朝日新聞夕刊「惜別」の欄にいい言葉が載っていた。
「風圧を強く受け止めた人ほど、早く死ぬ」
テレビマンユニオン元社長・村木良彦さんの死を悼んでの 関係者の追悼の言葉だ。72歳の気骨あふれたテレビマンの死。成田闘争やベトナム反戦の嵐が吹きぬけたころのTBS。日本がある意味、一番元気だったころの時代に制作現場で活躍していたが、自民党ににらまれたTBSトップが圧制を強いた中で、いわゆる「TBS闘争」の嵐の中で解雇された。
視聴率優先に疑問を持ち、テレビに理想を燃やした若きテレビマンが自分たちの手で、「いい番組」を、と立ち上がった一人だ。
「世界ふしぎ発見」『世界ウルルン滞在記」「遠くへ行きたい」などの人気番組を手がける中で、質の高いドキュメンタリーを制作している。共鳴する欽ちゃん(萩本欽一)が株主でもある。
海自イージス艦「あたご」の漁船沈没事件の被害者、息子さんの吉清哲人さんも「いい人」が浮き彫りになってきた。父の後を継ぎ漁師になった孝行息子の評判に加え、上野公園のホームレスらに炊き出し支援する人らに、これまでも漁獲した魚を運んでいたと聞く。生還して欲しい。
そこのけ漁船。「てめえらが、進路を変えろ」。そんな感覚だったのだろう。
明らかになるほど、隠そうとする体質が浮き彫りになってくる防衛省。庁から省に昇格させた意味は 臭いものにフタを出来るような、権力を握ることだったのか。
◆関係ないけど いい言葉一つメモ◆「好きな仕事を無我夢中でやっていれば、不平不満を考えている暇もない」(建築家・安藤忠雄)