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時代劇とヒーローもの その67  印象に残る時代劇映画三本

2017-10-14 03:09:49 | 時代劇とヒーローもの
 
今回は時代劇でいままで特に印象深かった映画を3つほど上げることにいたします。

時代劇と言うとすぐに「七人の侍」とか「椿三十郎」など名映画と評されることが多いですが、カメラワークなどの映画鑑賞眼が必要です。評価のわりにはこれらは全体的にアクション映画で味付けは洋風。個人的には日本の時代劇としてはいつもなにか違和感がつきまとっていました。
 
そこで私的な見地で印象に残る3本の古い時代劇映画をあげてみます。

1 赤穂浪士(1961年)

 
 
娯楽性と日本人の心情をよくあらわした忠臣蔵は映画やTVに幾度となく放映されました。
しかし、この1961年の作品は時代劇のオールスター性と演技で秀逸です。東映映画が何と言っても出色のできばえと今になっても思います。後に「赤穂城断絶」のようなシリアスな忠臣蔵もあったようですがこちらの作品の方が適度に肩がこらず、受け入れやすいのではと思います。特に、近衛十四郎さん、片岡千恵蔵さんなど東映の時代劇の大御所がスクリーンで悩み、叫び討ち入るシーンは圧巻でした。ドタドタと討ち入るシーンもありますが清水一角(近衛さん役)と浪士の一騎打ちなど見どころもきちんと丁寧に盛り込まれています。いつも思いますが、吉良の殿様が悪役になり赤穂藩の殿様が正義のようなステレオタイプは心情的にはすんなり受け入れやすいものですが、歴史的には吉良の殿様は名君で赤穂藩の殿様はパラノイア的で違うんじゃないかという論争が繰り返されているのも面白いです。私的にはどっちもどっちで吉良の殿様の聡明さに潜む「たぬき親父」的なところのいやらしさ、赤穂の殿様の尻の青さが家臣を不幸に陥れた悲劇など考えさせられるところが多いです。若い時に一度見て、還暦になってもう一度見るとかなり自分でも見方が変わるものだと思います。

2 十三人の刺客(1965年)
 
(上二枚の画像には中央に若き日の和崎俊哉さんが映っています。若いですね~)

忠臣蔵とは裏腹にこちらは勧善懲悪のために命を投げ出すサムライの話。七人の侍は農民の為に野武士と戦うでしたがこちらはただただ極悪非道な殿様は許せないから抹殺するという正義の侍の物語です。相手は大勢こちらは選抜隊とはいえたった13人。明らかに状況は不利ですが色々な仕掛けで追い込み目的を果たします。人間と言うのは権力の構造に弱いもので殿様は極悪非道でもそれを支持しなければならないような運命の家臣たちがいるのは歴史を見ても繰り返していますね。(ミサイルを打ち上げる国みたいに)この映画ではそのような運命を負った殿様の次に偉い家老は悲劇ではあるもの主君を守るという意思をつらぬく気概は敵ながらあっぱれです。この敵の家老を演じていたのは内田良平さんです。家老職などは偉いばかりで総じて弱く、家臣に守られる立場にあるものですが、内田家老は剣さばきはみごとで頭もさえており、家臣たちは家老を実は殿様よりひょっとしたら尊敬していたのではと密かに感心していました。ミラーマンの村上チーフ役の和崎俊哉さんも出演しておられ伝令役ではありましたが最後の突撃シーンは印象的でした。

3 主水之介三番勝負(1965年)
 
上の二作は誰かをまもるためでしたがこちらの作品は師匠の仇討、秘剣破りの物語です。美男子大川橋蔵さんが殺された師匠の仇を討つため苦悩する物語で、敵役の近衛十四郎さん(松方弘樹さんのお父様)がなんとも憎らしい敵役を演じておられました。竜尾の剣という頭を打てば尾で返され、尾を打てば頭で返されるという魔剣に立ち向かう主水之介、その剣で師匠は絶命、道場仲間も片腕を失い、道場も乗っ取られようとするあからさまな悪業に立ち向かう。魔剣だけにそれを打ち破るのは至難の業。剣豪小説を見ているようで剣道を経験した個人的な視点からは娯楽性もあり面白かったです。師匠は絶大なもので親と同等に大切なもの。その想いが映画でも込められておりこれは侍として生きるバックボーンであるということです。これに気付いている人は少ないのではないでしょうか?
 
他にもいくつかあると思うのですが自分の視点から選んでみました。印象に残った映画やTV時代劇ドラマがあれば語っていただければと思います。
 


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2 コメント

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Unknown (丸の内)
2017-10-17 15:28:24
よしひろさん、こんにちは~。
今回は、映画ですね。

私は、時代劇映画は知らなくて、何もコメできないのです。
TV時代劇ばかりで(^_^;)

『十三人の刺客』見てみたいです。 
(ずっと前、よしひろさんが紹介してた『剣鬼』もまだ見てない(ToT)


私が見た時代劇映画で思いつくのは・・・

雷蔵『眠狂四郎』は、TVで見ました。 あの妖しい独特の世界は、洋画には表現できない、日本映画だけが持つ陰影や暗翳が表現されていたと思います。

印象に残っているのは、『幕末残酷物語』です。
大川橋蔵主演の新撰組ものです。 新撰組をヒーロー化したものとは真逆の作品です。 間者として入隊した男が、隊の中で生きていくために人を斬り、また、非情な集団の中で非道な現実を目の当たりにする。最期は間者がバレて、屯所の中で大暴れして斬殺されてしまう。 
新撰組の恐ろしさをひしひしと感じる作品です。
藤純子さんの可憐さが唯一の救いです。


あと、三船さんの回にコメした『羅生門』です。


『狼よ落日を斬れ』は、英樹様大好き時代(←栗塚旭のファンになる前のこと)に、TVで見ました。 主役・英樹様のほか、緒形拳、近藤正臣、西郷輝彦も主役みたいな位置づけで、豪華でした。
原作は、池波正太郎先生。


そう言えば、池波正太郎先生のエピソードで、
池波先生がご自身の作品のTV時代劇を見ていたところ、
床の間の掛け軸と(場面の)季節が間違っていて、お怒りになられたとか。
(←TV時代劇「編笠十兵衛」という説です)

う~ん、わかるような気がします。(にわか時代劇ファンはスルーしちゃうけど、わかる人には、あってはならない間違えなのでしょう)


司馬遼太郎先生は、映画『新撰組血風録』に不満が残り、TV化の話があった時は難色を示されたとか。 

プロデューサーは、料亭に司馬先生をお招きし、
土方歳三の扮装をした栗塚さんを会わせるという策に。
司馬先生は、栗塚さんを一目見て、「あんたが土方や」と。TV化を快諾したそうです。 (そして、大ヒットに)


原作者にとって、自分の作品が映像化されるというのは、嬉しくもあるけど、自分の想いや主張が 正確に表現されているか?? わからないですよね。
難しいですね。


それでは、また(^o^)/~~~

よしひろさんのバイク映像も これから紅葉でしょうか。
楽しみにしておりま~す。
Unknown (よしひろ)
2017-10-18 20:11:01
丸の内さん:こんばんは。東京も大阪も12月上旬並みの寒さで全くいやですよね。ご自愛ください。

丸の内さんはどちらかというとTV時代劇派なので映画はご覧にならないのかもしれませんね。

TVは公共の放送でもありますので安心感はあります。

TVはあまり残酷なシーンは糾弾されスポンサーにも影響がありますが、映画の閲覧者は好き好んでいくグループですからかなりきわどいシーンでも まぁいいか と映倫もOkだしちゃうのでしょうね。

チャンバラも見ようによっては日本刀で斬るので残酷です。笑 TVのチャンバラは見ていて倒れるけれど血しぶきなどはないですからね。笑

その点私の紹介した主水の介三番勝負などは日本刀で浩ちゃんの片腕はとばされるわ、師匠は前からざっくりきられて呻いているというていたらく。今では受けませんねーー。

ヒデキさんの「狼よ落日を斬れ」は二度見ました。若き日のヒデキさんがカッコよかったですね。そのころはカツラがないし、お笑いショーなどにも出演していないし。笑 渋いヒデキさんでした。

幕末残酷物語は橋蔵さんの映画でしたか。橋蔵さんは男前でちょっと色気もあり私は好きな俳優さんです。日舞をよくやっておいででしたので剣さばきも実に綺麗ですね。うん!きれいです。

栗塚さんの映画は見たと思うのですがあまり印象はないでした。新選組というのはわかりますが。

映画でずっこけたのは「ラストサムライ」でした。
カッコよさと日本の時代劇の伝統を覆すような変な作品でした。たそがれ清兵衛などのほうがましだったかと思います。

また、コメントいただければ幸いです。よろしくお願いしますね・・・・!



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