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マシュマロテスト(1)

マシュマロテストというのは、スタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェルが1972年が実施したテストです。

4歳児に対して、目の前に1つマシュマロを用意します。

「これから、僕はちょっと外に出るので、帰ってくるまでの間にこのマシュマロを食べるのを我慢できたら、もう1個マシュマロをあげます。でも、食べてしまったら、それ1個だからね。」

といって、実際に15分後に帰ってくるまでにどのくらいの子どもたちが我慢できるか?をテストしたのです。被験者のうち、およそ3分の1がマシュマロを食べずに我慢できた、というのが最初の結果であったわけですが、1988年にその追跡調査が行われました。

このときすでに20歳になっていた子どもたちがどうなったのか。

結論から先に言えば、マシュマロを我慢できた子どもたちはSAT(大学適性試験)で我慢できなかった子どもたちよりも平均210点高い得点をとっていて学力に大きな開きが出ていることがわかったのです。さらに2011年の追跡調査でこの傾向が生涯のずっと後まで継続していることが認められました。

ウォルター・ミシェルはこの実験から、幼児期においてはIQより、自制心の強さのほうが将来のSATの点数にはるかに大きく影響すると結論したわけですが、この実験についていろいろな考察がありました。

その中で私が関心を持ったのは以下の考察です。

我慢てきた子どもたちの様子を見ていると、子どもたちはマシュマロが目に入らないように行動したり、あるいはマシュマロを人形に見立てていたりしている。

つまり、この子どもたちはすでに「食べたい」とは思っているが、それを我慢するために「関心を他にそらす」行動をとっているわけです。

本能的に「自分が我慢できない」と感じており、だから知略を立てている。つまり、その分やはり充分に知能が高い部分があるのではないか、という仮説です。

確かにそういう面があろうと思うのですが、しかし、この子どもたちが「なぜマシュマロを我慢したい」と思ったのか、というところに分析が及んでいません。

その後のテストで「マシュマロを我慢するために」脳のどの部分を使っているかに分析が及んでいるのですが、しかし、「1個食べればいいじゃないか」と思わずに、「どうしても2個食べたい」と思ったのか、はあまり問題視されていません。

実は、私はここの部分が非常に大きな要素だと思っているのです。

それが大きければ大きいほど、子どもたちは多分知略を使い始めるのではないだろうか。

単純に生理的に「満足を遅延させる能力」に長けていた、ということではない。むしろ欲望が強い子どもたちが、その欲望を満たすために、自分の能力をどんどん成長させていった、と考えるべきではないか、と思うのです。

結論として「セルフコントロール」ができる子どもたちの方が知力を伸ばす、のは、ある意味当たり前のように思えるのです。

では、なぜ3分の2の子は、1個もでいいや、と思ったのでしょうか?

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