ひとつないのである。
もし、足を滑らせ落ちたら、それで終わりなのである。要するに怖いんである。
それにその降り道も今では確かな記憶がないのである。

もしテトラからキャストすれば丁度いい感じの追い風となる。
ひょっとして降りなくても、テトラの上からキャスト出来ないか、と思った。
で、探してみると、あった!!

比較的安全で簡単に行ける釣り座。しかも足下の海は沈み根、浮き根があり、魚が好んで集まりそうなポイントである。
ただし、問題が一つ。足場の高さである。
それはもうメバル釣りの釣り座としては考えられないほどの高さである。
おそらく15メートルはあるであろう。ルアーをピックアップするにも巻き上げる途中、ルアーはテトラの隙間に引っ掛かるかも知れないし、こすることはまず避けられない。魚が掛かってもそうであろう。およそ人はここからキャストしようとは思わない。
勿論、ジグヘッド単体などは問題にならない。かろうじて重いプラグか飛ばしウキならなんとかなりそうだった。
私の飛ばしウキはウレタンゴム製のラグビーボール型のやつで、衝撃には極めて強いし重さも10グラム以上である。
こんなところにはもってこいであった。

試しに投げてみた。
追い風ということもあって、案外綺麗に飛んでくれる。
飛ぶというより、放物線を描いて遥か下へと落下するのである。

着水するのに時間はかかるが、案外問題なくキャスト出来ることに驚いた。
ゆっくり引いてみる。
暗闇の中、何処にルアーが落ちたのか、どの辺りをルアーは動いているのか遠過ぎて分からない。
頼りは長いラインを伝わって来る細かな信号と勘である。

どのくらい引いて来たか、おそらく足元のテトラ近くまで来て、ゴゴン!!と引ったくられた。
合わせると重さがロッドに乗った。よし、と巻き上げる。グングン巻き上げる。
いつもは引き寄せ抜き上げるわけだが、それとは違い、巻き上げる。長い距離をぐんぐん巻くんである。
魚の重さがもろにロッドに掛かり、予想通り、何度かテトラをこすりながら魚はあがって来た。
26センチ。



巻き上げる時間は長いものの、デカメバル専用のロッドである。折れる心配はない。
尺でも大丈夫だ。

とにかく、素早く巻き上げなくちゃならない。魚がテトラに擦らないように。


二投目、また掛かった。
23センチ。



三投目。
25センチ。




案の定、入れ食いとなった。










どれも25センチ前後であったが
先程までの釣れない釣りが嘘のようであった。

10匹も続いただろうか、突然時合いは終わり、静かになった。
暫くするとまた釣れるだろうと思ったが、
もう十分だった。


この釣り座は発見であった。
いつもは通り過ぎていたが、ちょっと発想を変えてみると
それが宝のポイントなのだった。

でかいのは釣れなかったが、このポイントにはきっと大物がいる、そんな確信めいたものを感じられ
それが嬉しいではないか。

明くる日、友人は刺身と煮付けに舌鼓をうち、大いに喜んでくれたのである。




そして3日後、28日。


予報を見ると、今度こそ追い風である。
波も1.5メートルらしい。

出かけた。

またまた「右足の崖」である。

いつもの釣り座は予想通りの追い風。波もいい具合に荒れていた。
サラシの15メートル先には潮目が横たわっている。
状況は申し分ない。これを待っていたのだ。

よし!!
と、まずはプラグを定番の方向、潮目を狙って投げてみる。
風に乗ってルアーはよく飛んだ。
ここは大物は遠くで掛かることが多い。
すぐにでもアタリがあると確信していた。

ルアーが潮目に差し掛かり、
くるぞ、くるぞ・・・とドキドキしながらルアーを引く。


がしかし、

サッパリ、であった。
時々、小さいのが掛かる程度。

状況がいいからと言って、いつも釣れるわけじゃないんだな。
潮目だからといって、そこにいつも魚が溜まっているとは限らない。
いない時はいないし、釣れない時は釣れないんだ。
当たり前のこと。

考えうる全てのことをやってみたが、ダメである。

しかし、一度、底を引いているうちに食いついて来たやつがいた。
そいつは手応えからデカメバルのレベルを確かに超えた大物だった。
メバルなら軽く尺越えだったと思えるが、やり取りの間とうとうバレてしまった。

3月30日の女釣り師との釣りでも、大物を逃がした。あの時は寄せる途中、障害物であるテトラの根に引っ掛かり、バラしてしまったのだった。

手応えからしてスズキでもないし、クロダイでもない。それは確かだ。鈍重でありながら、下への強い引きである。おそらく根魚だろうと思われる。メバルか、ソイか、キジハタか、アイナメか、タケノコメバルか、どちらにしても大物である。
メバルなら35センチ級の怪物に違いない。


バラした後の強烈な手応えの印象が長く尾を引いた。


思い返せば、このポイントでのこんな経験はこれまで一度や二度ではない。
ラインが切られたり、バラしたり、フックが伸ばされたり、一度も上げることができなかった。


そいつをもう一度と同じ底をしつこく狙ってみるが、アタリはその一度だけだった。

結局、3時間粘って25センチが一匹。

海の状況がいいにもかかわらず釣れない時は、ホントに釣れないんである。



場所を移動した。

前回の入れ食いテトラに期待した。

前回は追い風だったが、今回は向かい風である。
最初のポイントとは逆になるのだ。

海面まで15メートルの高さである。
この高さで向かい風は厳しい。
空中に長く伸びるラインはもろに風の影響を受け、難しい釣りであった。

しかし、なんとかルアーを海面に落とすことができれば、それがどの方向へ流されても、食いついて来ると確信していた。

数投目、案の定、食いついて来た。
15メートルをえんや、えんやと抜き上げる。
向かい風のせいで、テトラに何度か当り、こすりながらの抜き上げである。
25センチ。



前回ほどではないが、まあまあの活性である。

23センチ。



26センチ。




その後、風を利用し思い切り右方向、テトラの足元にルアーを落としゆっくりと引いていると、ガツン!!ときた。
強い引き。ドラグが軋む。走る。絞られるロッド。
なんだ、なんだ!!
大物だった。引き寄せる。心臓が早鐘を打った。
足元まで寄ったが、そこでテンションが抜けた。
あんらら〜〜。

おまけに、ルアーを回収する途中、飛ばしウキがテトラの隙間に挟まったとみえ、仕方なくライン切れ。


ラインを編み、飛ばしウキのシステムを作り直し、さて再開。

一瞬、風が弱まったので、正面遠くに投げてみる。うまく飛んでくれた。
引いて来るとテトラの沈み根があり、そこで食いついて来た。
激しいアタック、手応え十分、こいつもでかかった。
走る走る。負けじと引き寄せる。
0.6号、14ポンドのラインに合わせ強く締めたドラグが出る出る。

尺か。いやそれ以上かも。怪物の期待が膨らむ。
バレるなよ。
足元まで寄ったところで、抜き上げに掛かった。
一気に巻き上げる。
ロッドに掛かる全重量。折れ曲がるロッド。重かった。いいぞ。

しかし、何回か巻いたところで重さが消えちまった。

軽くなったラインを巻き上げてみると、
かろうじてリーダーは残っていたものの、飛ばしウキも、ジグヘッドもなくなっていた。
2.5号のリーダーが切れちまって魚は海へと落ちたのだ。

いくらなんでも魚の重量に耐えきれず切れたとは思えない。
抜き上げの時、ラインがテトラに擦れ傷ついたのだ。
それに魚の重量が重なった。単なる重量ではない。暴れる時の重量は二倍になる。

それにしても魚体を見たかった。
どんなやつだったのだろう。


その後もトラブルは続いた。
ラインブレイク2回、飛ばしウキのロスト4つ、ジグヘッドのロスト数個と散々であった。

しかし、最後の最後、28センチがあがって来た。





そして、持っていた飛ばしウキを全てなくしたところで終わりにした。


高い釣り座での風との格闘、やはり難しい釣りだった。

がしかし、事件も多々あり、
嗚呼!!なんという夜だったのだと、愉快なのであった。

正面の中空、斜めに傾いた北斗七星も北極星を挟んで水平線近くのカシオペアも笑っているようだった。


今回、大物を三度取り逃がした。
このポイントには何か得体の知れない怪物が確かにいる。
尺メバルのレベルを超えたやつ。
メバルではないかも知れない。
釣れそうで釣れない。
そいつは一体どんなやつなのか?

とにかくそいつを釣り上げてみたい。
ラインやリーダー、ジグヘッドなど、もう少し強いものにして望もう。




なんだか

闘志が湧いて来る。








ロッド:テンリュウ、ルナキア9.3フィート
リール;ダイワ、イグジスト2506ダブルハンドル
ライン;ラパラ、マルチゲーム0.6号13.9lb
ジグヘッド:自作(がまかつJIG29サイズ2+がん玉0.5〜1g)、尺ヘッド0.5g
飛ばしウキ;ウレタンゴム製ラグビーボール(自分で鉛を埋め込んだりして11〜15g)
ワーム;ガルプ、ベビィサーディン他いろいろ。



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めばるたちよ。                                 6月21日

2011-06-23 | メバル
このところ凪ぎ続きだった海が少し荒れて来たという。

それを待っていた。
メバル釣りである。

もう久しくメバル釣りから遠ざかっていた。
4月5月のいい時期に仕事に追われていた。

3月30日、女釣り師と尺メバルを釣ったあの記憶が蘇る。

あのメバルのアタリ、アタックの衝撃、引きの手応え、あの魚体、まん丸い目、それらが身体中を巡り、もういても立ってもいられない。

勿論、そのポイントへと向かった。

釣り座に立ってみると我が期待はあっさり裏切られ、海は静かに凪いでいた。
でもベタ凪ではなかったし、魚の気配は感じることができた。
風も強いが、追い風だった。

ともかくジグヘッドにガルプ、ベビィサーディン白を付け投げてみる。
近くまで引いて来てコン!ときた。
小さいが明確な魚信、これがメバルのアタリである。
次のココン、で合わせる。乗った。が、軽い。18センチだった。海に戻す。

ふむ、魚がいないわけじゃなさそうだ。

二投目、またアタリ。でもちょっと違う、続けざまに当って来るが乗らない。
フグだった。ガルプはズタズタにちょん切られていた。

ならば、とプラグを付けた。
一投目、ヒット。23センチ。
久しぶりのメバルである。でかくはないがこの顔、このデカイ目、握った感触、なんだか嬉しい。



今回このサイズは煮付け用に持ち帰ることに。
うまいんだなこれが。



しかしその後は当らない。

プラグの質を変えてみる。深いレンジを狙えるやつ。
底まで落としリフトアンドフォール。
と、掛かった。
これも23センチ。




しかしその後は当らない。

またプラグの質を変えてみる。表層だが小さいやつ。
飛ばないので飛ばしウキでやってみる。

掛かった。でも20センチ弱。海に戻す。
その後、数匹。どれも小さい。


暫くするとプラグでも反応はなくなってしまった。

何となく思うのはルアーは小さい方がいいような・・・・
ベイトが小さいのだと想像する。

大きめのプラグやワームが効果を発揮するのはやはり荒れて活性の高い時だ。
海が静かなとき、大きいベイトは捕らえにくいのだろうし、メバル自身警戒心もあるのだろう、小さいルアーのほうが有利、というのが私の経験だ。

フグが去ったことを祈って、再びジグヘッドにガルプでやってみる。
一投目からガツンと引ったくって来た。23センチ赤。




どうやらフグはいないようだった。
数投目、また来た。今度は案外の引き。25センチ。ブルー。




暫くしてまた。24センチ。ブルー。




その後、小さいのは掛かるもののサイズが出ない。そのうち突然のように反応がなくなった。方向を変え、レンジを変えても同じである。



ともかく25を超えるやつにお目にかかりたいと思う。
魚がいないわけではない。どこかにきっといる。でも食いついては来ない。
そいつを引き出すことができない。

で、ワームを変えてみる。以前買ったものの釣れそうになく使わなかった、クルリと尾っぽを巻いた大型のワーム。デカイのを狙って。
と、やはり一投目で来た。が、やはりサイズは伸びない。23センチ。



で、案の定、そのアタリだけだった。
ふむ。


ここでちょっと休憩。ポットに詰めて来た熱いお茶を飲み、煙草を一服。
天頂近く白鳥座がゆったりと翼を広げ、ベガもアルタイルも美しく瞬いている。
もう夏なのだと気がついた。
後ろを振り向くと、山の端近く、アンタレスが「おれもいるよ」と赤く輝いていた。


凪では釣れないというのが小生の常識になっているが、本当にそうなのか、それは思い込みではないのか、という思いが引っぱる。
それでいろいろやってみる。でも小さいのは釣れるもののやはりデカイのは来ない。

活性が高くどんどん釣れている時はルアーを変える必要はない。同じやつの方がいい。
でも活性が低い時、ルアーを変えることは当たり前のこと。
種類や色など、いろいろとやってみる。
でも今回のようにそれが際立ったことはこれまでにない経験だ。
ルアーを変えた1.2投だけに反応があり、その後はなくなる。
そのパターンである。

それは魚はいるが食いつかないというまさに活性の低さを現している。
魚たちに余裕がある。もう何が何でも食いつきたいという状況ではないのだ。
私がメバルだとしても、初めて見る魚のようなものに、おっ!なんだ、なんだ、と近寄り思わずパクッとやることがあるにしても、同じやつが同じように泳いで来たら、ふん、と興味を示さないだろう。

もうやめようと思っていたところ、ジグヘッドボックスに入っていた自作のカブラを発見。最後にそれでやってみることに。
私はジグヘッドを自分で作ったりするが(安上がりなので)、そのついでに作ってみたやつだ。
作っては見たがどうにも釣れる気がせず使わなかった。

ステンボーシンカーを付けて投げてみると
あんりゃりゃ、一投目から食いついた。しかも活性のあるアタリだった。しかし、また23センチ。



そして連続ヒット。
いや驚いた。自作の適当に作ったカブラである。これほど効果があるとは思っても見なかった。




自作のカブラを改めてよく見た。
意識はしていなかったが、これはエビなんだと思った。
凪の澄んだ海ではやはり小さいものを食っている。エビは御馳走なのだ。

結局、それがその日一番アタリが長引いたルアーだった。


尺を狙ったが、それどころか25センチアップも釣れなかった。
しかしだ、
狙った通りデカイのが釣れるのは嬉しいに違いないが、それだけが釣りではない。
結果よりもナマの時間と体験である。

海や魚たち、空や星たちとどれだけの会話が出来たのか、
なにか新しい発見があったか、
心ゆくまで遊べたか、
そしてさらに言うなら、自分自身と出会えたか。
それらのことがいい釣りだったかどうかのキーワードだと思っている。

バケツに入った10匹のメバルたち。
メバルたちの顔を眺めているうちにふと思ったことがある。
こいつたちも放射能に汚染されているかも知れないなと。

3月11日を境に世界は変わっちまった。
これからも海の汚染は広がり続けるに違いない。
しかし、私はこのメバルを食おうと思う。
海とこの魚たちとこの先、死ぬまで付き合っていこう

と、強く思った。


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難しい釣りだった。   磯スズキ再び。                  6月18日

2011-06-21 | スズキ
能登の春の磯スズキのシーズンは6月いっぱいまでか。

メバルも6月いっぱいである。
メバルもあれからどうなっているのか気になるところ。

しかしこのところ凪が続いている。
デカメバルは凪では難しい。
凪ならばスズキである。
常識で言えば逆であろうが、能登外浦での私の釣りではそうなんである。

というわけで、またスズキ釣りへと出向いた。
海の状態もあるが、なにはともあれ、今スズキ釣りが面白い。

やはりO君とである。
今回は彼と二人だった。

ポイントは前回と同じゴロタ磯。
ウエダーを付けてのランガンスタイル。

「今、夜の時間帯は干潮の前後で厳しい釣りになるかもです。」
とO君は言っていたがそうでもなかった。

最初に入ったポイントで数投目にはゴツンと来て、



60ちょい。


その数投後にまたヒット。



同じく60ちょい。


暫くして、またゴンと来たが、こいつは小さいのでリリース。

あら、3本続けてバラシがない。
バラシ病、治ったか。

O君もヒットしているようだったが、みんな小さいとリリースらしい。


その後、アタリは途絶え、移動する。

次のポイントは全くアタリなく、早々にまた移動。
すでにランガンでどんどん移動しているO君を追いかける。

「今日は回遊が望めないので、居着きを拾っていくしかないですね。」と彼。
ヒットはしてもサイズが今ひとつらしい。

とにかく、少しやってはまた移動、小刻みに移動した。

O君の言う難しい釣りと言う意味が分かって来た。
どこでやってもすぐに藻に掛かった。
藻に掛からず足元までルアーを引いて来られるラインはなかなか見つからない。
藻に掛かるのは当たり前、藻をぶち切りながらの釣りである。

こんな釣りはPEラインだからこそできるのだ。
藻に当るとすぐに分かる。掛かり始めをしゃくり、藻の先端をぶち切るのだ。
タイミングが遅れるともろに根がかりしてしまう。

私が藻と格闘している間にもO君はしっかりヒットさせていた。
案外のサイズらしく、取り込みに時間がかかっていた。
大きいやつは近くに来てから走り始める。
彼は慌てない。十分に走らせ、弱らせてからランディングするのである。
70センチ弱だと言う。

その直後、彼のロッドは再びバットから折れ曲がっていた。
重そうだったが案外素直にランディング出来たようだった。
「さっきのよりデカイです!!」と彼。
75センチ。
流石である。

私には小さいやつさえ当らない。
この厳しい状況では腕の差がハッキリ出るようだ。

それどころか、またガイドにラインが絡まったままキャストしてしまい
1つしかなかったヨレヨレミニは何処かへ飛んでいってしまった。
その夜はそのルアーしか反応がなかったというのに。

もともとロッドもリールもPEライン用ではない。ガイドは大きくラインが絡みやすいことを肝に命じておかねばならぬ。

おまけにバックラッシュである。縺れがひどくて簡単には治らない。ラインブレイクの反動でそうなったのだろう。
これがベイトリールの欠点である。
釣り続行不可能。

リールを交換するしかない。
車まで戻ることに。

と・・・「江崎さんのルアー、回収出来そうですよ。」とO君。
なんと飛んでいったルアーに付いているラインをルアーを投げ、うまく引っ掛けてくれたのだ。
いや地獄に仏である。

一度車に戻りタバコを一服。
この日、ヨレヨレにしか反応がないとO君も言う。
前回も凪だったが、その夜は特別鏡のような凪だった。
そのせいかも知れない。

予備にもって来ていたコンクエストDCをロッドに装着して、
さて出直しである。

12時を回っていてランガンの疲れもあったが、まだ気持ちが収まらなかった。

前回、最後にデカイのが釣れたポイントに行こうかと思ったが、その夜は先客がいた。
で、最初のポイントに戻ってみることに。比較的藻の少ないポイントだ。

思い切り遠くへキャストする。
コンクエストのブレーキ音はギュイーン!!とアンタレスより乱暴だ。形もクラシカルでいかにもベイトリールという顔である。釣りを始めた頃、専らこいつを使っていた。懐かしい顔である。
コンクエストはアンタレスより古いタイプで、飛距離はアンタレスの方が上と言われているが、どうもコンクエストの方が遠くに飛んでいるように思える。
こちらの方が私には合っているのかも知れない。

しかし、当らなかった。
「アタリあるかー!!」と聞いてみると
「ないですぅー!」とO君。

今夜はこんなもんかなあと思っていると
突然ゴツン!!ときた。

強い引きだった。
いいサイズに違いない。

走る走る。

ググゥッー!!グググゥー!!
その夜初めてスプールが逆転する。

「でかそうですね、慎重に!!」
O君の応援の声。

お陰でバラすことなくランディング。
強烈な引きの割には小さかったが
その日の納得の一匹だった。
70センチ弱。




その後は先程のヒットが嘘であったかのようにひたすら沈黙の海だった。

時計を見ると2時だった。

干潮時の超シャローでの難しい釣りだった。
前回のまるでメバル釣りのような数多いヒットはなかったが
いろいろ新しい発見のあった釣りだった。


O君、今回もありがとうでした。





いや、スズキ釣りは楽しい!!




(コンクエストDC201、セブンセンスMWB972)



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