五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のドリフ

2017年11月06日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2017年12月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 
 今月号では、アニメ『ドリフターズ』OVA情報にて、
 キャスト陣へのインタビューなどが掲載されています。
 注目!
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ドリフターズ (平野耕太 先生)

 

 “関ケ原”をなぞる決着へ・・・?

 ついに、公子軍が動き出し、山が騒がしくなる中、
 すでに結果を察していた豊久は、笑顔で「来た」と一言。
 何らかの覚悟を感じさせる表情にも見えますね。

 一方、信長さんは大焦りですが、公子軍に「種子島」がどれだけあるか
 把握しようとするあたり、やるべきことをやろうとする姿勢がうかがえて、
 完全に諦めたわけでもない様子が見て取れます。

 しかし、状況は大いに不利。
 “関ケ原”における必敗の構図が完成しており、後はないように思えますが・・・?

 

 

 

 信長さんの指示。

 なるべく被害を抑えようと、立て直しを指示する信長さん。
 これ、戦国大名としては極めて“正しい”方針なのですよね。

 兵士を捨て駒にするのではなく、なるべく兵力を温存して「次」に繋げようとする。
 また、領地経営の面からも、人材の減少を避けようとするのが普通らしいですから。

 しかし、そんな方針を嘲笑うかのように、<廃棄物>たちの猛攻が始まります。
 ジャンヌが防柵と壕にいる兵たちを焼き払い、アナスタシアが「氷の出城」を作り、
 黒王が死んだ巨人兵を生き返らせるという、もはや手の打ちようがない絶望的状況へ。

 それにしても、やはり「氷の出城」のアイデアを出したのは光秀なのでしょうか。
 『三国志』では、曹操と馬超が戦った渭水にて「氷の城」のエピソードが出てきますけど、
 そのあたりから着想したのかな? だとしたら面白いかもですね。
 (あちらは砂で作った城に水をかけて一晩かけて凍らせた・・・でしたっけ?)

 

 

 

 黒王軍に押され始める豊久軍。

 形勢逆転によって圧倒され、次々と葬られる兵士たち。
 損害は大きく、このままでは全滅も覚悟しなければならないか?
 と思えるほどに悲劇的です。

 そして、黒王軍の指揮を執る光秀が、不敵に笑みを浮かべる姿が、
 絶望感をより深いものにしていますね。

 公子軍の裏切りから、<廃棄物>たちの攻勢まで、同時に動かす采配。
 周到に準備し、タイミングをつかみ、全てをつぎ込み仕上げに向かう・・・

 それは「うえさま」の方法論だと述べつつも、ゆえに信長に対し、
 「ぬるくなった」と光秀が述べているのが、高らかな勝利宣言のように響きます。

 

 

 

 敗北!

 戦の潮目が完全に変わったことを悟った豊久は、「こん戦ば、負けじゃあ」と
 敗北を認める発言をしつつ、すぐさま廃城への撤退を指示しているのは、さすが。
 これも被害を最小限にとどめ、次へ繋げるための方策ではありますが・・・

 しかし、しんがりは自分が務めると言い出して、決死の覚悟を見せつけます。
 “関ケ原”でも同じように殿軍となり、島津義弘を逃がすことに一役買ったと言われる豊久。

 史実においては、そこで豊久は討ち死にしたとされています。
 もしや豊久は、この異世界でその“史実”をトレースしようとしているのではないか?
 そんな不安を感じさせる「運命」という言葉を、彼が使っているのは気になりました。

 紫さんも「運命(さだめ)」というワードに反応し、慌てていたのが印象に残ります。
 豊久の覚悟は、彼の視線は、はたしてどこを見ているのか?
 ただ、死に場所を求めているだけなのか?

 死ねなかった、死に損なった武士が、死ぬべき場所を見つけた・・・のか?
 それとも、もっと先に別の何かを見ているのか?

 島津の退き口、ふたたび!
 廃城は、ミルズくんのおかげで万全の態勢が整っているでしょうから、
 辿り着ければ、まだ先があるのだという希望を強く持ちながら・・・今後も楽しみです!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想