通訳者の勉強机

自らの通訳力を高めるための励ましツールとして。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

「~だったんですよぉ。」

2009年10月31日 | 日々の生活
電話がかかってきました。インターネットのプロバイダーを変更すると料金が得になるという勧誘です。私、PCやネットといった技術系に弱いんです。しかも夫がコンピュータ専門の仕事をしているため全面的に頼っており余計にうといんです。

説明をする女性の言うことがさっぱり分からず、それでも説明を聞いていました。その人は「今日はOOすれば、XXが一年間で4000円もお得になるサービスのご案内だったんですよぉ(ちょっと独特な節回し)」といった調子で続けます。なぜか全て過去形で、新しいサービスの仕組みを説明するのです。私はすっかり混乱してしまい思わず「どうして過去形なんですか?」と聞いてしまいました。

若い人の言葉遣いに対して、重箱の隅をつつくように難癖をつけるいやなおばさんみたいかな~とちょっと反省。でも、ただでさえ分からない内容の上「~だった。」といわれると「この人は過去の技術について説明しており、今から新しい技術の素晴らしさを対比させて売り込もうとしているのかな…。」と、本当に混乱してしまったのです。

その人のしゃべり方の癖だったんですね。今の若い人って「~みたいな」や「~とか」といった断定を避ける優しいしゃべり方をしがちです。過去形にするのもその一種かも。英語の仮定法過去のような使い方なのかな。「あなたは、このサービスを購入しないだろうけれど"もしかしたら"購入するかもと思ってお話しているんですよ。あなたが当然購入するだなんて大それたことは期待していません」というニュアンスが出したいのかもしれません。

"Would you ~?", "Could you~?"と仮定法を使ってお願いするほうが"Can you~?"などより丁寧です。それは、「こんなことをお願いするのはずうすうしくて、あなたが拒否しても当然とは思いますが"もし"できたら~していただけませんか?」という態度を表しているから、と英語の時間に習ったように記憶しています。

それにしても言葉って、こんな風に変化していくものなんだと実感しました。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「ただより高いものは無い」

2009年10月25日 | チャレンジングな単語・表現
また、先日のコーヒー業界の話題の続きです。

ある焙煎コーヒー会社の方が、東アフリカのコーヒー生産者協会代表の方とその世話役の日本人(お二人)に、とっても貴重なコーヒー豆を、帰り際にお土産に渡されました。

(念のため付け加えますと少量で、決して賄賂(??)にあたるようなものではありません)

その会社を出て、お土産のコーヒーのことで「飲むのが楽しみだね」などとしばらく話がもりあがりました(コーヒーに詳しい方にとっては本当に垂涎ものらしいのです)。と、突然お世話役の日本人の一人が「でも、ただより高いものはないって日本語でも言うからね」と笑いました。

"Nothing is more expensive then what is free."

と訳しました(べたべた直訳?)。東アフリカの方も「そうだね。よ~く分かってるよ。」などと笑っていました。

が、なんとなくひっかかり家に帰って辞書をみると

"You never get something for nothing."
"There is no such thing as a free lunch."

とありました。でも、この表現は「何かをもらうためには、それに見合った貢献を相手に対しまずしなければならない。」といったニュアンスがある気がします。つまり「こちらから何か相手の利益になることをまずすべきだ、只飯を期待するなんて虫が良すぎるぞ」という側面が強いのでは?

一方「ただより高いものは無い」は、何かを相手から受け「借りができちゃったな~。何かお返しをしなければすまないな」と恩を感じている。そして事後的な意味合いが強い気がします。

日本語人と英語人の考え方の違いかも。大体、私自身今「恩を感じる」って表現したこともとても日本語人的。

英辞郎には
"There is nothing more costly than something got for nothing."
ともあり、これは日本語の意味を正確に伝えようとした表現ですね。




コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「Capacity」=「人材」?

2009年10月23日 | チャレンジングな単語・表現
昨日の続きです。

東アフリカのコーヒー生産者協会の方が、「capacity」という言葉を頻繁に使っていました。どんな背景でこの言葉が出てきたかと言うと…

国によってはコーヒーを栽培するものの自分達でほとんど飲まない所もある。するとコーヒーの品質を高めることの大切さがよくわからない。より付加価値を生む高品質なコーヒーを作るため生産者自らが味わって勉強することが必要だ。このような努力を通じて「capacity building」をしたい。

というものでした。キャパシティ・ビルディングはもう日本語にもなっていてそのまま使ってもいいとも思うのですが、ちょっと悔しいので「人材育成」と訳しました。「能力の向上」としてもよかったのでしょう。

Capacityと言うと、人材だけではなく制度や仕組み、施設などのハード面も含めての「能力」のはずですが今回は「人材」でよかったかなと思います。Capacityって結構守備範囲の広いあいまいな表現と言えますよね。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

コーヒー業界の通訳

2009年10月22日 | 通訳日記
昨日までの二日間、コーヒー関連の仕事でした。東アフリカのコーヒー生産国が組織した団体が日本の市場を開拓するため来られたものです。

カッピングと呼ばれる試飲会や、東アフリカ・コーヒーの魅力をつたえる講演会、そして個別企業訪問の際の通訳をさせていただきました。

やっぱり身近で、自分も興味のある内容だと楽しいですね~。私、コーヒー大好きなんです!

「ヒロ・コーヒー」という企業への訪問が特に楽しかったです。おそらく創業者と思われる社長様の、コーヒーにかける情熱が伝わってきました。コーヒーの品質を頑固に維持し同時にコーヒー・ビジネスの有り方を考える続けていらっしゃることが言葉の節々から伝わってくるのです。「いいな~。何十年もご自分のお仕事にこんな風に情熱を傾けることができるって。」と思いました。

ミーティングの時に出されたコーヒーも本当においしかったです~。

そのあと焙煎工房を見せていただきました。コーヒー豆の力強い香の中で、環境保全や生産者保護のための取り組についてお聞きでき有意義なお仕事のための通訳ができたことをうれしく思いました。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「定番」

2009年10月11日 | チャレンジングな単語・表現
ある企業の戦略会議の同通にはいった時のことです。その企業の社内通訳の方とペアを組んでの業務でした。日本人の方が「これを今後うちの定番商品に育て上げたい。」と発言。通訳は私ではなく、社内通訳の方の番でした。「定番って、standard かな staple product かな~」と私が考えていると…

"Let's make this product one of our icons."

わ~じょうず、いいですね!"Icon"と表現することで、「目玉商品」、「会社を代表する製品」といったニュアンスがでて、製品にかける意気込みが伝わりますね。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「仕切る」

2009年10月09日 | チャレンジングな単語・表現
サンフランシスコ保健局の結核担当官の通訳をさせていただきました。釜ヶ崎(大阪は結核の罹患率が高いのですが、その中でも釜ヶ崎は飛びぬけて高いのです)を訪問し、その次の日は講演会でした。

一日目の釜ヶ崎では、病院で説明を受けたり色々な施設を見学しました。その間、あるNPOの方が案内役をかってでてくださいました。とても細かなことに気のつく方で、例えば建物に入る時や昼食の前には「必ず石鹸で手をよく洗って下さい。」と皆に注意したり、会議の時にも席順をてきぱき指示したりするのです。

移動中に、私が担当官の方にこっそり(?)「今日の仕切り役は彼ですね。」というつもりで "He is the one who is managing and arranging today's tour."と言うと、

"Yeah, he is orchestrating."

と返事がかえってきました。こんな場合の「仕切る」に orchestrate を使うとちょっとユーモラスな感じもでて、さすがネイティブだな~とまたしても思ったのでありました。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「即戦力」

2009年10月06日 | チャレンジングな単語・表現
先日通訳にはいった会議は日本の親会社と米国、欧州の子会社三者間のものでした。日本から人を送るとしたらどんな人材が必要かという質問に、英語ネイティブの方が答えて:

"We need people who hit the ground running."

同じ話題がしばらく続いて、別な場面では

"...those who are productive from day 1."

と言っていました。どちらの表現も、日本語の「即戦力」にぴったり!とうれしくなりメモを取りました。一つ目の表現はイディオム的で、「着任してすぐ、フルに活躍する」という感じがあります。二つ目の表現は "productive(生産的である)"を使っている点がさすがネイティブ、にくい(?)ですよね。

以前、逆に日英の通訳のとき「即戦力」がでて、あまりしっくりくる訳ができなかった覚えがあります。和英辞典で引くと"ready fighting power"と直訳風な表現がありますが、こっちの方がいいですよね~。

うまく訳せなかったとか気になっているという表現は、こんな風にいつか会えることがあるんですよね。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

英語の勉強 小技偏

2009年09月15日 | 勉強法
1か月くらい前から始めた勉強方法のご紹介です。

以前にもお勧めした小松達也さんの「訳せそうで訳せない日本語」(株式会社ジャパンタイムズ)の一項目(だいたい見開き2ページにおさまっています)をコピーしトイレに貼る、といういたって簡単なもの。

この本は、ごく自然でよく耳にする日本語だけれどいざ英語に訳そうとするとはたと困ってしまう、そんな表現をあつめ見事に料理し英語に訳してみせてくれています。日本語の表現の性質を見直す機会にもなる解説もついています。

ここに載っている表現をしっかり身に着けると力になるな~と思いつつ、構えて勉強するとなると時間が見つけられない。そこで拙速でもOKと自分を許しトイレにはって眺めることにしました。

本をトイレにおくだけより、コピーをとって(紙とインクを消耗してしまいエコではありませんが…)目の前に貼ることで必ず見ることができます。そのうえもう一工夫で、次に見る箇所(一項目に付き例文がいくつか載っていますので)に付箋紙をはり、さっと目的の文に目がいくようにしました。

採用されている英語の表現は決して難しいものや凝ったものではなく、とても自然なものです。つまり、しゃれた英語の表現を身に着けるのが目的ではありません。そうではなく、この日本語がこの英語になるか!という衝撃(?)がこの本で得られる貴重な体験なので、日本語の表現も声にだしかつ英語も声にだして頭の中で橋をつくることがポイントだと私は感じています。これは、通訳者だから必要なことかもしれませんが普通に英語を勉強するときにも役に立つかもしれません。

英語で会話をするときは、「聞いた英語を日本語に訳さず英語のまま理解する」とか「言いたいことを英語で考えてそのまま表現する」ことが大切とよく指摘されます。でも、勉強する時はちょっと違うかも。あるいは、自分の英語のレベルがどの段階にあるかによって日本語(つまり母国語と言う意味ですが)の介入のしかたを変えていくことが大切かもしれないと思います。

これについてはまた、じっくり書いてみたいですね~。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ルーブル展と河井寛次朗記念館

2009年09月12日 | 日々の生活
京都で開催されているルーブル美術館展と河井寛次朗記念館に、先日行ってきました。

四国に住んでいる両親がバスツアーでルーブル展に行くので、現地で合流しないかと誘われたのです。いい機会なので、普段離れて暮らしている両親の顔を見がてら行ってくることにしました。

美術展なんて何年ぶりか。美術史の知識もないし、特に絵画に興味があるわけでもないのでどうかな~と思っていたのですが、自分でも驚いたことに素晴らしい体験でした。実物を間近に見られるって、贅沢で得難い経験なのだと今回思いました。

レンブラントの自画像の金の鎖が、絵の具が盛り上がって浮き出していたり、「クリュセイスを父親のもとに返すオデュッセウス」という作品の逆光の美しさなど実物でしか味わえないものでしょう。そのほかにも沢山すばらしい作品がありました。

次はぜひともパリのルーブル美術館に行こう!と思ったほど。

両親が乗るバスの出発までに時間があるので、河井寛次朗記念館にも立ち寄りました。ここはかねてより私がぜひ行きたいと思っていたところで、期待通りよかったです~(私の個人的趣味で、古いお家を尋ねるのが大好きなんです)。

河井寛次朗さんについては何も知らず、ただこの家自体を見てみたかったのです。でも記念館に展示されている作品を眺めていると、なぜかひきつけられるものがあるんです。

この方の生き方、暮らす姿勢に思いをはせると「いいな~」って思いました。

記念館で撮った写真をのせておきます。

(偶然見つけたある方のブログにも河井寛次朗記念館のことが紹介されていて、このブログがとっても素敵なので勝手にリンクを貼り付けてしまいます。

http://somewhereanywhere.blog102.fc2.com/blog-entry-401.html  )
コメント (2)   トラックバック (1)
この記事をはてなブックマークに追加

通訳の品格?

2009年08月10日 | 通訳日記
私の住んでいる関西の通訳者の間では知らない人のいない、あるベテランの通訳者の方と初めてペアを組ませていただきました。現場に行くまではかなり緊張したのですが、実際にお会いするととてもやさしい素敵な方ですっかりファンになってしまいました。

業務の内容は、心臓血管に関連した医療機器の企業研修会。親会社がアメリカにあり、そこから来られた担当者が講師でした。病変や体の部位の舌をかみそうな用語、日本とアメリカの医療体制が異なるため直訳したのでは通じない用語などを前に、私があたふたしているとペアを組んで下さった通訳の方は、さりげなく目立たないようにメモを回してくださったり本当にきめ細かいお心配りをいただきました。

その方のパフォーマンスをお聞きして、日本語の選択も違うな~と思いました。語彙に品格があるんです。例えば、マーケティングの話題のときに私だったら「競合他社はこんなデマを流しています。」とか「こんながせねたを流布しているんです。」と訳していただろうという箇所がありました。その方は「真実ではない情報を流しています。」といった訳をされていました。普段の生活で使っている言葉がこんな場ででるんだと反省しました。

帰りの駅までの道をご一緒しながら、「難しい専門用語に負けてしまわない秘訣はありますか。」とお聞きすると「やはり慣れること、場数を踏むことね。それから医療なら最新の文献に常に目を通しておくこと。」と言われていました。私にはまだハードルが高すぎますが、でもいつかあんな風になりたい!と思いました。
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

非営利組織に関する素朴な疑問

2009年06月30日 | 通訳日記
たびたび通訳に呼んで下さる非営利団体があります。阪神淡路大震災をきっかけに、主にラジオ放送を通じてコミュニティのための活動をされている団体です。声無き人たちの声を政治の場に届かせよう、マイノリティの人たちが必要としていることに応えていこうというのが主な活動内容です。つまり、正しい民主主義のあり方を草の根レベルで支え人権を守ろうとされているのです。

私の通訳としての仕事は普段圧倒的にビジネス関連のものが多く、このような非営利団体の通訳をさせていただくといつもとは違った視点から社会を考えるきっかけになります。通訳をやっていてよかった、ありがたいと思う瞬間でもあります。こんなにさまざま異なる組織や団体に接することのできる仕事って他にちょっと思い当たりませんから。

活動自体すばらしくて感銘をうける一方、「非営利組織に属する方たちってどうやって生活しているんだろう」と素朴な疑問がわいてきます。

利益を追求する通常の事業体に属している人ですら、老後の不安など抱えている時代です。非営利で仕事をする人たちはそんな不安は無いのかななど思ってしまうのです。また、家族がいる場合は家族を養っていく責任もあるでしょう。

それから、対価としての報酬を受け取ることなく活動されているのです。働くためのモーティベーションは金銭的なことでは全く無いわけなんですよね。「これをどうしてもしなくては!」といった突き動かされるような使命感から活動されているのでしょうね。そこまでやりがいのあることに従事されているだなんて、ちょっとうらやましいな~と思います。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

違っているということ

2009年05月30日 | 通訳日記
ある企業での会議の通訳に行ったのですが、参加者のお一人の日本語がとても分かりにくいのです。まず、発音が不明瞭で消え入るようなか細い声。そして語彙の選び方がなんだか不自然。通訳をしなくてはならないので一生懸命聴くのですが、あまりに分かりにくくて脳に負担がかかってるわ~と疲労感がたまってきました。そして、白状してしまいますが…その方自身に対しいらいらした気持ちになってきたのです(通訳者としてこんなことはいけないのはよく分かっています。滅多にないんですよ…)。

ふっと、最初にいただいた参加者の名刺をみるとその方は日本人ではなかったのです。

そのことが分かったとたん、いらいらした気持ちが消えてそんな風に感じた自分が恥ずかしくなりました。

これはどういう心理なのでしょうか。「これって、逆差別なのかしら?」と妙な罪悪感がでてきました。

そうではなくて、単に「この人にとって日本語は母国語ではないのだから不自然で分かりにくい話し方をして当然」と納得できただけなのでしょうか。

ず~と以前のことですが、テレビをつけると私の好みでは全くない、初めて見る男性歌手が歌っていました。なんだか暑苦しい外見だわ~と思ったのです。歌い終わって司会者と話をする場面になり、その人も日本人ではないということが分かりました。と、急に「暑苦しい外見だわ~」と思った自分がとってもいやな奴に思えてきたのです。

どちらの場合も、対象となる人そのものには何も変わりがないのに自分のその人に対する気持ちが一瞬で劇的に変わったそのことにとても戸惑いました。外国人であるというだけで、日本人に対する基準と別の基準を使っているのかなあ…と。

そういえば、日本人がしたら許せないことでも外国人だったら許せるっていうことが結構ある気がします。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

長崎、福岡、坂出に行ってきました

2009年05月29日 | 通訳日記
少し前になりますが造船関係の仕事で長崎、福岡、坂出(香川県)に行って来ました。三日とも半日業務だったので、駆け足の観光ができました。

特に長崎は初めてだったので楽しみにしていましたが、想像以上に素敵なところでした。急な坂の多い街で、普通の道の途中でいきなり階段がはじまったりそれどころかエスカレーターが出現するんです。びっくり!旅行者には不思議な体験ですが、住んでいる人にとっては不便なのでしょうか。坂道を毎日上り下りして運動になるから長崎の人は全国平均よりも体力があるなんて統計があるかも。

その不便さをおぎなうくらい、坂の上からの景色はすてきでした。

仕事でも遊びでも、私は旅行が大好きです。旅行の魅力はやはり日常生活と異なる空間に行ける事ですね。

それでふと子どものころに読んだガリバー旅行記のことを思いだしたました。ガリバーが漂着した所は普通の常識とはかけ離れた国ばかりでしたよね。「銀河鉄道999」という昔のアニメもそうでした。もっと最近では「キノの旅」というライトノベル(?)も同じような設定で話が展開していくようです(私は読んでなくて、うちの子どもが好きなんです)。

旅にでると、普段当たり前と思っていたことが実はそうではなかったんだと、考え方を揺さぶられるような体験をさせてもらえることがあります。そこがいいんですよね。第一その土地の方言をきくと、言語といった自分の根本を支えているものからして、土地によって異なるんだと新鮮な気持ちになります。

日本の国内でもそうなのですから、外国にいくともっと違うことに遭遇して驚きの連続ですね。

(長崎の写真など貼り付けたかったのですが、容量が大きすぎてだめでした。唯一貼り付けられたのがこの写真です。これは博多駅から歩いていける距離にある承天寺(じょうてんじ)というところの庭です。電車の中にあった九州の各地を特集した冊子に載っていたのを偶然見つけ訪ねていくと、もう夕方5時を過ぎていたのに住職さんが中を見せてくれたんです。本当にきれいなお庭で、大々的に宣伝をしたらいいのにと思うくらい。でも拝観料もとらず、観光化したくないとその住職さんはおっしゃっていました。皆さんも、博多に行かれる機会があればぜひおすすめの場所ですよ!)
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「EUがあなたの学校にやってくる 」からちょっと脱線

2009年05月12日 | 通訳日記
5月9日の続きです。

私が担当させていただいたEU講師の方はベルギー人でした。私が、ベルギー人の国民性はどんなものかと聞くと、
 「とても現実的で何か問題が起きるとすぐに『よし、どうやって解決したらいいだろう』と考える国民だ。」
と説明してくれました。そして、その背景にあるのはベルギーの歴史だとも言っていました。つまり、ドイツ、フランスという大国に挟まれた小国であり常に戦争に巻き込まれてきた経験から、現実的な生き残りの方法を考えざるを得なかったのだとのことでした。

そういえばずっと以前、あるプロジェクト付きの通訳をしたことがありその時のクライアントであるハンガリー人の方が
「解決方法の無い問題はない(=すべての問題には何らかの解決方法が必ずある)。」と言ったのを思い出しました。

プロジェクトを進める上で大きな問題が生じました。でもチームの日本人担当者は、なぜそんな問題が起きたのか、誰のせいなのか、「あの時ああしていたらこんなことにはならなかったのに…」といったことばかり繰り返すのです。建設的な意見を全く提案しない。その時上記のハンガリー人は、きれてしまい(その気持ち、通訳していてよ~く分かりました)「解決方法の無い問題はない」と叫んだのです。

これだけの例を見て、日本人の性質はどうだ、欧州人の性質はどうだと一般化する気は全くありません。ただ、何か困難なことがおこったらチャレンジ精神を発揮し「きっと解決策はあるはず」と思いたいものです。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「EUがあなたの学校にやってくる」

2009年05月09日 | 通訳日記
今日、5月9日はヨーロッパ・デーと言いEU(欧州連合)創設の基となる出来事を記念する日だそうです。今から59年前の5月9日に、当時のフランス外務大臣ロベール・シューマンが平和と繁栄のために欧州統合の理念を初めて提唱したのです。どうして私がこんなことを知っているかと言うと、昨日EUの方が兵庫県のある高校でEUについての出張授業を行い、その通訳に行ってきたからなんです。これは「EUがあなたの学校にやってくる」と題するイベントで、昨日60人以上のEU大使、外交官が日本各地の高校などで授業を行いました。

授業はパワーポイントを使ってのプレゼンで、大変興味深い内容でした。

例えば、EUのもとになる組織の一つに欧州石炭鉄鋼共同体がありましたが(学校の歴史で勉強しましたよね!)なぜ石炭と鉄鋼なのか?当時戦争で使う武器を作るため石炭と鉄鋼は欠かせないもので、これを共同管理することにより各国が武器を大量に作れないようにすることが狙いだったのです。そもそもEUを創立したのは戦争に明け暮れ荒廃した欧州にあって、平和の大切さを心から理解し二度と戦争をおこしてはいけないと人々が決意したからです。

そうだったんだ!学生のときは、ただ「欧州石炭鉄鋼共同体」の名前と設立の年を暗記しただけで、その背景については全然考えていませんでした(説明はあったかもしれませんが、関心がなかったのでしょう)。

また、EUのモットーは「多様性の中の統合(United in Diversity)」です。統合と調和を重んじるが同時に多様性をも尊重し、そのことを大変重要視しています。その表れの一つとして、公用語を23も定めているそうです。EU域内で23言語が話されているのではなく、公用語が、ですよ!ちなみに域内で話されている言語は150以上にも及ぶとのことでした。

これは、ものすごい労力、時間、費用を要することです。だって、会議が行われるたびに23の言語が飛び交い通訳が66人も必要なんでもの!

そこまでしてEUの体制を維持していこうとするには、よほど強い決意が必要だと思いました。逆にいえば、そんなに大変な、そしてある意味で不自然な体制をぜひとも維持しようとするその根底には、それだけの動機があるんだと感じました。

それだけに、今回のような試みを通じてEUの存在を対外的に伝えていく大切さを感じているのかもしれません。

日本は、国として均一性が高く地理的にも自然ななりたちなので、こういった努力を怠りがちなのかもしれません。でも、やはり自国のことを他国の人に積極的に伝え正しく理解してもらうことは同じように大切です。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加