松居先生の本に偶然出会い、その本が全て絶版であることを知り、これはまずい、と青春を捧げた?(実際にはそれ以外にやりたいことがなかった)私ですが、なぜこんなに惹かれたのだろうと思ったら(以前にも似た部分があるからと書きましたが)他にもあるのです。
著作権継承者を探すため彼の本をリーフレットのようなもの以外は全て読みました。その中で彼が就職について書いたものがありました。
その本のタイトルや正確な文章はわからないのですが、内容は「なぜ人は就職先を決めるのにどういう手当か、どういう福利厚生かで決めるのか。自分が勉強してきて何で自分が社会に貢献できるのかで決めないのか?」という部分がありました。
松居先生の時代でもすでに大きい、福利厚生の良い会社に入って豊かな生活をして老後も安泰になりたい、という考えはあったわけで、
まず給料から調べ、こんなに有名な会社に入れたと自慢する、そんな風潮はこれからも続くことでしょう。親が子供に自分はこんなに損をしたから、こうしなさい、と指導することもあるでしょう。
また北原さんのお父さんも悲しんでおられたのが、同窓会に来たり年賀状がくるのは皆「こんなに出世しました!」という人だけで、陸の孤島のようなところで苦しんでいる人の側にいて目立たない仕事をしているような人はやって来ない、と。こういう感覚が北原さんを育てたのでしょうが、・・・・・・・
ブラック企業というものもありますので一概には言えませんが、一生をお金だけに支配されるのも嫌なことだし、自分のやるべきことを押し殺して給料だけで決めてしまって悔いが残るのも辛いです。
人が成人するまでには税金を使ってさまざまな教育を受け、恩恵を得ているわけで、さぁ、就職するからには今までの自己負担分!を取り返すぞ、というのはちょっと残念な考えなのです。先人たちの努力の賜物は、ではどうやって「取り返す」のでしょうか・・・・・・
松居先生の本を読んでいると本末転倒に気づかせてくれるのです。宗教・哲学というものは人を生まれ変わらせ、方向転換させる力を持っていると思いますが、松居先生の本もそんな力を持っているのです。