夢千夜 1000dreams

漱石「夢十夜」へ挑戦する

1273夜

2017-04-17 13:01:39 | Weblog
私が若い頃「最近の若者は能力がないのにプライドだけ高い」と言われた。あの頃から「引きこもり」というものが登場し、「引きこもり」の青年に「なぜ引きこもっているのか」と聞くと、「私の能力に値する仕事につけない」と答えるのが普通だった。現代のデジタル時代の「引きこもり」とはまったく違う理由である。能力がないならないなりに謙虚になって自分の能力に合致した仕事につくべきだが、自分の能力をきわめて高いところに想定し、きっかけさえ与えてくれれば自分は必ずそこまで行けると固く信じているので、その入り口が与えられないことが容認できない。大江健三郎の小説に、大江のところに何千枚かの白紙の原稿用紙を持ってきて、有名雑誌に掲載の約束をしてくれれば自分はいますぐにでもこの原稿用紙に大傑作を書くことができると迫る青年の話が出てくるが、その青年は決して狂人というわけではなく、あの時代の青年の気持ちを代表している。チャンスさえ与えてくれれば自分はすごいことをやるのに、なぜチャンスを与えてくれいのか、それが不思議だった。
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