汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

言葉を介して共鳴する歓び あなたの感受性によって言葉は次元を超える

眠りに就くまで

2017年04月04日 | 奇想の詩
眠りに就く しんしんと深く沈むような
光を纏い 永遠の夢を見ながら

琥珀の月が 高く昇り 柔らかに微笑む
「此処においで」
今に 琥珀の光が 帳を迎える

此処は夢の満ちる 渚
そして満潮を迎える時刻 やがて その優しさが
凡ゆる世界の愛を焼き尽くすのだろう

静かに消えて行く 焔
この世界を照らす琥珀の陰は そうして
穏やかなその眼を 優しく殺めて来たから
もうこの世界に 安かな居場所など無い

此処は夢の満ちる 渚
朧な光 蒼穹を照らし 月影がふるふる嗤う
写し出される破壊の影 優しき眼が可憐に散り
ばらばらになって やがて消えて行く

光の海に揺蕩う 姿亡きあなた
琥珀の輪郭に反響する 聲が聴こえる
もうすぐに その瞬間は訪れるのだろう
夢の鼓動が充ちる刻 扉は今拓かれた

遠く揺らめいて 煌々と水面に浮かび上がる
何もかもが崩れて行く その膨大な光景に
優しく微笑む あなたの姿が
それは深い眠りの最中に 爆ぜる 遥か永遠への光

此処にはもう既に あなたは居ない
水面に浮かぶ優しき旋律 流れ行く時の夢路

海中を昇る気泡 今にも消えてしまいそうな
優しい瞳をした あなた
それは悲しげな夢を辿る 月の軌跡
傷を抱えたままの運命に 翻弄されるがまま
やがてその瞬間は 訪れるのだろう

「此処においで」

滲む月影 冷たい風に吹かれ 翳む世界
海中を昇る気泡 永遠を夢見て ゆらゆらと彷徨う

そして 安らぎを求めて 眠りに就く
今宵も 琥珀の光に照らされながら
深く もう二度と此処から醒めないように
ずっと 永遠に


・纏い まとい
・翳む かすむ
・揺蕩う たゆとう
・蒼穹 そら
・聲 こえ
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