2013/7/30に公表された2013年6月の労働力調査の結果によると、完全失業率が、3.9%という2008年10月以来の水準にまで低下したとのことで、アベノミクスの効果が雇用に波及し始めたといわれています。
そこで、ここでは、完全失業率の動きをもう少し詳しくメモしておきたいと思い、男女別年齢階級別の完全失業率を、安倍政権発足時の2012年12月と2013年6月との間で比較する表を作成してみました(下表)。
表を見ますと、まず、若年層の完全失業率が高いことが目を引きます。15-24歳、25-34歳、35-44歳、45-54歳と順にみていくと、きれいに完全失業率が低下していきます。55-64歳の階級では、45-54歳の階級よりも高くなっています。男女計の数値で65歳以上の階級を見ると、全年齢階級のうち最も低くなっています。
次に目を引くのは、ほとんどの階級で、安倍政権発足時よりも直近の6月の方が完全失業率が低下しているのに、25-34歳の階級でのみ、男女とも完全失業率が上昇していることです。ただし、表には書いていませんが、男性の場合は、この階級でも、最近4か月間は完全失業率の低下が続いており、改善の傾向が見られます。
また、男女別の比較では、全体としては女性の方が低くなっていますが、年齢階級別にみると、35-44歳の階級だけは、男性の方が低くなっています。25-34歳の階級では2012年12月には男性が0.5ポイント上回っていましたが、2013年6月には男女同率となっています。他の階級では女性の方が低くなっています。
さて、現状で最も重要なのは、若年層の完全失業率の高さでしょう。単に全体の完全失業率が低下したからいいというものではなく、特に若年層の雇用対策が、引き続き重要な課題だということは確かなことです。《(参考)厚生労働省・若年者雇用対策》
年齢階級別完全失業率(%)※安倍政権発足時と直近の比較
【男】
年齢階級 全体 15-24 25-34 35-44 45-54 55-64 65-
2012/12 4.5 7.8 5.4 3.7 3.2 5.1 ---
2013/06 4.1 7.1 5.5 3.2 2.9 4.7 ---
改善幅 0.4 0.7 ▲0.1 0.5 0.3 0.4
【女】
年齢階級 全体 15-24 25-34 35-44 45-54 55-64 65-
2012/12 4.0 6.5 4.9 4.2 3.1 3.4 ---
2013/06 3.5 5.8 5.5 3.5 2.6 3.0 ---
改善幅 0.5 0.7 ▲0.6 0.7 0.5 0.4
【男女計】
年齢階級 全体 15-24 25-34 35-44 45-54 55-64 65-
2012/12 4.3 7.1 5.1 3.9 3.2 4.5 2.8
2013/06 3.9 6.4 5.5 3.4 2.8 3.9 2.3
改善幅 0.4 0.7 ▲0.4 0.5 0.4 0.6 0.5
【男-女】
年齢階級 全体 15-24 25-34 35-44 45-54 55-64
2012/12 0.5 1.3 0.5 ▲0.5 0.1 1.7
2013/06 0.6 1.3 0.0 ▲0.3 0.3 1.7
※いずれも季節調整済みの数値です。
※65歳以上の階級では、男女別の完全失業率は公表されていません。