日本と、なにもかも異なるペルーに家族で駐在したが、
1年も経過すれば、ホームシックにもなる。精神衛生上、家族旅行に出かけた。
そこで選択したのが、隣の国チリだった。どんな国か皆目見当がつかなかったが、
街並みは美しく、人々もとてもフレンドリーだった覚えがある。
リマのように、道路にゴミが散乱していることもなく、異様な臭いがするわけでもなく、
呼吸も楽だった。
首都サンチャゴには、日本人が経営しているペンションがあって、そこはその世界では有名らしく、世界を旅している若い人たちが利用していた。
ご主人は話が好きで、よくお客さんをもてなしていた。元気にしているだろうか。
ご主人に誘われて、ペンションからとことこ歩いて朝のコーヒーを近所のカフェーまでとりにいった。
なぜチリに来たのか、息子さんが不幸にして死んでしまったことなど、身の上話をしてくれた。
人にはそれぞれ苦悩があるんだと、思った。
チリは、果物や魚介類が最高においしい。
ほんの数日だけの滞在だったが、気候も日本とよく似ていると思った。
サンチャゴの中心地から地方に向かう、大きなバスの駅がある。そこからバルパライソの海岸まで足をのばした。
そこは、有名なミュージシャンがイベントをする場所だ。タクシーに乗ってあちこち観光し、最後はタクシー運転手の自宅まで招待してくれて、お茶を御馳走になった。
チリは、同じ南米でも、ペルーと人種の構成が極端に違う。
ペルーには、肌のあさ黒い混血ばかりが目につくが、チリは肌の白い人々が多く、街も美しく、文明も文化もはるかに進んでいるような感じだった。
街に溶け込んでホッとする首都、それがサンチャゴ。一刻も早くそこから出たくなるのがリマ。
大げさではなく、このくらいの違いが、当時はあった。
サンチャゴから、イースター島に向かった。
のんびりとした、実に穏やかな島だった。
今は、リマも当時のサンチャゴのような、落ち着いた街になった、と思う。













