A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ハーフコインの花園~90's女性シンガーソングライター特集

2012年09月28日 01時03分59秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


不失者、JAZZ非常階段、広瀬淳二、グンジョーガクレヨンと手強いライヴが続く9月下旬だが、一方で心温まる優しい女性の歌声に包まれた日々を送っている。

きっかけは近場のBOOK-OFFに何の気なしに入ったことである。10年前はこの手の新古本店があちこちにあり、通勤帰りに寄って安い中古CDや音楽雑誌を買い漁ったものだが、次々と閉店し、今ではBOOK-OFFくらいになってしまった。CD250円均一コーナーを発見。一昔前にヒットした時代遅れのCDや誰も知らない無名CDばかりだと思いつつ眺めていて、ふとスザンヌ・ヴェガのCDが目に止まった。ヴェガちゃんは1985年のデビュー当時から好きで今年1月の来日公演にも行った。CDは持っていたが引っ越しで処分してしまい手元にないものもある。それが250円コーナーに並んでいる。しかも帯・解説付きの日本盤。ジャケットが懐かしくて買い直して聴いてみたら全く古びていないどころか最近ラジオから流れるダンスかぶれの洋楽ヒット曲よりもずっと新鮮に響いて心に滲みた。

1987年の2ndアルバム「孤独~ひとり~」収録の「ルカ」や「トムズ・ダイナー」の大ヒットのせいで一発屋のイメージが付いてしまったヴェガちゃんだが、90年代にはバングルスやロス・ロボスの名作を手掛けた売れっ子制作チーム、ミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクと組んで「微熱」と「欲望の9つの対象」という傑作を発表し先鋭的なサウンドで高い評価を得た。フルームとヴェガちゃんは暫く結婚していた。現在は昔の作品をテーマ別に再レコーディングし「クローズ・アップ」シリーズとしてリリース、今月半ば全4作が完結したばかり。



ヴェガちゃんのヒットをきっかけに80~90年代アメリカから次々登場した新世代女性シンガーソングライターたちを思い出し聴きたくなった。250円コーナーへ行くと懐かしい名前のアーティストのCDがたくさんある。何しろ安いので気になったCDは全部買い込む。街を歩いていてBOOK-OFFがあるとチェックしないと気が済まない。おかげで1週間で30枚以上のCDを購入してしまった。

ヴェガちゃんと同時期に新世代女性フォークの騎手としてヒットしたアフリカ系シンガーソングライター、トレイシー・チャップマン。メッセージ色の強い歌詞と黒人ならではのソウルフルな歌声はヴェガちゃんや他の白人歌手とは明らかに違った強烈な個性がある。2009年までツアー記録があるが、現在どうしているのかは不明。



ミズーリ州出身、マイケル・ジャクソンのコーラス・シンガーとして来日経験もあったシェリル・クロウ。1993年ソロ・デビュー、「オール・アイ・ワナ・ドゥ」が大ヒットしグラミー賞を受賞、アラニス・モリセット等女性ロック・シンガー・ブームの先駆けとなった。エリック・クラプトン、キース・リチャーズ等と浮き名を流しゴシップ紙を賑わせもした。私生活でもいろいろあったが現在も活動は盛んに行っている。



ボストン育ち、80年代後半オルタナ・バンド、ブレイク・ベイビーズで活動した後1992年ソロ・デビューしたジュリアナ・ハットフィールド。「90年代のギターポップの新しきヒロイン!」というキャッチコピー通りのギターロックにロリータ風コケティッシュ・ヴォーカルを聴かせ、そのキュートなルックスでオルタナ・アイドルとして人気に。現在はエヴァン・ダンドー率いるオルタナ・バンド、レモンヘッズと共に活動中。



シカゴ育ちのリズ・フェアは1992年ニューヨークのインディー・レーベルMatadorからスティーヴ・アルビニのプロデュースでデビュー。赤裸々にセクシャルな歌詞が話題となりオルタナ・クイーンの座につく。1994年シングル「スーパーノヴァ」でグラミーにノミネート。2003年にメジャー・レーベルと契約、現在もオルタナに拘らぬ幅広いスタイルで活動中。



ナナ・ムスクーリ以来の"メガネ美人"の伝統を継承するリサ・ローブ。テキサス州出身、1994年公開の映画「リアリティ・バイツ」のサントラに収録された「ステイ」がメジャー契約が無いのに全米No.1になるというセンセーションを巻き起こした。1997年ヴェガちゃんと来日日程が重なり、お互いのライヴを観に行ったというニュースが音楽誌に載ったのを覚えている。ハロー・キティとコラボレートしたり子供のためのCDをリリースしたり精力的に活動中。



1996年にデビューし、いきなりプラチディスクを獲得、大スターになったフィオナ・アップル。椎名林檎嬢とひとつ違いで、芸名に何か関係あるのかと思ったが偶然のようだ。キャッチーな名前とあどけないルックスの割に渋い歌と重いサウンド、きわどい衣装のビデオ、幼年期のレイプ体験や有名になってからの音楽業界批判などで話題を撒いた彼女だが、現在でも元気に活動中。



バミューダ諸島生まれのヘザー・ノヴァ。1993年にインディー・デビュー、1995年のメジャー・デビュー作「オイスター」が大ヒット、その年最高の新人女性シンガーとして話題を呼んだ。元スウェードのバーナード・バトラーと共作を発表するなど活躍。清楚さと官能美が同居した歌の魅力に加え、ドラマチックな曲作りの上手さが光る。現在まで途絶えることなくアルバムをリリース、バリバリの現役である。



どのアーティストも20年経っても現役で活動しているのは、やはりエヴァーグリーンなメロディと地に足の着いた活動故であろう。それは今聴くと時代を感じさせるグランジやオルタナ、エレポップなどと違った彼女たちのスタイルのブレのなさを証明している。癒しとかヒーリングという言葉は使いたくないが、聴いていて心の安静を取り戻せる音楽である。

何故でしょう
スザンヌ・ヴェガだけ
ちゃん付けです

250円コーナーには置いてないが、昔から愛聴している女性シンガーソングライターがキャット・パワー。1995年デビューだから上記のアーティスト達と同世代である。ソニック・ユースやモグワイなど人気オルタナ・バンドのフェイバリット・シンガーとして知られインディー・シーンを代表する女性アーティストである。今月リリースされた最新作「サン」も秀逸なメロディに溢れた傑作。






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