目白大学 鈴木章生研究室 

目白大学社会部地域社会学科の教員が、大学の様子や身近な話題を提供します。

事後処理のやり方

2016年10月14日 | 私事
都庁のゴタゴタが巷間を騒がせている。どこで何が変わってしまったのか。普通は何らかの指示や圧力、改ざんや不正が見え隠れするもの。まさに伏魔殿とはこの事をいうのだろう。問題はその時期と首謀者ということになるが、それをうやむやにするのが、実は事後の動きだ。

日本では核心に来ると隠すことを是とする習慣がある。組織の根幹を揺るがしかねない場合に発展する恐れがあるからだ。静かに処分や更迭、自主退職で幕引きを考える。何となく美徳に思えるが、過去に何度もそんな事で問題が発覚するのは、組織の甘えとそこにいる当事者たちの最後の砦意識なのかもしれない。そこに都民や国民の姿はない。ひたすら組織の守りと、首長の権力保持に動いているだけに思えてならない。責任の取り方が変わってしまったとも言える。

役所が巨大化し、都庁の職員(病院もバスも全部入れて)16万人余を数える組織に自主的な刷新浄化作用は弱い。警視庁のパトカーで違反切符切られそうになると、「同じ都の仲間じゃないか」と言って逃れようとする人がいた。

モラルだ倫理だ啓発だと冊子が配られ、順番に研修に行かされる。でも、議会の野党からの質問に担当局長は、「冊子16万部を各職員に配布し、順次職員研修を実施」したとの答弁でお茶を濁すのが当たり前。印刷経費は当然税金だ。

研修は、一時間程度ではない。講義とワークショップ(ロープレとか意見交換)、ビデオを観たり、場合によってはテストと解説までついていたりする。三時間程度のプログラムになっていて、そのため四時過ぎに終わるので実質半日職免となる。戻って仕事をする人もいるが、終わったから飲みに行こうという職員も当然いる。おわってからの飲み会の方が本当の研修で、過去の経験や同僚の失敗談が勉強になったりする。

議会もまた弱くて、事後の効果やモラルチェックを追求することはまずない。答弁も「引き続き再発防止と職員の啓発を図って参ります」。
こうやって組織の闇のなかに埋もれていく。

担当者は更迭処分になったが、けじめという変な落とし前のため、大将の首を取れば終わりというのが日本だ。でも戦国時代や江戸時代より甘いかな。戦国時代は、首謀者家族全員、打ち首、追放だ。殿が切腹し、お家断絶したら、家臣は浪人。これくらいの緊張感はほしい。
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