目白大学 鈴木章生研究室 

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目白大学社会部地域社会学科の教員が、地域や社会の出来事や疑問に対するメッセージをお届けします。

百貨店100年の危機

2016年09月07日 | 時事
百貨店業界苦戦の原因は、UNIQLOとAmazonなのだろう。そっち方面の専門ではないので推測ではあるが、三越だけの問題ではないようだ。

百貨店つまり、デパート誕生の歴史をこの三越が刻んだことは有名。もっと言えば江戸時代から革命的販売方法の採用は教科書にも出るほど有名だ。

百貨店は明治30年代後半の日露戦争頃から、三越、松坂屋、松屋、大丸、白木屋と続々開業してきた。順番はこの通りではないと思うが、呉服店からの進化だ。呉服に加えて雑貨、家庭用品、ホールや食堂、さらには美術工芸や舶来品を並べ、催事場は後に博物館としての歴史も刻んだ。まさに、最新情報発信地として憧れの的だった。

大正からは鉄道系のターミナルデパートと、経済成長期からは大型スーパーマーケットとの熾烈な競争もあったが、およそ100年ここに来て老舗百貨店も終活にきたか。

70代、80代の親世代には百貨店の序列がしっかりあった。今や20代、30代にそうした認識はどれくらいあるだろう。丸井の赤いカードを持ったときは大人になったようで嬉しかったが、貧乏学生だったのでほとんど使わなかった。否、使えなかった。

百貨店の総合的な歴史を消費文化、社会風俗として検証する必要があるだろう。

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