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原油価格と国内事情。

2016-12-07 | 「兄さん政経塾」

あれ~? 先週よりガソリン値上がってない?
と思った方も多いかと思います。

日本は、ガソリンの元になる原油の大部分をサウジとクウェートから輸入しています。

原油は様々な製品の原材料ともなっているので、、原油価格が上昇すれば一般に、
物価が上がると云われるように、日銀にとっては、2%のインフレ目標に対し、
プラス方向に働くため、喜んだりするかも知れん。
でもこれは経済成長によるインフレではないので、消費が減り景気回復の足カセになる可能性が高い。
で、ほとんどの原発が停止してしまっているので、火力発電の燃料費が高くなる可能性もある。
家庭の電気代は、その結果、値上がってしまう。

というのが大前提で存在します。

では、前置は置いておいて本題。

8年ぶりに石油輸出国機構(OPEC)が原油の減産で合意しました。
なので、今回の減産合意によって原油価格が上がれば、ガソリンの値上げなど、
一般消費者にとってはデメリットが大きくなるという前提どおりの見通し。

OPEC構成国間での利害関係から交渉は難航するんじゃないの?
という見解のなかで、合意に至ったことや、この合意によって今後、原油価格が安定したり、
上昇したり、産油国の財政が好転してオイルマネーが世界へ流れるかも・・・といった見方から、
合意が正式に決まった1日には軒並み株価が上昇しました。

原油は、エネルギー源は当然のコト、プラスチックなど素材の生成源としても
製造業などをを支えている最重要資源です。
なので、原油価格の変動は世界経済にとって大きな影響力を持つコトになります。
そのため、原油価格を巡って、様々な国が駆け引きをしいて、思惑が入り乱れ、
グチャグチャになることも・・・・ ま、あったりします。

下のグラフの推移を見ると、ここ10年ほどの原油価格(1バレルあたり)は
上昇下降を繰り返しながら、だいたい1バレルあたり100ドル前後で安定していた原油価格が、
2014年を境に下降し、低い状態が続いていたことがわかります。



原油価格の上がり下がりは、政治的、そして経済的に、多くの国の国益に大きく関わっているので、
「なぜ原油価格が変動しているか」を追えば、様々な国家の思惑が見えてたりもします。
報道による原油の増産や減産、価格の上昇や下降がどう云う意味を持つのか等はわかりにくい。

で、今回、アメリカにとって、原油価格の変動はシェールオイルの生産と大きな関係があります。
シェールオイルは、石油のもととなる成分を含んだシェール層という地層を砕くことで得られます。
従来は、採掘コストがかかるためにほとんど生産されていませんでしたが、
技術開発が進んだことによって、徐々に生産コストが下がり始めました。

このシェールオイルの生産が増加し始めたのが2014年頃、上のグラフで原油価格が下がった年です。
一時は30ドル前後まで価格が落ち込み、採算面からシェールオイルの採掘がスローダウンします。
ちなみに現在、シェールオイルは、原油価格1バレルあたり55~60ドルであれば採算が取れるそうです。

一般消費者にとっては原油価格が低いとガソリン等の値段が下がるため、嬉しいくなるのですが、
一方で、今回の合意等の減産で、価格が1バレルあたり60ドル程度まで上昇すれば、
今度は、アメリカの国内産シェールオイル生産の採算が取れるようになり、他国への資源依存度を
下げることができます。

そのため今回の合意は、安全保障面でも経済面でも、アメリカにとってはメリットは大です。
加えて、トランプさんもシェールオイルの増産を主要政策に掲げていますので、
アメリカにとっては、価格が1バレルあたり55~60ドルまで上がるかどうかが、とても重要。

サウジにとって今回の減産は、経済的にはメリットはありますが、政治的にはややデメリットが残る。

原油がここまで増産され、価格を下げていたのは、そもそも世界最大の原油輸出国であるサウジが
原油の増産を続けてきたからです。
サウジは原油を低コストで生産することができるため、増産は高コスト国に対して圧力をかける手段。
で、主にサウジが圧力をかけていたのは、アメリカとイラン。
アメリカに対してはシェールオイルの採算をとれなくすることで、
引き続きサウジが原油輸出シェアを握っていきたいという思惑。

イランに対しては、欧米からの経済制裁が解除されたことに加え、
今後原油増産で収入が増加して国力が高まるのを抑えていきたい意図があります。

イスラム教シーア派の盟主であるイランと、イスラム教スンニ派の盟主であるサウジは、
近年対立が悪化しています、今年はついに国交も断絶してしまいました。
と、いうことで、増産を進めていたサウジでしたが、サウジは国家歳入の7割を原油輸出に
依存していて、増産によって財政赤字がかさむという結果になってしまいました。
なので、サウジは、背に腹は代えられないというところまできて、減産に踏み切ったもよう。

イランは、今まで核開発によって欧米からの経済制裁が解除されたばかりであることを理由に、
増産を主張していました。
そして、各国が減産に同意する中で、条件付きながら増産を勝ち取っています。
これは政治的にも経済的にもメリットは大きい。
サウジに比べ、国家財政に余裕があり、原油依存度も従来に比べ下がっていることから、
原油の増産はそのまま国家の歳入増につながります。
また今回、9万バレルという制限付きであるにせよ、サウジに主張を認めさせたのは、
政治的成果としても大きかった。

で、ロシアは、サウジと並んで世界最大の原油生産国です。
今回の減産合意に対しては、原油価格の安定につながると支持を表明していました。
これには、ロシアの増産体制は既に限界にきていて、
増産による収益増より減産による価格上昇で得られる収益増のほうが大きい為、
との判断なのでしょう。

ま、いずれにしても、原油価格は産油国の政治事情や経済事情で動くな。





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