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内村茂太その2/内村茂太のオールナイトニッポン

2010年11月09日 23時55分48秒 | 映画表現の辺境へ
内村茂太は、自分の作品の上映のたびに「内村茂太のオールナイトニッポン」というカセットテープをつくってきて、会場で販売する。60分あるいは120分で500円。最近ではけっこうそれを楽しみにしている人もいるようだ。いるようだと言っても両手を広げた数に満たないほどの数ではあるが。
どんな内容かと言えば、これはタイトルでもある「オールナイトニッポン」そのものの、いわゆる深夜放送スタイルで、本人ひとりだったりゲストがいたり、とにかくしゃべりと、その合間に流す音楽で構成されている。
内村茂太の作品を見たことのある人だったら、その語りの独特な味わいを忘れることができないにちがいない。
全体的にはでしゃばらない、朴訥とした印象を残す語り口なのだけれど、じつはわりと流暢であって話題が停滞しない。その話題も「熱く語る」ということはなく、じつにクールにたんたんと、そしてユーモラスなリズムをキープし続けるのだけれど、話題じたいはなかなかコアな内容だったりする。
そして、選曲がいい。
添付画像は、最新ヴァージョンである「2010秋」。先日のneoneo坐にてこっそりリリースされた。(まだ聞いてない)
側面にはネコ(チャコか?)の顔と「AM1:00からお聴きください」との手書き文字があるだけ。
そう、いまどきカセットテープなのよ。だから、けっこうたいへんだったりするわけですな。私も「さて、ひさびさにカセットテープを聴こう」と思ったら、なんとダブルカセットデッキの左右とも動かなかったぞ。
というか、そのことに何年も気づかなかったことに驚いた。それほど、現在、カセットテープを聴く機会は減っている。
なのに、あえて、カセットテープを内村茂太は選択している。
考えてみれば、こんなふうに深夜放送ラジオのスタイルで語りと音楽を入れ、それを配布するということにCD-ROMは似合わないだろう。やはりカセットテープでなくてはならないという気がする。
フィルムとビデオの選択も同じことなのだろう。8ミリフィルムでつくられる作品を、8ミリフィルムが終了してしまったからと言って「では仕方ない」とビデオに移行することはできないのだ。
それは8ミリのなかでさえ同じことが言えて、シングル8で撮り続けてきたものを、シングル8がなくなってしまうからと言って「ではスーパー8で」というわけにはいかない。
内村茂太は2012年春(あと1年半)の販売をもって終了してしまうシングル8で作品をつくっている。そのあとどうするかは本人も決めていない。
だが、ある意味では、受け手にとっては幸福なことかもしれないと最近思っている。内村茂太の映画世界は、作者と飼い猫のチャコ、けっして名を呼ばれない妻の三人じゃない二人と一匹で構成されている。そのどれかが欠けてもいけないのだ。ということは、もうだいぶ高齢なチャコが亡くなって終了という可能性が一番高い。
が、ここで伏兵、シングル8が真っ先にお亡くなりになることになったわけだ。私をはじめとして、全宇宙でどのくらいいるか知らないが、そんなに多くはないだろう、たぶん小学校の一クラスぶんほどの内村映画ファンは、チャコの死をもってこの幸福な世界が終了することに立ち会わなくて済むのだ。
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オールナイトニッポン シングル8 ダブルカセット スーパー8
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