海の物語・・ホームマリンアクアリュウム

海水魚飼育を中心に飼育方法や意見交換の場。小型水槽嗜好。ECOSYSTEM ECOMINIで挑戦中 

閑話休題 SF2選 「終わりなき戦い」と 「虚空の目」(宇宙の目)

2016-05-19 21:10:04 | その他番外編

気温は上昇していますが、今年は海水の温度がなかなか上昇せず白浜でもやっと22度ぐらいになりました。あと3度ほど上昇してくれないと水から上がった時に寒いですのでまだ海に行っていません。ちょっと陰鬱です。w

このような時は古本でも買って気長に時間を過ごすのがいいかと。2冊SFを買いました。感想をば。

 

まずひとつがジョーホールドマン作の「終わりなき戦い」

これは宇宙戦争ものですがRハインラインの「宇宙の戦士」の影響を受けた作品とも言われています。宇宙の戦士の方は映画「スターシップトゥルパーズ」で映像化すみですが、こちらの方は映画化されていません。作者がベトナム戦争で経験した戦場のエッセンスも含まれているので 「宇宙の戦士」よりリアルです。

ストリーはコラプサージャンプという超光速の航法を得た人類が星々に移民を派遣した際にトーラン星人と遭遇し地球の宇宙船が破壊されたとされ全面戦争に突入。 その戦争は1000年以上も継続したのですが・・・超光速で航行すると相対性理論によりたった2か月の戦闘で隊員が地球に帰還しても地球はすでに何十年も未来になったところに帰還することになり(ウラシマ効果といいます)・・・それが100年単位になるとすっかり政治や人類の行動様式や生殖に対する考え方もかわり帰還した隊員たちは悩むというストリー。その悩みどころを横糸とすれば戦闘シーンは縦糸でなかなか迫力あります。レーザー砲はもちろんタキオンミサイルとかタキオン地雷とか、磁気シールドなどなどでトーラン星人をばったばったとやっつけるのですが・・帰還すると何十年も経過しているので未来で賢くなったトーラン星人がまた新鋭のミサイルを撃ち込んできて地球の戦艦が撃破されるとかそのくだりがリアルで面白いです。

ネタばれになりますが・・・そんな戦争もある日戦闘から帰還すると突如終わっていたというくだりです。その理由は・・書きませんがどこの世にも戦争好きな人種がいるものだと作者はちょっと冷めた目でものごとを書いています。まぁ、物語がハッピーエンドになっているのがせめてもの救いかもしれません。

 

つぎにフィリップKディック作「虚空の目」(宇宙の目)です。

これはなかなかおもしろかったです。宇宙戦争ものではなく、異次元=人間の精神空間に迷い込んだ8人がもとの次元に戻るにはというミステリー的な話。

巨大な陽子ビーム加速器の実験の際にその機械が暴走し大爆発。それを見学していた8人の人々は死んだはずなのに奇跡的に生きておりなんなく家に戻るが・・その空間というか世界はバーブ教といわれる宗教団体が世界を支配する奇妙な世界で生きていることに愕然とします。その世界では神の怒りにふれたものは突然天から急に大量のイナゴや蛇がどっさり落ちてきたり、神の悪口を言おうものならテレビから黒い天使が現れて体罰したり、突如宇宙にほりだされ星々の世界を見ていると超巨大な神の目が審判を仰ぐ人物に懲罰を加えたり荒唐無稽な世界がリアルに描かれています。その世界が終わると今度はまだ別の世界に8人がほうりこまれこの世界では平和過ぎて汚らわしいものは一切ない世界が広がるのですが汚いと感じたものはこの世からすべてなくなるという体たらく。猫が嫌いなら猫がこの世から1匹もおらなくなる。w汚い汚水処理場がみえてきたないと思ったら世界から全部なくなる、あれがきたない、これがきたないと思うとすべて消えてしまうので・・8人は困まって(厳密には7人)・・・その世界から脱出したかと思えばそうでなく今度は共産主義者の跋扈する世界だったりとか・・・終わりはこちらもハッピーエンドでちょっと安心してしまいますがとにかく人間の思いというのは客観的に見ると勝手そのもので自己中心的なものというのが良く分かる作品です。

 

終わりなき戦いも良かったですが虚空の目の方が読んでいて面白かったです。古本は300円ぐらいなので2冊買っても1000円でおつりがありました。

興味のある方は読まれると面白いと思いますよ。