goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

女郎と兵卒

2007年07月24日 | 07 花たち



【オミナエシ・女郎花】オミナエシ科

秋の七草のひとつですが、キキョウ同様、こちらも夏の花です。
6月中には、すでに咲いておりました。

名前の由来には、いろいろなな説があります。

もち米で炊く「おこわ」のことを「男飯」、粟ごはんのことを「女飯」と言っていたんだそうです。
黄色の蕾や花を粟粒に見立て、「女飯(オミナメシ)の花」が転訛して「オミナエシ」になったという説。

オトコエシ・男郎花という花に対して、それよりも花が優しいのでオミナエシ・女郎花なったという説。

こんな説もあります。
「オミナ」とは「女」、「エシ」は古語の「ヘシ(圧し)」が転訛したもので、圧倒するという意味で、「美女をも圧倒する美しい花」ということになります。
そこまでの花ですかね?
嫋やかで、女性的な雰囲気のある花ではありますけどね。

女郎花という文字は、平安時代の中頃から使われるようになったようです。


話は違いますが、映画、演劇界でこんなことが言われていた時代があります。

どんな下手くそな役者でも、男は兵卒、女は女郎なら誰だって演じられる。

この場合の役者とは、役名も無いエキストラのことです。

確かにね、日本人で少々芝居心のある人間だったら、演じるのは簡単な役柄でした。パターンがはっきりしていますからね。

現在の役者さんたちはいかがでしょう?

女優さんの女郎役は、相変わらす難なく演じられていると思いますが、男優の兵卒役はさっぱりです。
兵隊さんに見えません。
殊に二等兵など、ぺーぺーの兵卒がまったくいただけません。

良くも悪くも(腰高で小顔のスリム体型や、しまりの無い小太り、論外のデブ)、体型の違いは如何ともし難い問題ですが、それは昔にだってありました。

いちばんの違いは、上官の号令一過、整列したときの緊張感です。
全身に漲る緊張感が、多過ぎたり無かったり、てんでバラバラなんです。
それが面構えに現れるんです。

およそ兵卒には見えない若者たちを見て、ある世代から上の人間にとっては、戦争が身近な話題だったんだなって、気付かされることがあります。

もちろん戦後生まれですから、戦争体験をしていない幸せな世代です。
それでも、戦争が何たるかは知っていました。
体験を語る大人が周りにいましたし、映像などでも兵隊の無残さを見ていましたから。
それが刷り込まれたことで、兵卒のイメージを共有出来ていたんです。
衣装さえ着れば、全員が兵隊さんになりました。
今現在の若者に、それを求めるのは無理なんでしょうね。

ある意味、兵卒を演じることが出来ない若者が多くなることは、悪いことではありません。
戦争が身近な時代は、2度とあってはいけません。

女郎なんて見たことも無いのに、女優さんたちはすんなりと演じられます。
男優が兵卒を演じられないのは、どうしてでしょう?
想像力の欠如なんじゃないかと、そう思ってしまうのは、後輩たちの不甲斐なさへの、おじさんの繰り言です。



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3 コメント

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コメントありがとうございます! (悟郎)
2007-07-26 00:52:14
★ポージィさん

見かけましたか、オミナエシ。
我々が目にするオミナエシは、ほとんどが園芸種でしょうからね、殊更早く開花するように改良されているのかもしれません。
アップした写真の下から2枚目以外は、6月28日と30日に写したものです。
野郎花?
いやいや、完全にこちらのミスです(汗)。
ポージィさんの「ジョロウバナ」じゃありませんが、ジョロウ・女郎のイメージを強く持って書いていたので、対語としてヤロウ・野郎って入力してしまいました。
オトコエシが変換されないものですから←言い訳(大汗)。
スルッと訂正しておきます。ありがとうございました。

顔とスタイルはいかんともし難い問題なんですが、それにしても今時の・・・
止めときましょう(笑)。
戦争が日常なんてことには、決してならないようにしたいです。
兵隊さんに、憧れて欲しくありませんから。

★noodlesさん

そうですね。
若い人にこそ、戦争の何たるかを知って欲しいです。
原爆のことは、もっと世界に発信してもいいと思うのですがね。
いまだにアメリカでは、原爆を落としたから戦争が終わったんだ、被害が最小限で収まったんだって、まるでいいことでもしたように思っている人間がいるんでしょう?
信じられません。

そうなんですよ、28日と30日に撮ったものがほとんどです。
今年も、 (noodles3)
2007-07-25 18:11:44
8.9原爆の日。
8.25終戦記念日が近づいてきました。
この時期は、毎年重くなります。。

オミナエシ、6月から咲いていました?!
オミナエシ (ポージィ)
2007-07-25 11:13:09
やっぱりそうだー。とある畑の隅で先日見かけたんです、私も。
秋のイメージがある花ですが、悟郎さんは6月にすでに
ご覧になっていたのですね。早いなぁ。
女郎花や男郎花(野郎花の書き方もあるのですか)のいわれが
よくわかりました。また忘れそうですが。
「女郎花」と書くことも忘れていて「ジョロウバナ」と
読んでしまいました(^^;)

兵卒と女郎の演技については自分の感覚としては分かりませんが、
悟郎さんのおっしゃることはよく分かります。
誰でもが兵卒をすんなり演じられるような日本には、二度と
なってはいけませんね。