A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【DRIVE to 2100】くじら/テンテンコ/カトラ/PHEW/NON/コンクリーツ/TACO

2016年12月05日 02時05分48秒 | 素晴らしき変態音楽


今年開店40周年を迎えた新宿ロフトの記念イベントの一環として『DRIVE to 2100 』が開催されます。
これはライブハウス・イベントの原型となった「DRIVE to 80s」、その流れを汲んで10年おきに開催された「DRIVE to 2000」「DRIVE to 2010」と続くDRIVE toシリーズの番外編。ロフトと共に歴史を重ねたイベントがさらに未来に向かいます。(EATER ON LINEより)

SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY
DRIVE TO 2100 4DAYS

OPEN 18:00 / START 18:30
ADV¥3500 / DOOR¥4000 ※通し券(11/29,11/30,12/1,12/2の4公演)あり ¥10,000

80年代のインディーズ・シーンの歴史を語る上で欠かせないイベントが新宿ロフトで1979年8月28〜9月2日の6日間開催された「DRIVE to 80s」である。カメラマンで後にインディレーベル「テレグラフレコード」を立ち上げる地引雄一等を中心に企画され、名古屋や関西のバンドを含め当時の日本のパンク/ニューウェイヴ系のバンドが総出演した画期的なイベントだった。思い返せば同年ライヴハウス通いを始めた筆者も興味を持ち高校の友人を誘ったが反応が悪くて行かずじまいだった。「DRIVE to 2010」は2009年10月に1ヶ月間開催された。参戦したのはDVDにもなった原爆スター階段と灰野敬二+チコヒゲの二日だけだったが、噂によるとキノコホテルのマリアンヌ東雲はほぼ全通(&泥酔)したらしい。いずれも同時代の自覚的なライヴ活動を行うアーティストが一同に会し、その先の時代を予感させる化学反応を起こすイベントだった。
DRIVE TO 2010:非常階段、スターリン他@新宿ロフト 09.10.10(sat)
DRIVE TO 2010:灰野敬二×チコヒゲ他@新宿ロフト 09.10.11(sun)

それらに比べると今回の「DRIVE to 2100」は“番外編”として未来への土俵作りというより現状報告的意味合いが強い気がする。もちろん七尾旅人の出演したDAY2は客層は若く動員も良かったのかもしれないが、筆者が参戦したDAY3,4は80年代に活動したバンドが中心で出演者も観客も高年齢。今年はアイドルイベントで新宿ロフトへ来ることが極端に増えたので、年配者だらけのロフトはまるで別世界のような気がする。ノスタルジーを求める同窓会的な空気は確かにあるが、ステージに見入る観客の熱意はドルヲタやパンクキッズに負けてはいない。還暦を超えた『ロック』の在るべき姿は、未来に向かって猪突猛進するだけではないことが明らかになった今、(恐らく)この場に集った者の誰ひとりとして生き長らえることのない2100年へ向けてのメッセージとしてこのイベントは相応しい。


DAY3

カトラトゥラーナ / くじら / ムーン♀ママ(PIKA+坂本弘道) / 佐藤幸雄とわたしたち / 初音階段
【BAR STAGE】テンテンコ / 黄倉未来 / ju sei / コルネリ / フロリダ / PIKA

●くじら


80年代大好きだった。ハードコアやポジパン、テクノやエレポップ全盛時代にノスタルジックなメロディと茶目っ気ある歌心が新鮮だったくじらは、35年経ってもやはり何処にも属さない新鮮な風味に溢れている。ノンビブラートの大正歌謡歌唱法はロカビリーの香りがする。

●PIKA+テンテンコ


BARステージは「DRIVE to TENTENKO」と題してテンテンコが企画するイベント。あふりらんぽのPIKAとのデュオでは、同じ顔ペインティングでビュークのような格好で電子ノイズとドラムが対峙するカラフルセッション。アイドルだから成し得る振り幅の広さを堪能したい。

●カトラトゥラーナ


カトラで一番好きなのは『マーキームーン第5号』の付録ソノシート「Mortera In The Moonlight」なので、その後の正規リリーズで聴けるサウンドに今ひとつ乗り切れなかったが、初めて観るライヴステージは思ったよりもチェンバーロック色が強く、変拍子ビシバシのレコメン系だった。化粧の効果で年齢による衰えは全く感じさせない。


DAY4 FINAL

恒松正敏グループ(ゲスト:鶴川仁美) / NON BAND / TACO(山崎春美/佐藤薫〔EP-4〕/末井昭/後飯塚僚) / Phew
【BAR STAGE】< J-TOWN STYLE 2100>コンクリーツ / バチバチソニック / タマテック / N13他ゲスト多数

●PHEW


元アーント・サリーという枕詞は必要ないPHEWのエレクトロ二クス・ソロは完全に定着したようだ。以前観た時はインスト中心だったが、この日は歌が多くてある意味で聴き易く、ある意味でより抽象性の高い世界が生み出された。ラストナンバーの三拍子のリズムマシーンのイントロで「終曲」が来るか!と思ったら新曲だった。

●NON BAND


80年代女性ロッカーの象徴的存在のNONこそ35年のタイムトンネルを通って21世紀に蘇ったかの如く、明るくハッチャけたパフォーマンスを展開する。山岸騏之介のバイオリンプレイが感情をダンスさせるオーラを放つ。

●コンクリーツ


バーステージは大所帯バンド、コンクリーツの周辺アーティストによるお祭り企画。様々なゲストが入れ替わりで参加したらしい。エンターテイナーとして高度な芸を30年以上提供して来たにJ-TOWNのパワーを証明するように満員御礼のステージだった。

●TACO(山崎春美/佐藤薫〔EP-4〕/末井昭/後飯塚僚)


「DRIVE to 2100」のトリを飾るのは、地下音楽界から刺客・山崎春美率いるタコ。EP-4の佐藤薫(ds,electronics)、マイナー時代の盟友・後飯塚僚(viola)、編集者の末井昭(as)という布陣で言葉とサウンドとビートが交錯する世界はノスタルジーとは別世界、かと言って現在進行形の宇宙とも別次元のタコワールドを現出した。末井のサックスは非音楽者ならではの異能プレイ。手前味噌だが、筆者のサックス演奏に似てる気がした。ほぼ一年前のロフトでタコを観た時は過去がフラッシュバックしたのが興味深い。
【回想独白】TACO、ガセネタ/A-MUSIK@新宿LOFT 2015.11.17(tue)に想う

十字屋の
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