場末の雑文置き場

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「428 〜封鎖された渋谷で〜」本編感想

2017年11月18日 | ゲーム

ファミ通の総選挙で評価が高かったので気になってやってみたんだけど、最高だった。オープニングの段階でもう引き込まれた。かっこいい。

ストーリーもいいけど、何よりも演出が好き。今までやってたADVだと、ビジュアルは立ち絵の表情が変わるくらいで、一枚絵はここぞというときにしか出てこない貴重なものだった。それがこのゲームでは、一枚絵に当たるものが惜しみなく、湯水のようにドバドバと出てくる。バッドエンドルートでも大量に。実写だからできたことなのかな?
主人公選択画面の作りも細かい。体の向きを変えたり、選択するとポーズをとったり。ストーリーの進行に合わせて着ぐるみを脱いだり、着替えたり、煤だらけになったりするのも楽しい。

声がないのもすごく気に入った点。ボイス入りゲームのほうが好きな人が多数派みたいだけど、私はゲームに声なんて一切いらない派。情報は特に増えないのに容量食うしプレイ時間も増えるから。
実写っていうところにも抵抗感は全くなかった。萌え絵よりずっといいと思う。

難度は、全てのエンドを見るのはそこそこ大変だけど最後まで進むだけならわりと簡単。攻略情報は一切見ないでやるほうが面白い。序盤はヒントもあるし、最終章はノーヒントだけどそれぞれのストーリーの関連が分かりやすいので全く問題なし。真エンドの存在はネットを見るまで知らなかったけど。
バッドエンドは大量にある。バッドと言っても悲惨なものばっかりじゃなくて明るいノリのものも結構あって楽しくて、ついつい間違っているとわかっている選択肢を選んでバッドエンドを見たくなってしまう。……ってことで寄り道しまくって最初のクリアーまで大分時間がかかった。


■システム

タイムチャートというシステムは初体験で、最初は戸惑ったけど慣れたらとても快適だった。いつでも好きな選択肢に戻れて、間違った選択肢を選んでもやり直しが容易なので。以前にやったことのあるノベルゲーにはそんなものはなくて、選択肢が出るたびにセーブするのが結構面倒だったのを思い出す。
その代わり既読の文章を高速スキップする機能がないところだけはちょっと残念。


■俳優

俳優は知らない人ばかり。でもそこがいい。「俳優の誰々」ではなく、完全にその世界の中の人物として見る事が出来るので、没入感を高めてくれる。
とは言え、見たことのある人が出ているとちょっと嬉しくなっちゃうのも事実。チョイ役っぽいタクシー運転手役で田中要次が出てきたときは「おおっ!」と思った。そして、ボーナスシナリオでまさかの須賀健太。脇役で出ているからこそいい。主役級で知っている俳優が出ていたら、ちょっと気持ちを削がれてしまっていたかも。

クリアー後に主役の俳優陣について調べてみたところ、加納役の人は元仮面ライダーらしい。私は知らなかったけど、特撮ファンにはお馴染みなのかな? この人は滑舌があまり良くない……どころじゃなくかなりひどいらしいので、もし声が入っていたら雰囲気が壊れてしまっていたかもしれない。加納に限らず、今回のキャスティングは声が入らないからこそできたものだと思う。黒幕ももしかしたら、喋ったら台無しだったかもしれないし。

その割には文章と役者の見た目が合っていないことも度々あって、そこは少しだけ残念だった。亜智はコワモテの男って言われているけど私にはどちらかと言うと優男に見えたし(パッケージで見たときは女性かと思った)、少年や少女と書かれているのに成人にしか見えなかった登場人物もいたな。
でも、一番問題なのは柳下。柳下が貧相な男って呼ばれてるのが釈然としない。そんなに貧相には見えないし、まず一番最初に目につくのはあのアフロヘアーだよな。「アフロヘアーの男」って呼ぶべき。


■ストーリー

注)ネタバレあり。


主人公が複数いて、視点を切り替えながら進めていくのが楽しかった。それぞれのシナリオでテイストも変わって。特に御法川編は主人公も個性的だし、ノリも他とは全然違う感じで楽しい。最初は御法川の言動にちょっと引いてたけど。タマ編もバッドエンドが楽しくて好き。逆に大沢編は主人公が内向的なうえ、基本ずっと家の中で話が展開されるので、私にはやや退屈だったかな。

序盤は亜智編除き比較的平和だけど、終盤は緊迫感も増して話が盛り上がってくる。無関係と思われた人や物事がパズルのピースのようにつながっていくのは気持ち良かった。ひとみが杖の男に追われていた理由がわかるシーンと、黒幕の正体が判明するシーンのゾクゾク感はなかなかのもの。

最終章でジャック&建野がプレイヤーキャラに加わったのは、嬉しい驚きだった。ただ、プレイヤーキャラが7人もいるのに女性はマリア一人という点は残念だった。しかもマリア編は短いし。ひとみは自分で動かしたかったな。亜智のパートナー的立ち位置じゃなくて。
私はカナンが動かせることをずっと期待してたんだけど、それができなかったわけが最終章でよーくわかった。

アルファルドの正体は今まで登場した人物で、しかも味方のふりをした誰かだとは思っていた。そこまではわかっていたのに、カナンのことは微塵も疑ってなかったわ。ジャックはちょっと疑ってたけど。子供だし、マリアの友達だし。2サスだと子供が黒幕なんてありえないというか禁じ手に近いから。こういうところは大分マンガ的だな。意外性はあるけどリアリティはない。でも嫌いじゃない。
アルファルドのダミーになっていた教授については存在をすっかり忘れていて、終盤で再登場した時「あんた誰?」と思ってしまった。加納に簡単に取り押さえられたり、加納の脅しに動揺してしまうような小物っぷりが悲しかったので、この人がアルファルドでなくて本当に良かった。

エンディングでは大沢は撃たれるし、黒幕は野放しになるし若干後味悪いなと思ったら、もう一つエンディングがあったんだね。ネットの情報がなかったら気づかないままだったかもしれない。つい復讐に駆られるような選択肢を選びたくなっちゃうから。


→おまけ要素(カナン編等)感想


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