( 今回は、チャリの話題ではありません! )
2014年2月15日(土) 降り積もった大雪の日の、我が家の出来事を書き綴りたいと思います。
二女と私、そして家族の記憶を記録に残したくて・・・。
高3の二女は、いよいよ大学受験の年を迎えました。
全国にいる個々の受験生にそれぞれの志望校が有り、合格を勝ち得る為に入試日当日まで頑張って来たわけです。
娘の想いを踏まえ、十分な話し合いを重ね、志望校を決定し入試に臨むことにしました。
今回の入試は、都内に通う大学生の長女が大活躍してくれました。
志望校の入試会場まで、二女を毎回引率してくれ大いに助かりました。
会場までのアクセスを気遣うことなく、リラックスして臨めたことは大きかったと考えます。
そんな中、2月15日(土)の神奈川県は横浜市に会場がある入試は、
予定が入っている長女に代わり、唯一私が引率することになっていました。
前週の8日(土)未明には、関東地方の平野部でも20センチの降雪が予報され、
実際には40センチに近い積雪があり、近年稀にみる記録的な大雪に見舞われました。
多くの交通機関に、遅れや乱れ運休が生じましたが、幸いにも娘の入試に影響は出ませんでした。
大雪に見舞われて間もない首都圏ですが、14日(金)~15日(土)にかけて、 再びまとまった雪の降るおそれが出てきたのです。南海低気圧が急速に発達しながら、日本の南海上をゆっくりと進む見込みで、全国的に雪や雨と風が強まり、大荒れの天気が予想されました。しかしながら、先週8日(土)ほどの記録的な大雪になる可能性は小さいです。との天気予報を信じ、前日から積り始めた降雪が気になりつつも、早めに就寝しました。
試験当日は5:00に起床し、自宅の庭を眺めると天気予報に反し、想像を絶する積雪量です。後に50センチ以上だったことが判りました。雪は既に雨に変わり、まるで嵐のような暴風が吹き荒れています。首都圏交通機関の運行状況をいつもの様に検索すると、入試会場がある東急東横線沿線で15日(土)未明に元住吉駅で積雪による衝突脱線事故が発生しており、入試会場がある駅は不通となっていました。 TVニュースでは不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。
今冬は降雪に備え、車にはスタッドレスタイヤを履かせていましたが、40センチを超える積雪にガレージから出ることすら出来ません。自宅前の道路にも大量の雪が積っており、走行できる状態ではありませんでした。交通機関の乱れや東急電鉄の事故を考え、なるべく早く出発しなくてはと考えました。車なら7~8分。徒歩でも15~20分の自宅から最寄り駅まで、娘に雨合羽を着せてゴム長靴を履かせ(娘も、こんな荒天ですから素直に従ってくれます。) 私のメッセンジャーバッグに、着替えやピカピカに磨いた娘のローファーを仕舞い込み、5:40に徒歩で駅に向かうことにしました。
歩きだして直ぐに傘は、強風のため使い物にならなくなりました。膝まで潜る嵐の雪道を、一歩一歩駅に向かって歩きました。ゴム長靴を履いているのに、雪が靴内に入ってきてしまいます。心が折れそうになる娘を励まし、手を繋ぎたわいもない会話をしながら懸命に歩きました。50分掛けてようやく駅にたどり着き、雨合羽を脱いで冷え切っている濡れた身体を拭きます。時刻表では発車しているはずの電車がホームに停車しており、急いで乗り込みましたが一向にドアが閉まる様子が有りません。
車内アナウンスで、事情を知ることが出来ました。
進行方向の和戸駅付近で、積雪による架線倒木により運転を見合わせていると・・・。
このままでは、確実に試験時間に間に合わなくなる。
そう考えるも、娘には「大丈夫だ!」と言いながら、心の中では不安が余儀っていました。
7:06 弟くんからメール
「おはようございます。今朝は大変な天気になっちゃったね。今の処、順調ですか!?
熊谷の積雪が62センチだそうです。気を付けて!」
「おはようございます。車が走行不能で、歩いて駅まで・・・。
で、電車は架線倒木の為、最寄り駅で運転を見合わせています。」 と 返信。
7:07 妻からメール
「6:30 大学のHPで、試験開始時間が変更されました。 3時間繰り下げとの事です。」
間に合う!!
このメールを受け、何が何でも娘を入試会場へ送り届けるぞと、自身に強く言い聞かせたのです。
7:14 妻からメール
「JR運休のため東武鉄道が混雑するみたい。電車に乗って待っているのが好いかもね。 パパは座れている?」
「2人とも座れています。 寒い!! 未だ最寄り駅で運転見合わせ中。 JRは動きそうですか?
今度は東武鉄道が、西新井~東武動物公園間で停電の為ストップしてしまいました。
現在復旧の見込みが立っていない。」 と 現状を返信。
7:19 弟くんよりメール
「困ったね。まだまだ動く様子はないの!?」
「そうなんです。 電池保護の為、この後必要な時にメールしますね。」 と 返信。
7:38 妻からメール
「メンタル試されているね! 暖房ついているの!?」
7:40 長女からメール
「JR宇都宮線は運休し、他の路線もダメ。日比谷線直通も、今見通し立っていない。」
「情報有難う! この電車は、久喜まで運転する様です。」 と 返信。
7:41 長女からエール♪
「○○ちゃん(二女の名前)頑張って!! 試験は必ず受けられる。 パパも頑張れ! 暖かくしてね。」
7:44 長女からメール 久喜まで運転することを受け・・・
「良かったね。 多分今日の試験は、必ずチャンスになる!」
久喜駅到着 妻へメール
「久喜駅構内のスタバに入り、待機中。娘は座わることが出来ました。現在、東武もJRも動いていない。」 と 送信。
8:12 妻からメール
「暖が取れているみたいですね。 Twitter見たら、9:30頃復旧らしいです。」
「東武? それともJR?」 と 返信。
東武鉄道の停電が復旧し、運転再開のアナウンスが構内に流れ・・・
「8:33 浅草行きが動きました! 乗車出来ましたが、満員状態。」 と 妻へ送信。
8:35 妻からメール
「絶対大丈夫! ある意味娘は試されているよ。メンタル強い人が・強い人が・・強い人が・・・必ず勝つ!!
これは自然界の法則。本当にパパがいて安心です。」
「有難う! 東急電鉄は、復旧しましたか?」 と 返信。
8:54 妻からメール
「まだです。」
「了解。運転再開したら、連絡お願いします。」 と 返信。
9:23 妻からメール
「大学のHPでは、横浜市営地下鉄グリーンラインで迂回して下さいとのこと。
13:00からの試験時間割は、長女がメールします。」
9:35 長女からメール
「集合時間 12:30 外国語 13:00~15:00 地理歴史 16:00~17:00 小論文 17:50~19:20 に変更となったよ。」
「了解! 東横線は、振り替え輸送していますか? 横浜~日吉間は、運行していますか?」 と 返信。
9:48 長女からメール
「東横線 まだ運転の見通し立っていない。」
「東横線は、全線止まっているの? 運転区間があれば、教えて!」 と 返信。
10:06 長女からメール
「目黒線 武蔵小杉~日吉 運転見合わせ 振り替え輸送を行っている。」
10:16 長女からメール
「横浜まで出れば、市営地下鉄が動いている。大丈夫!」
「有難う! 助かるよ。 北千住から日比谷線で秋葉原へ。 JRに乗り換え、横浜へ向かうことにします。」 と 返信。
11:12 長女からメール
「今どこ? 大丈夫??」
「東横線は横浜からも動いておらず、横浜市営地下鉄ブルーラインに乗車しています。
グリーンラインに乗り変え、入試会場に向かいます。
何とか集合時間前に到着出来そうです。 娘も頑張っています!」 と 返信。
11:44 長女からメール
「もう 大丈夫だね!!」
12:08 長女からメール
「大学から、13:00試験開始に間に合わない人は、別室で14:20~受験可能との事。」
集合時間が迫っていた為、娘には車内で妻が持たせたおにぎりを食べてもらい、
ゴム長靴からローファーに履き替え、入試準備を整えます。
12:20 やっとの思いで目的の駅に到着。
12:25 妻と長女へメール
「たった今、娘は入試会場へ入って行きました!
帰宅方法が困難な為、此処で試験終了まで待機して娘と共に帰宅します。」 と 返信。
12:28 長女からメール
「お疲れさま!! 今日はパパが見送りで良かった♪ 帰りも安心だね。 ママは祈ってばかり・・・。」
12:35 妻よりメール
「有難う御座いました♪」
「有難う!」 と 二人に返信。
試験中は娘の健闘を祈りつつ、駅西側の学生街で遅めの昼食を頂き、
雪中のキャンパスや周辺を散策したり、
駅ビルの本屋さんに寄り、保護者用控室で時間を過ごしました。
携帯電話の、電池切れを心配するメールを妻にすると・・・。
17:39 妻よりメール
「あと小論ですね。携帯充電は、マックやドコモで出来ますよ」 と アドバイス。
「そうだね! ドコモ行って充電して来ます。 あと残すは、小論です。」 と 返信。
18:04 弟くんよりメール
「お疲れ様です。今日は長い一日だったね。帰りに駅まで迎えに行くから、連絡下さい。」
18:21 妻よりメール
「充電は、大丈夫ですか? 弟さんが駅に迎えに行って下さるそうです。連絡してください。」
「ドコモで充電して来ました。 助かるね!弟くんに連絡します。」 と 返信。
19:59 妻よりメール
「大学から、出られましたか?」
「娘と無事合流し、振り替えバスで武蔵小杉に到着しました。
娘は、食事を取らずに帰宅したいとの事。暖かい夕飯を宜しくお願いします!」 と 返信。
20:16 妻よりメール
「有難う! 皆に感謝します。 水を飲ませてください。」
「水は、飲ませています。」 と 返信。
妻と弟くんへメール
「座って帰りたいというリクエストに応え、日比谷線経由で北千住に到着。
21:25分発の急行久喜行きに乗車します。」 と 妻と弟くんへ送信。
21:24 弟くんよりメール
「了解しました。」
21:31 弟くんよりメール
「ダイヤが乱れていて検索しても、駅着時間が判りません。 久喜手前辺りから、再度連絡して下さい。」
21:33 妻よりメール
「ご苦労さまぁ 娘は今まで生きて来て、こんなに頑張った日は無いね。
偉い!! 涙がでます。」
21:44 弟くんよりメール
「こちら22:20に駅ロータリーに着く様にします。時間に変更あったら連絡下さい。」
「有難う御座います。宜しくお願いします!」 と 返信。
22:06 弟くんよりメール
「了解です。」
「22:09 久喜駅到着 当駅20分到着予定」 と 妻と弟くんに返信。
最寄り駅では弟くんが待っていてくれ、
22:30 無事、二人で帰宅することが出来ました。
16時間30分に及んだ入試が、長い一日がようやく終わったのでした・・・・。
約束通り自宅には、暖かい夕飯が用意されていました。
興奮冷めやらぬ娘と共に、遅い夕飯を美味しく頂きました。
いやぁ~ 旨かったなぁ~~~。
実はこの日、自宅では別のアクシデントに見舞われていたのでした。
出先の私には心配するからと、詳しい事は伝えて来ませんでしたが・・・。
愛車のカーポートが、50センチ近い降雪に加え朝からの暴雨で耐え切れなくなり、その重みで3本の支柱がへし折れ、愛車の屋根に覆いかぶさってしまったのです。発見後、親父さんと妻、頼もしい息子たちが懸命に雪かきを行うも愛車を救出することが出来ず・・・。
妻が弟くんにSOSして駆けつけて貰い、皆で雪まみれ、汗まみれになりながら愛車を助け出すべく奮闘してくれたそうです。
そこに何と! 我々兄弟が親しくお付き合いしているS根さんが偶然立ち寄ってくださり、手助けに加わって頂いたのでした。皆さんが力を合わせ一致団結して、潰れたカーポートから愛車を救出してくれたのです。自宅でも大雪の中で、皆さんが頑張っていたのですね。
スマートフォンを持たず、ガラパ携帯の私をPCで情報を得ながらフォローしてくれた妻や長女、そして頼れる存在の弟くん、小学生ながらも私たちの行く手を凄く心配してくれ、又、雪かきを一生懸命してくれたた息子には、無論、親父さんにもS根さんにも大いに助けられた一日となりました。皆さんから支援を頂き、本当に有り難いと思いました。
娘が頑張ってきた受験勉強を知るが故、どうしても入試に間に合わせてやりたい気持で一杯でした。
通常なら2時間で行ける入試会場に、6時間20分を要して辿り着き、疲労困憊で臨んだ入学試験。
本当に、よくぞ困難を乗り越えました。
数日後・・・。
幸いにも神さまは、仏さまは、見ていてくれました。娘の努力が実り、志望校の入学を許可して頂けました。家族皆で抱き合い、飛び跳ね、心底喜び合いました。その後、挑んだ併願校の入試結果も出揃い、嬉しいことにこちらも入学の案内を頂くことが出来ました。勿論、頑張ったのは娘本人です。その厳しい条件の中で、入試日の壮絶で長い一日を共に過ごせた私にとって、我が家皆にとって、忘れることの出来ない記念日になったのです。家族全員で支え合って応援して来た二女の入試は、無事終了しました。
総ての入試結果を踏まえ、娘の選択は私と共に歴史的な大雪の日に、
雨降る暴風の雪中を歩き、動かぬ電車を待ちながら、遠回りし迂回ルートの末辿り着き、
心折れることなく挑んだ、因縁の大学に進学することに相成りました。
娘よ! 良く頑張った。 志望校合格、おめでとう。
でもね、これからが真のスタートなんだよ!!
有意義な大学生活が送れることを、家族共々切に願っています。
PS:今回の荒天の中の入学試験に際し、
受験校の学部教授会が、次のようなコメントを発表しています。
以下に、紹介させさせて頂きます。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
○○学部は2014年2月15日に予定していた入学試験を、前夜からの大雪と未明の東急東横線脱線事故のため3時間繰り下げて同日13時より実施しました。この開始時間に間に合わない受験生のためには、さらに1時間20分繰り下げて14時20分から別会場を設けて試験を行い、最終的には14時50分まで入場を認めました。これは15時に1時限目の試験が終了し、これ以後試験問題が公開される可能性があったからです。こうした対応により、当初の予定時刻より5時間近く繰り下げて受験機会を可能なかぎり確保しました。
積雪と脱線事故のため、遠隔地からの受験生が参加できるか危惧されましたが、たとえば山梨県からの受験生は全員が受験することができました。しかし5時間近い繰り下げにもかかわらず、入学試験に間に合わなかった受験生もあったことはたいへん遺憾に思います。こういう状態ではありましたが、困難を乗り越えて受験会場に到着した受験生の皆さんが、悪条件のために日ごろの努力の成果を十分に発揮できなかっただろうということも考慮しなければならないと考えます。こうした諸事情を配慮すると、追試験を行った場合には公平性が維持できないと判断し、○○学部としては追試験を行わないと決定しました。
○○学部は想像を絶する悪条件を乗り越えて入学試験に臨んだ3700余名の受験生の皆さんが、その極度の緊張と限界の疲労の中で達成された試験結果を尊重したいと考えます。
以上
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