[記述追加:7月26日8.23AM]
中越沖地震では、先の中越地震に比べると、土蔵の被害が大きいという。
新潟県建築士会のHPでは、応急危険度判定士の方々からの報告が、その都度更新・掲載されている。
それらの報告から、土蔵について集めてみたのが上掲の写真。上から1,2,4枚目は、その報告からの転載、いずれも刈羽村の被災事例。3枚目は、茨城県建築士会から出向いた判定士の方の報告で、これは柏崎市の郊外。茨城県建築士会のHPからの転載。
5枚目の写真は、地震ではなく、手入れが行われなかったことによる老朽化した土蔵。これは先に紹介した近江八幡・旧西川家の土蔵の修復前の状態。壊れ方の比較のために掲載。
被災の状況は、それぞれまったく異なる。
1枚目の例は、修復は難しいように思われるが、2枚目の例は、少なくとも写真で見る限りは、壁の修理で修復できるのではないか。
3枚目は、置屋根が激しくずれてしまった例。中を見ないと判らないが、ことによると修復可能なのかもしれない。屋根が動いたおかげで、本体に大きな力がかからなかった、という見方もできる。
4枚目は、多分、被害が少なかった例ではなかろうか(判定士の方の目は、手前の崩壊した家屋に関心がいっている)。
最後の写真。西川家は、昭和5年(1930年)、11代で廃絶。分家によって維持管理されては来たが、無住状態が続いた。無住の家屋は傷みが激しい。土蔵も常時目が行き届かないと、少しの破損が一挙に進行する。
そういういわば「自然の老朽化による破損」の姿が上掲の写真。地震によるいわば強制的な破損とは姿が異なることが分るので、参考として載せた。出典は「旧西川家(主屋・土蔵)修理工事報告書」。
今度の地震による被災例は、建屋の問題より、どうも地盤の問題のように思える。
地震は、まったく分っていない、というのが本当のところなのだ。それでいて「耐震」とは、何ぞや?
それにしても、刈羽原発の「想定外の被害」は、実に恐ろしい。「想定外」と言って逃げるのは、「技術者の風上にも置けない」と言った評者の言に私も同感。