日々礼讃日々是好日!

相模と武蔵の国境、まほろ市近隣在住者が綴る「生々流転」の日々

文学館・美術館と版画工房めぐり

2017年06月21日 | 日記
 ようやく、という感じで梅雨らしい空模様となった休日の午前、大学生の娘のパソコンを購入するため、親子三人そろって車に乗り、となり町の大型家電店へでかける。
 国道16号線を超えてしばらく下り、新しくできたスーパーマーケットをすこし先に進むと、ターミナル駅に隣接した大型家電店だ。ここの立体駐車場への連絡通路は、ループ状となっていてグルグル旋回して昇っていく。パソコン売り場のなかでも良く目立つアップル社製品展示コーナーで、さっそく若いスタッフがさりげなく説明をしてくれる。いまの若者のお目当てはやっぱりアップル、娘は少し考えてから、もっともベーシックな「マックブック・エア」を選び、いっしょに携帯用カバーと周辺アクセサリを購入する。ほう、これでもってめでたく我が家にもアップルPC、娘のおかげで我が家のパソコンも三台目でようやく世間並み?になったみたい。
 お昼、その大学生のご希望でお気に入りのラーメン屋へ行き、すこし並んで待ち、看板メニューの鳥肉入り塩ラーメンをいただく。わたしたち二人組はカフェでひと休みすることにして、娘は約束があるらしく、ここでお別れ。

 いったん家に戻ってから、前から行こうと思っていた展覧会のハシゴをするため、ひとり車を走らせる。雨が降り出してきた中、市街地のはずれにある公園入口脇に車を止めて、まほろ市民文学館「ことばらんど」で開催中の『本の雑誌 厄よけ展』へ。ことし創刊42周年を迎えたユニークな書評誌の草分け「本の雑誌」の歩みとそこをめぐる様々な有名無名人物ネットワーク模様が紹介されている。
 思い起こせば学生時代に本屋で時々手にしたことがあった気になる雑誌のひとつで、編集長の椎名誠は知られているけれど、ヘタウマ表紙絵を描いていたイラストレーターと発行人がまほろ在住ということで実現した展覧会、毎年話題になる本屋大賞の事務局がこの本の雑誌社というのも初めて知った。当時はユニークすぎてあまり深入りすることもなく過ぎてしまい、すっかり忘れてしまっていた。そのことを我ながら残念に思ったけれど、こんなところで再び出会うなんてね。

 傘を差しながら公園入口まで戻り、雨に濡れた森の小道をくだって、横尾忠則「HANGA JUNGLE」展を開催中の版画美術館へ到着。なにやら入口に人だかりがあって混雑しているので、さて講演会でもあったのかなと思っていると、ご本人のサイン会が終了したばかりだった。エントランスの垂れ幕には極彩色のポップな絵柄がこれでもかというばかりに並ぶ。このエネルギー、今の自分に受け止めきれるかなあと思いながらも、半分わいもの見たさ?で館内をめぐる。
 
 途中に黒暖簾が下がったコーナーがあり、アダルトグッズかアダルトビデオコーナーみたいだなと思って入ると、まさに性風俗ショットをポップなシルクスクリーンの手法で写し取ったもの。入口の暖簾の片方が微妙にめくられて、ちらりと中を覗いて見れるようになっているのが妙におかしかった。これがもし意図なくて行われていたとしたら、皮肉ともいえるそのあまりに素直な欲望の誘導に拍手を贈りたいし、意図されているとしたら、そのパロディまがいの凡庸さにため息がでる。
 ここの一連の作品は、男女が絡まる画像のリアルな生々しさが消えてしまって、浮世絵の春画のように情感あふれる精緻さとも異なり、表情なしに本能を謳歌する性愛の記号となっている。

 さて、帰ろうかと思って入口に戻ると背中の方向から呼び止められる。その思わぬ声の主は、美術作家のMさん、ここの市民ギャラリー展示会に作品を提供しているとのこと。それではと拝見すると、一点はブルーのプリント紙篇のコラージュ、もう一点が思い出せないのは、Mさんの明晰な創作話に聴き入ってしまたからだろうか。その創作過程のエピソードは生き生きと豊かであって、元気な生命力をあたえてくれるかのようだ。
 しばらくして美術館を後にして、木々の緑あるれる小路をめぐりながらの近況よもやま話は続き、公園脇に停めたグリーンデミオまで戻る。ご自宅の最寄り駅までお送りする途中、この機会にぜひとのことで、版画工房KAWARABOへはじめて立ち寄り、プレス機の並ぶ工房を見学させてもらう。インクの匂いがする独特の空間、ここから様々な版画プリントが生まれていく様子を想像してみるのは楽しい。壁にかけられた展示チラシ、棚の工具類やオブジェなど眺めているだけで、モノが自然と語り出すような想像力が刺激されて不思議な気がした。

 ふたたび駅まで向かう車中の話、Mさんは今月下旬に京都へ行かれるという。行きつけのレストランに作品を展示してもらおうしている話や京都暮らしの娘さんのフランス行きの話、その間猫との留守番役をするために京都へおでかけすると伺って、その気兼ねなさがうらやましくなった。
 駅近くでお別れする前に、その娘さんがフランスの友人へプレゼントするために依頼され制作した、絵巻ものと和紙折りの作品をそっと見せていただく。そこには墨で般若心経の文字と数羽の行き来した雀の姿が描かれていた。心経の文字が宇宙の真理を表わしているかのよう、雀は自然の世界そのものだろう。はたしてフランス人にはどのように映るのだろうか。 
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