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こだわり

2017-05-18 23:02:08 | 新語・社会現象語
こだわり こだはり という語が、こだわることとして、特別の思い入れがあるという用法に、これはどうも、こだわってしまう議論になる。あなたのこだわり 当店のこだわり こだわりの逸品 一品か、この用法に居心地の悪さを感じてしまうので、最近の使い方には、慣れない。拘泥する という語が連想される所以でもあるが、拘泥したという文字遣いがどうなのだろう。こだわらないようにする、ということが、この語の用法であったとすると、打消しが伴う意味内容に、反転した、ずいぶんとこだわるねぇ、などといった言い方が、細かい小さなことに完成を目指す仕上げを持たせようとする作業のことを評するようになったか。拘泥しない、関わり合いを持たないと、トラブルの未然にあったものだから、それを、拘泥するようなことを肯定する表現法となって、かくして、この言葉にこだわってしまう。


こだわ・る〔こだはる〕 の意味
出典:デジタル大辞泉
[動ラ五(四)]
1 ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥 (こうでい) する。「些細 (ささい) なミスに―・る」「形式に―・る」
2 物事に妥協せず、とことん追求する。「素材に―・った逸品」
3 つかえたりひっかかったりする。
「それ程―・らずに、するすると私の咽喉を滑り越したものだろうか」〈漱石・硝子戸の中〉
4 難癖をつける。けちをつける。
「郡司師高―・って埒 (らち) 明けず」〈浄・娥歌かるた〉
[補説]2は近年の用法。


こだわ・る〔こだはる〕例文一覧 13件

・・・そのかわり、遠野の里の彼のごとく、婦にこだわるものは余り多からず。折角の巨人、いたずらに、だだあ、がんまの娘を狙うて、鼻の下の長きことその脚のごとくならんとす。早地峰の高仙人、願くは木の葉の褌を緊一番せよ。 さりながらかかる太平楽を並ぶ・・・<泉鏡花「遠野の奇聞」青空文庫>

・・・ 私はかようなことに好んでこだわるのではない。青春にとってこれは重要なことであって触れずにおれないのだ。誰しも青春の長いことを望まぬものはあるまい。その長さは人生の幸福をはかる重要な尺度である。これは青春のすぎ去った者のしみじみ思うとこ・・・<倉田百三「学生と生活」青空文庫>

・・・別段、こだわるわけではありませんが、作州の津山から九里ばかり山奥へはいったところに向湯原村というところがありまして、そこにハンザキ大明神という神様を祀っている社があるそうです。ハンザキというのは山椒魚の方言のようなものでありまして、半分に引・・・<太宰治「黄村先生言行録」青空文庫>

・・・なんでそんなに、お金にこだわることがあるのでしょう。いい画さえ描いて居れば、暮しのほうは、自然に、どうにかなって行くものと私には思われます。いいお仕事をなさって、そうして、誰にも知られず、貧乏で、つつましく暮して行く事ほど、楽しいものはあり・・・<太宰治「きりぎりす」青空文庫>

・・・「何もそんなに、北さんにこだわる事は無いでしょう。」「そうもいかない。北さんには、僕は今まで、ずいぶん世話になっているんだから。」「それは、まあ、そうでしょう。でも、北さんだって、まさか、――」「いや、だから、北さんに相談し・・・<太宰治「故郷」青空文庫>

・・・ばかばかしく、こだわるようであるが、これにもまた、わけがあるのである。いったいに、私は誤解を受けている。めちゃ苦茶である。さすがに、言うにしのびない、ひどい形容詞を、五つも六つも、もらっている。これは、私が悪いのである。そんなひどい形容詞を・・・<太宰治「春の盗賊」青空文庫>

・・・お洒落の無常を察して、以後は、やぶれかぶれで、あり合せのものを選択せずに身にまとい、普通の服装のつもりで歩いていたのであるが、何かと友人たちの批評の対象になり、それ故、臆して次第にまた、ひそかに服装にこだわるように、なってしまったようである・・・<太宰治「服装に就いて」青空文庫>

・・・たべものなんかにこだわるのは、いやしい事だ。本当に、はずかしい事だ。 人間の眼玉は、風景をたくわえる事が出来ると、いつか兄さんが教えて下さった。電球をちょっとのあいだ見つめて、それから眼をつぶっても眼蓋の裏にありありと電球が見えるだろう・・・<太宰治「雪の夜の話」青空文庫>

・・・ 私は自分を変人とも、変った男だとも思ったことはなく、きわめて当り前の、また旧い道徳などにも非常にこだわる質の男です。それなのに、私が道徳など全然無視しているように思っている人が多いようですが、事実は全くその反対だ。 けれども、私は・・・<太宰治「わが半生を語る」青空文庫>

・・・家族連れで出かけるとその上に家族にこだわるので疲れ方が一層はげしかった。それだのに、どうしたことか、近頃はそれほど人にこだわらないで花が見られるようになったらしい。これが全くこだわらなくなる頃にはもう花が見られなくなるかもしれない。・・・<寺田寅彦「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」青空文庫>

・・・と何のこだわるところなく紅の色艶やかな唇をうちひらいて微笑まれて私は言葉をつぐことが出来なかった。 現代の教養を体にいっぱいにしたその若いひとは、勿論自分が一種のコンプリメントとして云った言葉でそんなに強烈なショックを感じる作家が今・・・<宮本百合子「今日の読者の性格」青空文庫>

・・・ 芸といえば、素朴な印象にこだわるようであるけれども、「群盗」の初日に滝沢氏の演じられた弟の独白の場面で、舞台の一隅に置かれた枝蝋燭立てから一本の燃えているローソクが舞台の上に落ちました。そこは貴族の室内である。弟は陰険奸悪な陰謀者であ・・・<宮本百合子「一つの感想」青空文庫>

・・・「文化関係の人は概してこだわるね」 ひろ子の場合をこめて、更にひろ子の知らない、いくつかの例を、心のうちで調べるように重吉が云った。「――やっぱり生活や仕事のやりかたが個人的なせいかしれないね。……夫婦なんかの場合、ギャップはう・・・<宮本百合子「風知草」青空文庫>



こう‐でい【拘泥】 の意味
出典:デジタル大辞泉
[名](スル)こだわること。必要以上に気にすること。「勝ち負けに拘泥する」
類語 こだわる かかずらう
関連語 かまける


こう‐でい【拘泥】例文一覧 29件

・・・袴だと、拘泥しなければならない。繁雑な日本の tiquette も、ズボンだと、しばしば、大目に見られやすい。僕のような、礼節になれない人間には、至極便利である。その日も、こう云う訳で、僕は、大学の制服を着て行った。が、ここへ来ている連中の・・・<芥川竜之介「野呂松人形」青空文庫>

・・・その人はその場合文字に拘泥した為めに書けなかったのか、それともまだ/\自分の思うところや感ずるところをはっきりと掴んでいなかったのか、そのいずれかの結果であると思わねばならない。 そこで、われ/\はこういうことが云えると思う。即ち文章と・・・<小川未明「文章を作る人々の根本用意」青空文庫>

・・・そのたび彼は心が話からそれる。その拘泥がだんだん重く堯にのしかかって来た。「君は肺病の茶碗を使うのが平気なのかい。咳をするたびにバイキンはたくさん飛んでいるし。――平気なんだったら衛生の観念が乏しいんだし、友達甲斐にこらえているんだった・・・<梶井基次郎「冬の日」青空文庫>

・・・対人関係について淡白枯淡、あっさりとして拘泥せぬ態度をとるということも一つの近代的な知性ではあるが、私たちとしてはそれをとらない。やはり他人を愛し信じたのんだ上でやむなくば傷つきもし、嘆きもした方がいい。 わが国でも大正末期ごろにはそう・・・<倉田百三「人生における離合について」青空文庫>

・・・物に拘泥しない、思索ということをしない、純血な人間に出来るだけの受用をする。いつも何か事あれかしと、居合腰をしているのである。 それだから金のいること夥だしい。定額では所詮足らない。尼寺のおばさん達が、表面に口小言を言って、内心に驚歎し・・・<著:ダビットヤーコプ・ユリウス 訳:森鴎外「世界漫遊」青空文庫>

・・・格式に拘泥しない自由な行き方の誹諧であるのか、機知頓才を弄するのが滑稽であるのか、あるいは有心無心の無心がそうであるのか、なかなか容易には捕捉し難いように見える。しかしもし大胆なる想像を許さるれば、古の連歌俳諧に遊んだ人々には、誹諧の声だけ・・・<寺田寅彦「俳諧の本質的概論」青空文庫>

・・・道太は離れの二階を見上げながら言ったが、格式ばかりに拘泥っているこの廓も、年々寂れていて、この家なぞはことにもぱっとしない方らしかった。「どこか静かで気楽なところをと思っているんだけれどね、ここならめったにお客もあがらないし、いいかもし・・・<徳田秋声「挿話」青空文庫>

・・・したがって古に拘泥してあらゆる未来の作物にこれらを応用して得たりと思うは誤りである。死したる自然は古今来を通じて同一である。活動せる人間精神の発現は版行で押したようには行かぬ。過去の文学は未来の文学を生む。生まれたものは同じ訳には行かぬ。同・・・<夏目漱石「作物の批評」青空文庫>

・・・ただ拘泥せざるを特色とする、人事百端、遭逢纏綿の限りなき波瀾はことごとく喜怒哀楽の種で、その喜怒哀楽は必竟するに拘泥するに足らぬものであるというような筆致が彼らの人生に齎し来る福音である。彼らのかいたものには筋のないものが多い。進水式をかく・・・<夏目漱石「写生文」青空文庫>

・・・以上を一口にして云えば物の内容を知り尽した人間、中味の内に生息している人間はそれほど形式に拘泥しないし、また無理な形式を喜ばない傾があるが、門外漢になると中味が分らなくってもとにかく形式だけは知りたがる、そうしてその形式がいかにその物を現す・・・<夏目漱石「中味と形式」青空文庫>

・・・此の際に在ては、徒らにコンマやピリオド、又は其の他の形にばかり拘泥していてはいけない、先ず根本たる詩想をよく呑み込んで、然る後、詩形を崩さずに翻訳するようにせなければならぬ。 実際自分がツルゲーネフを翻訳する時は、力めて其の詩想を忘れず・・・<二葉亭四迷「余が翻訳の標準」青空文庫>

・・・曙覧が新言語を用い新趣味を詠じ毫も古格旧例に拘泥せざりしは、なかなかに『万葉』の精神を得たるものにして、『古今集』以下の自ら画して小区域に局促たりしと同日に語るべきにあらず。ただ歌全体の調子において曙覧はついに『万葉』に及ばず、実朝に劣りた・・・<正岡子規「曙覧の歌」青空文庫>

・・・と書きしことさえ思い出されてなつかし、蕪村の磊落にして法度に拘泥せざりしことこの類なり。彼は俳人が家集を出版することをさえ厭えり。彼の心性高潔にして些の俗気なきこともって見るべし。しかれども余は磊落高潔なる蕪村を尊敬すると同時に、小心ならざ・・・<正岡子規「俳人蕪村」青空文庫>

・・・ 面喰い、猶も同じ疑問に拘泥して居る間に、彼は、薄平たい風呂敷包みを持って立ち上った。そして、片手の指には、火のつき煙の立つ煙草を挟んだまま、両足を開いて立ち、「失礼しました。左様なら」と云う。私も立って「左様なら」と云・・・<宮本百合子「或日」青空文庫>

・・・社会生活におけるそのことの必然を認めることさえ罪悪とした軍部の圧力は、若い精神に、この苛烈な運命に面して自分としてのすべてに拘泥することをいさぎよしとせず、それをみにくいことと思わせるほどに成功していた。だから一九四五年以後にこれらの若い精・・・<宮本百合子「生きつつある自意識」青空文庫>

・・・ 傍机の壺に投げ入れた喇叭水仙の工合を指先でなおし乍ら、愛は、奇妙なこの感情を静に辿って行った。拘泥して居た胸の奥が、次第に解れて来る。終には、照子に対するどこやら錯覚的な愉快ささえ、ほのぼのと湧き出して来た。愛は、自分だけにしか判らな・・・<宮本百合子「斯ういう気持」青空文庫>

・・・そんなことを拘泥していらっしゃらないだろうけれども、私とすれば厭なのよ。 街の並木の黄葉がきれいだそうです。[自注4]ウワバミ元気のこと――「ウワバニン」の注射のために百合子は亢奮状態におかれて結果がよくなかった。そこで「ウ・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>

・・・要するに文学青年どものもてあそびもので、作家は遂に文学青年目あてに技法の末技末節に拘泥した堕落におかれているのがきょうの現実である、純文芸の雑誌の経営困難も単行本の売ゆきの減少もすべてそこに原因をおいている、須くそのような文壇を解消せよと云・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>

・・・しかし、いわゆる文章には余り拘泥しません。私のはいつも、ある材料について、その対象をいかに巧く書くかというのではなく、いかに見、いかに感じたかということが主眼なのです、そして表現は自らそれに伴なってくるものという考え方です。そういう点、里見・・・<宮本百合子「十年の思い出」青空文庫>

・・・題材から云えば、そのまま一層ひろく、ひろくと拡がってゆき、拡りかたは如何にも惶しかったが、程なくその奔走の姿も新しい看察を伴ってみられるようになり、現在ではあれこれ表面的な題材に拘泥せず、今日の荒い現実のなかへ作家は身ぐるみとびこんで描けと・・・<宮本百合子「人生の共感」青空文庫>

・・・遮ぎるものなく、拘泥わるものなく、澄み輝く空気を感じる。 勿論、神経は、そこに未だ沢山の葉が房々と空を画っていることも、幹は太く、暗緑色に眼路に聳えていることも、視ている。然し、心は、その物質を越えて普遍な空気の魅力を直覚する。私は流れ・・・<宮本百合子「透き徹る秋」青空文庫>

・・・何となく第三者の侵入を意識する。何となく拘泥する。 私には、両方ながら自然に思われるけれども、実際の問題に当っては、非常に神経を使い、苦しまなければならないのである。 特に、自分の場合では、お前が自分で引込んだものと云う心持が、暗々・・・<宮本百合子「小さき家の生活」青空文庫>

・・・ 先生が、試験の点どころか、恐らく学校の成績にさえ、拘泥して居られないことは解っていた。けれども人を観ることの鋭い先生に、出来ない生徒と極めつけられることは、恥しく堪え難いことなのであった。 五年生になってから、私共は教育心理学を教・・・<宮本百合子「弟子の心」青空文庫>

・・・日本ばかりでなく、女の作家はとかく狭いモラリティーに拘泥してきびきび純芸術的に行かないのが多いから、宇野さんのお品ぶりのないのは強味だ。いろいろ期待するからこそ不平が出るのだけれども、遠慮なく云えば「一年間」にしろ、取材はわるくなく、細部に・・・<宮本百合子「読者の感想」青空文庫>

・・・云々ということを書いたのにひどく拘泥して、バルザックの死に際して書いた文章の中にわざわざ今日の我々から見ると意味ふかい数行を書き加え、バルザックは批評を無視したことを言っている。サント・ブウヴはその感情的基礎に我れ知らず作用されて、バルザッ・・・<宮本百合子「バルザックに対する評価」青空文庫>

・・・ ドライサアは大変バルザックがすきだそうで、そう云われれば文体などでもバルザック風に所謂文学的磨きなどに拘泥しないで、いきなり生活へ手をつっこんでそこからつかみ出して書いているようなところに、ある共通なものがある。 主人公クライドが・・・<宮本百合子「文学の大陸的性格について」青空文庫>

・・・けれども、中学校の教育というものが、若い肉体と精神とを正当に知識的に導く力をもっていないばかりか、情操を高く明るく導く愛も喪っていて、ただ威嚇と形式上の秩序ばかりに拘泥して悲劇の温床となっていることに対する作者ヴェデキントのプロテストは今日・・・<宮本百合子「若き精神の成長を描く文学」青空文庫>

・・・君は又そんな事に拘泥せぬ性分であったのである。これは横著なのでも、しらばっくれたのでもないと、私は思っていた。年久しく交際した君が、物質的に私を煩わしたのは只これだけである。 程なくF君は帰って来て、鳥町に下宿した。そしてこれまでのよう・・・<森鴎外「二人の友」青空文庫>

・・・ただ末世に至って真の精神を忘れ形式に拘泥して卑しむべき武士道を作った。吾人は豪快なる英雄信玄を愛し謙信を好む。白馬の連嶺は謙信の胸に雄荘を養い八つが岳、富士の霊容は信玄の胸に深厳を悟らす。この武士道の美しい花は物質を越えて輝く。しかれども豪・・・<和辻哲郎「霊的本能主義」青空文庫>
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