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童話集

2017-04-24 03:22:38 | 美人の条件

主題 「よしおくんのおねがい

 作者   遠賀三郎  

「おとうさん・・」よしおくんが声をつまらせしょんぼりと歩いてきました。「どうしたの?元気ないよ」明るい声で健お兄さんが声をかけてくれました。

 ところがよしお君は健お兄さんの顔を見ると突然泣き出してしまったのです。健お兄さんはよしお君のお家のすぐ近くにあるガソリンスタンドで働いています。

 健おにいさんは一番のお友達です。よしお君が歩いて行ける近くにはお友達がいないのでいつも健お兄さんの働いている所に来ています。

 健お兄さんは一番のお友達だから健お兄さんにおねがいすればきっとガソリンを安くしてくれると思いました。

 それでお家を出る時にはとても元気に力いっぱい走りました。だけど普通は健お兄さんが働いているガソリンスタンドまで大人の足でゆっくり歩いても五分ほどしかかかりません。よしお君でも7分から8分ほどしかかからないのにどうしたのでしょう。

 今日のよしお君はとても時間がかかっています。どうしてそんなに遅くなっているのかな?それはよしお君がとてもやさしい心で悩んでいるからです。

一体どんな事でなやんでいると思いますか。

 今朝お父さんが会社に行く前に「ガソリンが毎日高くなっているので大変だ」と言っているのを聞いて「健お兄さんに頼めばきっと安くしてくれるよ、ぼくがお願いしてくる」と約束してしたからです。

 よしおくんはおとうさんの笑顔が大好きです。おとうさんもよしお君の笑顔が大好きです。

 おとうさんはよしお君が一生懸命に話しているのを知っているので「ありがとう、そうなればお父さんは随分助かるよ」と言ってミニカーで会社に行きました。

 よしお君はお母さんと一緒にお父さんを見送るとそのままいちもくさんに駆け出しました。

 しかしお兄さんにガソリンを安くしてとお願いするとお兄さんは社長さんから怒られるのではないだろうか、どうしようとかんがえこんでしまいました。

 きっと社長さんに怒られる、そうしたら健お兄さんは今までのようによしおくんとお友達になってくれないのではないか、次から次へとよくない考えがぐるぐると頭の中で回転して来たのです。

 考えれば考えるほど悪い結果を思い巡らすようになりました。

 それで初めに抱いていた元気はつらつとした表情は消えてしまい、とぼとぼ、しょんぼりとした足取りになりました。

 なんとガソリンスタンドまで30分も歩いていきました。

 お客さんがいつ来ても笑顔で迎えるために待機している健お兄さんはそんなよしお君に早くから気づいていました。

 よしお君はとうとう健お兄さんの働いているガソリンスタンドに来ることが出来ました。

 「どうしたの?元気ないよ」

 明るい声で健お兄さんが声をかけてくれました。

 よしお君は健お兄さんの顔を見た途端に思わず泣き出しましたがくよくよ考えても仕方がないと泣くのをやめてよしお君は言いました。

「健お兄さんにとても大切なおねがいがあります」「どんなこと、僕に出来る事はどんな事でもよしお君の力になってあげるよ、よしお君の為ならひと肌も二肌も脱いで上げるよ!」

 「健おにいさんはやっぱり大人なんだね」「どうして?」「ひと肌も二肌もなんて難しい言葉を知っているから・・」

 健お兄さんはやっぱり一番のお友達でした。ここにくるまでとっても悩んでいた事が健お兄さんと話しているうちに朝起きた時まで見ていた夢のようにどこかに飛んで行きました。

 それでよしお君は思い切って勇気を振り絞り健お兄さんに言いました「あのね、ガソリンはどうして高くなるの」健お兄さんは自分のお仕事の話をされるとは思ってもいませんでしたのでびっくりしてしまいました。

「ガソリンは今とっても高くなっているけれど・・どうしたの?よしお君に話してわかるかな、日本のガソリンは外国から大きな船で運んでいるんだよ、その国で戦争や政治的な取引が原因で高くなったり安くなったりしているよ、今からまだまだ高くなるようだね」

「そんなに高くなればお父さんは会社に行けなくなってしまうよ、健お兄さん、ガソリン代って安くならないの、お父さんが大変だ大変だと言っているんだ」

「そうだね、ではお父さんがガソリンを安く買える方法を教えてあげよう」

「そんなことが出来るの社長さんに怒られたりしないの」

 健お兄さんはにっこりと笑いポケットから二枚のカードを取り出してよしお君にあげました。「この赤い色のカードは一ℓにつき一円引くよ、そしてこのゴールドのカードはメール会員専用のカードだけど今は毎週土曜と日曜は五円引き、時々7円引きや10円引きもサービスしているのでお父さんにメール会員になったら安くなると教えてあげてね」

よしお君はとっても幸せな気分になって健お兄さんに何度も何度もお礼を言いました。

よしお君は今おとうさんの笑顔が見えています。

 

 

主題 「おはなしきいて」      遠賀三郎 

 

 ちいちゃんは真剣に悩んでいます。

 ちいちゃんの本当の名前はちさとさんです。

今年で5才になりますが体が小さいのでみんなからちいちゃんとよばれています。

「どうしたの?」おじさんとおばさんが何度聞いても黙っています。

よしお君は「ちいちゃんは僕にはなんでも話してくれるよ」と自信たっぷりです。

 おじさんとおばさんは「ではちいちゃんがどんなことで悩んでいるのか聞いてくれる?」とお願いしました。

 よしおくんはさっそくちいちゃんを誘っていつも二人で、かけっこしたりすべり台で遊んでいる公園に来ました。

「ちいちゃん、今日はどうしたの、ちっとも楽しくないみたい」

「よしおくん、わたしみたいなちっちゃな子供がおとなの人に相談するのはよくないことなの」

「そんなことないよ、ぼくなんかいつも相談というか、おねだりばかりしているよ。でもおとなってそれがうれしいんだよ」

「でもね、わたしがそうだんしたいのは普通のおとなのひとではないから、やっぱりだめかな?」

「この世のなかでふつうの大人じゃないって、バケモノ!」

「よしおくんキライ!」

「だってびっくりしたんだもん、ふつう人じゃないなんかいうので・・ちいちゃんがわるいんだよ」

 ちいちゃんは考え込みました。どうしよう、こんなことを言ったら笑われるかしら、きっと馬鹿にされるかもしれないと思っておじさんやおばさんには言えなかったことです。

しかしときにはお兄さんのように、また別の時には弟のようにいつもそばにいてくれるよしおくんはきっとわかってくれるとひとりでうなづきました。

「あのね、わたし総理大臣さんにお願いしたいと思っているの、へんかな」

「総理大臣って、日本でいちばんえらいひと?」

「うん」

「どんなこと?どんなことをおねがいしたいとおもっているの」

「あのね、このまえお父さんとテレビを見ていた時に、ちいちゃん・・とつぜん涙が出てきたの」

「どうして涙が出てきたの、どんな番組」

「あのね、総理大臣さんは時々外国に行くでしょ、そこでとっても大切なお仕事をしているのがわかるんだけど・・ニュースキャスターのおねえさんがその国の子供たちが近くの井戸はとても汚い水しか出ないので遠くの川までお水を汲みにいかなければいけないとお話ししていたの、それとここのお父さんたちは朝から晩まで一日中働いてもひとつき千五百円ほどのお給料しかもらえません。とても貧しい国ですと言っていたの。わたしのお兄さんのおこづかいより少ないのよ。なんだかとても悲しくなって、お父さんっておもわず泣いてしまったの」

「ちいちゃんが泣いている理由はわかったけど、それで総理大臣に会ってなにをはなすの」

「それがね、ほんとうはなにからはなしていいのかわからないの、だって・・いくつもいくつも悲しい事があるの・・」

 よしおくんはしばらく考えていましたが「ぼくたちだけではどうすれば良いかわからないのでおじさんとおばさんに聞いてみようか?」

「いいけど」

「総理大臣もおじさんたちもおとなだから大人の気持ちがわかると思うよ」

ふたりはおじさんとおばさんのお家に来ました。

「あのね、おじさんとおばさん、ちいちゃんのおはなし聞いて・・」

「なんだね、さっき泣いていたこと?」

「あのね、ちいちゃん総理大臣におはなしがしたいの、どうすればおはなしできるか知りたいの」

「総理大臣にどんなお話しをしたいの」

「あのねそれがなにを話していいのかわからないの」

「どうしてお話しがしたいと思ったの」

 ちいちゃんはよしおくんに話したことをおじさんとおばさんにも話しました。

おじさんもおばさんもとても名案が浮かばないようです。

 よしおくんが「ちいちゃんはテレビのニュースをみて涙が出てきたんだからテレビのニュースキャスターのお姉さんにちいちゃんが泣いているよと教えてあげたらどうかな」

というのでおじさんとおばさんは「うんそれがいい」と喜んで答えました。

「でも、どうすればいいかな」とみんなは頭を抱え込んでしまいました。

 どうすればテレビの人たちが総理大臣とちいちゃんがおはなしができるようにしてくれるかなと考え込んだのです。

「ちいちゃんがおてがみを書いたらいいんだよ。総理大臣とテレビ局のお姉さんにお願いの手紙を書いたらいいよ、日本の女の子がロシアのプーチン大統領に手紙を書いた時にはお返事をくれたでしょ。日本の総理大臣からもお返事をもらえるよ」

 おじさんもおばさんもちいちゃんもとても嬉しくなりました。それでお手紙を書きました。

「あのね・・ちいちゃん今とっても悲しいの・・・テレビのお姉さん、総理大臣さん・・お返事ください」

 ちいちゃんの手紙はテレビで世界中に放送されました。

総理大臣と仲良く手を繋ぎニコニコしています。

 

 

 

主題 一番大切なもの、家族の話し合い

 

           筆者  遠賀三郎

 

   よしお君は本を読むのがとっても好きです。

 学校がお休みの時には朝から晩まで、いつまでも本を読んでいます。

 お母さんが「ご飯ですよ」と声をかけても「この本を読んでからで良い?」などと返事しています。

 みなさんはどう思いますか?勿論そんな事はいけませんね。

 それで、お母さんもよしお君が本を読むのが大好きである事を知っていますので、ある約束をよしお君としました。

 どんな約束だと思いますか?

 それはご飯が出来る三十分前に一度声を掛けるという事です。

 この約束であればよしお君もそれまでにどこまで読む事が出来るか考える事が出来ます。

 みなさんも自分が夢中になってしたい事があればお父さんとお母さん、そして兄弟とこんな約束をすれば喧嘩など起きないと思いませんか。

 

  『あなたが夢中になる事柄』

 

 たとえばあなたが、テレビである番組を見ている時にお兄さんが、突然、なにも言わないでチャンネルを変えてしまったらどのように感じますか。   きっと気分を害して怒り出してしまう事でしょう。

 あるいはお兄さんにはかなわないと大きな声で泣き出してしまうかも知れません。

 お兄さんはこの番組を見る事が出来なければ大切な受験に失敗してしまうかも知れないのです。

 だから家族みんながその事を知っているだろうと考えていました。

 しかし、あなたはお兄さんが受験、受験と言っていたことは知っていますが、受験が何かを知りません。

 あなたはこの日のアニメを見る事をとても楽しみにしていました。

 自分がこのアニメをどんなに楽しみにしているか、待ちに待った日であることをお父さんもお母さんも、みんなが知っていると思っていました。

 さて、このような時に一番よい方法をどうすれば見つける事が出来るでしょうか。

 あなたも、お兄さんも、お父さん、お母さんも家族みんながいつまでも仲良く一緒になれる方法を探しましょう。

 

    『お手伝い』

 

 美代ちゃんはこれからお友達と近くの遊園地で遊ぶ為、沢山のおもちゃを大好きなプーさんの袋に詰め込んでいます。

 その時、お母さんから「美代さん、そこの八百屋さん迄お買い物に行ってちょうだい」とお願いされました。

 さて、美代ちゃんはどうするでしょうか。

 あなたならどうしますか。大切なお友達との約束があります。

 その時間に遅れると嘘をついたとか、美代ちゃんは信用出来ないと言われるかも知れません。

 あなたならどうしますか、お母さんのお手伝いも大切です。

 お友達との約束も大切です。

 どちらを選びますか。

 美代ちゃんはお母さんのお手伝いも、お友達との約束も守ることにしました。さて、どうすれば良いかみなさんで考えましょう。

 

    『家族』

 

 家族って、なんだろう?と考えたことがありますか。

 あなたが生まれたのはお父さんとお母さんが結婚して、赤ちゃんが欲しいと願ったからですよ。

 結婚しても子供が出来ない人や、子供は欲しくないと夫婦二人だけの家族もおられます。

 あなたはお父さんとお母さんがおられますか。

 中にはお父さんだけ、お母さんだけと言うお友達もおられます。

 お父さんもお母さんもいないお友達もおられます。

 では、あなたの本当の家族はだれですか、それは今、あなたと同じ家で一緒に生活している人が本当の家族ですよ。

 世界中で一番大切な家族です。

あなたが大人になって、新しい家族を作るまで大切に守ってください。 

 

  自分の考えている事は当然みんなが知っているだろうと考えて右足が前に進んでいるのに左足は家族は僕が今何をしなければいけないのか、家族なら当然知っているべきだなどと考えていきなり後ろに向かって全速力で走り出すとどうなりますか。

軽くて転倒するか、悪くすれば身体が引き裂かれてしまいます。

家族みんなが明るく元気に幸せになるのが一番です。

 

 ではみなさまいつまでも幸せに。

 

 

主題  だいすきなイルカさん

          

         遠賀三郎

イルカさん、君はどうしていつも同じところにいるの?

本当はもっと元気良く、力いっぱい、泳ぎたいのでしょ、世界中の海を。ぼくね、ぼくも本当は海にも、山にも、世界中のいろんな所に行って見たい!

そして世界中の子供たちと友達になりたい。

でもね、あっ!どうしてうしろを向いたの、いかないで、ぼくをひとりにしないでよ・・良かった、こちらを向いてくれてありがとう。

でもぼく、かってだね、イルカ君にどうしていつも同じところにいるのと尋ねているのに、イルカさんがうしろを向いた途端に思わず寂しくなって、行かないでといったりするんだから。

イルカさん、ではあらためて、こんにちは。君がそこにいるだけでぼく、とっても安心出来るんだよ。

お目々をぱちくりさせてかわいいね。

ぼくも子供のころにはとってもかわいいとみんなから言われていたよ。

ところで君のお年はいくつ、ぼくが君と初めてあったのはもう随分昔のことだけど・・おとうさんがこのパソコンを買ってくれたのが君との出会いだね。

あれからもう何年経ったかな、でも君は少しも変わっていないね、今でもあの時と同じくらい元気だよ。

ううん、あの時より、もっと元気になっているようだね。

ぼくね、今とっても面白いことを計画しているんだよ。

イルカ君、君にだけ教えてあげる。

それはね、君とお話しすることだよ。

おどろいた!?

ぼくもね本当はとてもびっくりしているんだだってこんなこと、普通の子だととても考えないでしょ。

もしも、ふっと頭の中で考えたとしてもすぐに忘れてしまうし、だってこんなアイデアは他人に話せばきっと馬鹿にされるだけだから。

いままでなんどもこんなアイデアが浮かんだことがあるけれど、そのとき大好きなお友達に夢中になって話したんだ、だけど、最初はみんな興味をもって真面目に聞いてくれるけれど、ほんとうだよ、しかし翌日になると決まってこう言うんだ(おまえ、変ってるな、普通じゃないよ、そんなこと出来っこないじゃないか、あんまり変な子と遊んでいるとおまえまでおかしくなってしまうよと、母さんが言っていたぞ)

ぼく変な子なのかな、そうじゃないよね、イルカ君。

ぼくの母さんはいつも言っているよ(おまえは想像力がたくましいね、きっと大物になれるから)

イルカ君はどう思う。

イルカ君のお父さんとお母さんは今どこにいるの?

きっと世界中の海をどこまでも、どこまでも自由に泳いでいるんだろうな。

行きたいなー、世界中どこまでも。

{さとし君、連れていってあげようか}

えっ、ほんとう!ぼくが計画していること、よくわかったね。

{それはわかるよ、だってさとし君とぼくは、なが-い、つきあいだからね}

そうだね、イルカ君はぼくの親友だよ、だからイルカ君だけには本当のことを言えるんだ。

だって僕の事を信じてくれるから。

イルカ君大好きだよ。

でも・・{でもって。さとし君、ほんとうは信じていないの}ううん、いや信じているよ。

だっていまイルカ君と本当にお話ししているでしょ。

ぼくが、でも、と言ったのは、その、つまり、イルカ君、お友達も一緒に連れて行っていいかな。{なーんだ、そんなことなら大丈夫だよ。

だけどぼくの背中に乗れるのはせいぜい三人までにしてくださいね、海の中にも、いままでだれも行ったことのない宇宙の端まで連れて行ってあげるよ。

それからこれはとても大切な条件だけどそのお友達にはっきり伝えてください。

わたしを信じて、決して疑わない事。

この条件を守れない時、その瞬間にすべての記憶が消し去られてしまいます。

つまり旅行する前にタイムアウトされてしまいます。}

だいじょうぶだよ、こんどのおともだちはいままでとは違うから、ほんとうだよ。でも、美代ちゃんはどうかなー、だって女の子はよわいから、さみしくなって泣き出されたら困るし。

さとしくん、これから体験することは、そうだね、君たち人間からすれば一生かかっても出来ないようなことだけど、時間的には数秒で還ってこれるから心配しなくても大丈夫だよ、それよりもさとしくん、強くんは大丈夫かな?}

どうして?強くんは、いつもぼくや美代ちゃんをいじめっ子たちから助けてくれるんだよ、喧嘩も学校だけでなく、多分この町で一番強いから、{ぼくが強くんの事を心配しているのは決して喧嘩が強いかどうかではないんだ}どんなこと?

{それはね、こころ、だよ。強くんは美代ちゃんとさとし君より心が繊細だからちょっと心配だなって思うんだ。

この旅行は心の旅だから}

心の旅ってどんなの!早く行きたい!!

では行きましょうか}これからさとし君と、美代ちゃんと、強君とイルカさんの楽しい、楽しい心の旅が始まります。

どんな旅行が出来るのかな、つよし君は大丈夫かな、お楽しみに。では、みなさま、さようなら。

 

 

   猫 餅 の お は な し

 

 

 

           遠 賀 三 郎

 

 

 

とある町の、とあるお店で、毎日、毎日「お客が来ないなー」とぼやいているおじいさんが居ました。

そこへ一匹のかわいい子猫が、ううん、とても可愛いとは思えません。 

 どんよりと、今にも降り出しそうな曇った目をしているのです。

しかも子猫にしては少し長すぎる毛が泥だらけで異臭をともない身体じゅうに巻きついています。

巻きついている毛をすかしてみるとお腹はぺっしゃんこです。

眼元から頬まで幾筋もの川が流れているように黒く染み付いた跡もあります。

幾日も幾日も泣きながら歩き続けていたのでしょう。

お店の前でミャーミャーと、か細くなく声はなぜかせつなく哀愁を漂わせています「おまえ、おなか空いているんだろう、お腹、ぺっしゃんこじゃないか、わしも毎日、毎日お客を待っているんだが・・来るのはお前みたいなやつばかりだから・・」

ほほをつたわる涙をこらえきれずにおじいさんは言いました。

それでも台所に行くとなにかあるだろうと思いごそごそと探しました。

お爺さん優しいですね。

みなさんも動物に優しくしてくださいね。

きっと、とても楽しい経験が出来ますよ。

お爺さんはどっこいしょと一声掛けながら重い腰を上げました。

しかし台所に来ても子猫にあげるものが何も見つかりません。

一生懸命探していると今朝方お味噌汁のだしに使ったいりこの頭がまだ捨てずに取っておいたのを見つけて子猫にそっとささやきながら「台所はばあさんの仕事場じゃから、わしにはどこになにがあるかわからん・・こんなもんしか見つからんが食べてくれるか」と差し出しました。

子猫にとってはご馳走です。

直ぐに飛びついてさも美味しそうに、あっという間にすっかり食べてしまいました。

ほんとに、子猫にとっていりこの頭は毎日夢に出てくるようなごちそうでした。

今日までどれほど食事をしていなかったのでしょう、子猫はお母さんからお乳を飲んでいた時以来と言えるほどなんにちも、なんにちも食べていないのでおなかが背中にくっいてしまうほど痩せこけています。

今までどこのお家でも、汚いどら猫だねー、こら!悪さをするんじゃないと追い払われてばかりいましたのでお腹はぺこぺこで背中にくっつくほどになっていました。

子猫は考えました「こんなにご馳走してくれるお爺さんといつまでも一緒に居たいな」

お爺さんも「ひとりぽっちになってしまった子猫と一緒だとどんなに楽しいだろう」と考えました。

そこへお婆さんが買い物から帰ってきたので「この子猫をお店の留守番に置いてあげたらどうだろうと相談しました。

お婆さんは「お爺さんのお友達が出来て良かったですね」とすぐに賛成してくれました。

おばあさんが子猫の大好物である牛乳をお皿に盛ると子猫はそれも直ぐ美味しそうに飲み干してしまいました。

「おやおや、この子はとてもお腹が空いているようですよ」と言いながらお魚の身をほぐしご飯と一緒に混ぜて子猫にあげました。

どんよりとしていた目も、ぺっしゃんこのお腹もおじいさんとおばあさんが優しくしてあげたので見違えるほど生き生きとしてきました。

それからおじいさんはお店の看板猫になる為に少しは綺麗にしておかなくてはいけないとお風呂で子猫を一生懸命洗ってあげました。

生まれが良いのか子猫の毛並みはとても上品で親は猫の王様と言われているペルシャ猫ではないかと思うほどです。

長すぎると思えた毛も純白でキラッキラッと輝いています。

それは王宮で長い裾を多くの女官たちに持たせなければならない情景をほうふつとさせるようになりました。

静々と歩く子猫の姿はまさに優雅そのものです!

まさに生まれながらに気品を備えていると言っても過言ではありません。

うっとりとその仕草を見ていると子猫はポンとお店のガラスケースの上に飛び乗りました。

それからとても不思議な仕種をするようになったのです。

どんな事をしているのでしょう。

お店の前にだれか人が近付くたびにお客様おいで、おいでといっているようにいつまでも、いつまでも手招きをしているのです。

しかも通り過ぎようとする人には更に激しく手招きを繰り返し、ニャーオと一声高く鳴くのです。

珍しいもの見たさに人が集まるとお餅の方に手をかざします。

人々がお餅を取りおじいさんに代金を払うと何度も何度も頭を下げ、優しくニャーオーニャーオーと連呼しますのでその仕草をもう一度、もう一度見ようと見物人たちは長い行列を作ってお餅を買いますのでたちまち売切れてしまいます。

これが町の評判になり、テレビ局からラジオ局までがひっきりなしに取材に来ました。

勿論見物人も取材に来た全ての人々もお爺さんとお婆さんが丹精込めて作ったお餅を買って帰りますのでお店は大繁盛店となり、お爺さんとお婆さんと猫はとっても幸せに暮らしました。

 

これは猫餅というお店の大繁盛する浪花節を題材にしヒントにしたものです。

 

この話しっていつか、むかしに聞いたようなお話ですね、そうですよ、左甚五郎という大工さんが猫餅というお店で亡くなった猫の代わりに代金を受け取る猫の置物をお爺さんが亡くなった後に一人で餅屋ののれんを守っているお婆さんを助けるために作りそのお店が大繁盛する物語をヒントにしています。

 

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