A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

グンジョーガクレヨン+橋本孝之(.es)@阿佐ヶ谷Yellow Vision 2014.7.23(wed)

2014年07月25日 00時33分00秒 | 素晴らしき変態音楽


ぱらぽ~ら・!****
企画:グンジョーガクレヨン

=出演=
・橋本孝之(.es・as)
・グンジョーガクレヨン(組原正・g/前田隆・bs)




大阪の即興ユニット.es(ドットエス)の橋本孝之はこの春から東京に在住している。仕事の都合だというが、数年前から筆者を含め多くのラヴコールがあったにも関わらず、昨年12月まで東京でのライヴを行わなかった彼が、あっさりと都内に移ることになったことは運命の悪戯と云うべきだろうか?否、むしろ2009年の結成から約4年の月日をかけて、やっと実現した東京上陸がきっかけになって、彼らの運命が大きく啓かれたと言う方が正しい。昨年の東京2デイズを含め、工藤冬里、向井千恵、浦邉雅祥、美川俊治、福岡林嗣、河端一、佐藤薫、鈴木創士、田端満などベテランから、冷泉やソルジャーガレージなど若手まで錚々たる音楽家と交わってきた.es(ドットエス)が、さらに交流の範囲を広げ、大海に漕ぎ出す時が到来した。


(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

そのひとつの果実がこの日のグンジョーガクレヨンとの邂逅である。長年セルフコンテインド・グループとしてメンバーだけで音楽を熟成させてきたグンジョーも、時を同じくして外の音楽家との交際を開始し、啓かれた活動に意欲を燃やしている。1年前には想像すらしなかった両者の出会いは、ある意味起こるべくして起こった惑星直列現象と言えるかもしれない。



この日はドラムレスのG&Bトゥー・ストリングス編成だったが、グンジョーの音像にブレはない。橋本を迎えての第1音からハイテンションの一斉掃射が炸裂する。まるで共演者を脅し煽るような容赦ない音の強度で攻め立てる。ガソリンに火を注ぎ炎上する演奏環境は、橋本にとっては我が意を得たり。引き裂くようなフリークトーンで応酬する。それに鼓舞され、前田がベース弦を引き千切る勢いで掻き毟る。音楽演奏というより、破壊衝動が全開した30数分が過ぎ去った後に残された、ブーンと蜂が飛ぶような耳鳴りと脳髄の痺れが心地よい。



第2部は打って変わって橋本のソロでスタート。実はライヴでソロ演奏をするのは初めてに近く、心構えが出来てなかったというが、組原が時折叩くハイハットだけをバックに立ち昇る残響感のあるアルトの音色は、もし周波数解析したならば、予想もつかない多種多様な色彩が浮き出るだろう。もはや弦楽器の痕跡すらないグンジョーふたりの音塊が如何に激しく襲い掛かろうとも、橋本の強固なテクスチャーは一瞬たりとも揺るぐことはなかった。



延べ70分に亘る長時間演奏は、橋本にとっては初の体験だったという。三者が一歩も譲らず諍い語り合い睦み合った芳醇な時間は、紛うことなく明日への糧として、演者・聴者いずれにとっても、類い稀な経験になったことは間違いない。この出会いの更なる発展に、運命の女神がほほ笑むに違いないことは、終演後の三人の充実の笑顔を見れば明らかだろう。



1+2
3にならずに
絡み合う

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