TiN成膜過程の現象
1:スパッタリングガスについて~N2-100% か、Ar+N2か
TiNは、通常のDCマグネトロンスパッタリングで容易に生成する事ができます。
スパッタリングガスとして、N2 100%のガスを使う事もできますが、通常はAr+N2の混合ガスを使います。
生成されるTiNは、どちらのガスを使っても特に違いは発生しませんが、N2 100%の場合放電電圧が高くなり
その結果、TiNに、Compressiveの応力(圧縮揚力)が発生しやすくなります。
一定以上の応力がかかると、TiNにクラックが発生しやすくなります。
1e10(dyne/cm2)を超えないのが望ましいと思います。(単位要確認)
Arガスを混ぜる事により放電電圧が下がる理由ですが、Arガスは、Ar*(メタステイブル状態のAr:再外殻の電子が励起状態にあるAr)の寿命が他の不活性ガスに比べて長く、N2 + Ar* => N2+ + Ar + e- という反応が容易に起こり、N2のイオン化を促進するためです。通常電力一定条件で成膜するため、イオン化が促進されれば、放電電圧が下がります。
スパッタリング成膜時の応力発生メカニズムは別途述べます。
適度な圧縮応力が発生する条件の方が TiNの比抵抗を下げやすいです。メカニズムに関しては、"低抵抗のTiNを成膜する方法"で述べる予定です。
(続く)
1:スパッタリングガスについて~N2-100% か、Ar+N2か
TiNは、通常のDCマグネトロンスパッタリングで容易に生成する事ができます。
スパッタリングガスとして、N2 100%のガスを使う事もできますが、通常はAr+N2の混合ガスを使います。
生成されるTiNは、どちらのガスを使っても特に違いは発生しませんが、N2 100%の場合放電電圧が高くなり
その結果、TiNに、Compressiveの応力(圧縮揚力)が発生しやすくなります。
一定以上の応力がかかると、TiNにクラックが発生しやすくなります。
1e10(dyne/cm2)を超えないのが望ましいと思います。(単位要確認)
Arガスを混ぜる事により放電電圧が下がる理由ですが、Arガスは、Ar*(メタステイブル状態のAr:再外殻の電子が励起状態にあるAr)の寿命が他の不活性ガスに比べて長く、N2 + Ar* => N2+ + Ar + e- という反応が容易に起こり、N2のイオン化を促進するためです。通常電力一定条件で成膜するため、イオン化が促進されれば、放電電圧が下がります。
スパッタリング成膜時の応力発生メカニズムは別途述べます。
適度な圧縮応力が発生する条件の方が TiNの比抵抗を下げやすいです。メカニズムに関しては、"低抵抗のTiNを成膜する方法"で述べる予定です。
(続く)