能『忠度』の公演、本日となりました。『忠度』の見どころ、聞きどころのご案内も今回で中締めとさせていただきます。
さて、平忠度は何が言いたかったのか?

その答えは後場の後シテの一声のメッセージにすべてが込められています。

はじめて能楽堂にいらして、いきなり謡を聴かされても何を言っているのかなかなかお判りにならないと思うので、この部分だけ簡単に明生風に訳してみました。

私のこんな気持ち、とても恥ずかしいのですが・・・。
千載集に私の一首を入れていただいて、とても嬉しいのです。
でも私が朝敵だからと言って「詠み人知らず」となさったのは心残りなんです。
我が師・藤原俊成師匠が故意に「詠み人知らず」になさったこと、私、知っています。
その事がずっと気になって、どうにかして私の名前が入らないかと、死後もこのように悩んでいるのですが、その頼みの俊成師匠も亡くなられてしまい・・・
私の憤懣はどうしたら晴れるのでしょうか?

旅僧は俊成師匠の所縁の方ならば、師匠のご子息、定家卿から帝に「読み人知らず」を「平忠度」と直していただくように薦めてほしいのです。是非、是非お願いします。
と、長々と愚痴る謡が演者にとって最も大事な所で、この愚痴を強い吟(調子)や和らかな吟を交互に謡い分ける技が演者の力量をはかるところでもあります。

生憎の雨模様ですが、皆様のご来場を、お待ち申し上げております。

*** 29年度 粟谷明生演能予定 ***

9月2日(土) まほろば能 『経政』 大仙市唐松能舞台
9月15日(金) 国立定例公演『小督』   国立能楽堂     
9月28日(木) 品川薪能『船弁慶』    戸越公園文庫の森特設舞台
11月26日(日) 喜多流自主公演 『蟻通』 喜多能楽堂

30年度

3月4日(日) 粟谷能の会『卒都婆小町』国立能楽堂

皆様のお申込をお待ち申し上げてあります。


文責 粟谷明生



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