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トランプ大統領の100日   3

2017年04月25日 13時51分08秒 | 日記

2017年4月25日(火)  トランプ大統領の100日  3

 

 

 トランプ大統領の100日シリーズの第3弾である。これまで、下記記事、

 

    トランプ大統領の100日  1  (2017/4/19)

では、

   ①閣僚等の体制整備

   ②日米首脳会談

について触れ、前回の、

 

   トランプ大統領の100日  2  (2017/4/23) 

では、  

   ③入国規制問題 

について取り上げたところだ。

 

 今回は、内政に関する大きな問題である

   ④オバマケアの取り下げ

 に関する話題で、正確には、オバマケア代替法案の取り下げである。

 

 

◇ アメリカの医療保険制度―オバマケア前まで

 周知のように、日本では、国民皆保険制度になっていて、低額で医療サービスが受けられるようになっている。 下図のように、日本だけでなく、G7メンバー各国が、2011年データでは、公的な医療保険の人口カバー率が100%(ほぼ100%)で、アメリカだけが、極端に低い。(「米国の歴史的医療保健制度改革、オバマケア」 大和総研 2015.5.14 ) 

       

 個々人や企業の自由を重んじ、小さな政府を目指すアメリカでは、医療保険は、民間企業が行ってきていて、部分的だが、公的機関が所掌する医療保険制度が始まったのは、1965年の

     メディケア  65歳以上の高齢者・障害者 向け

     メディケイド 民間の保険に加入できない低所得者 向け

と言われる。これらが、上図の数値となっている。 

 

 2008年時点の米国人の保険加入状況は下図である。(ネット画像より)この中で、職場で加入するのは、雇用先が提供する民間の医療保険で、全体の半数以上を占めている。

   

  また、メディケア、メディケイドや、軍人保険は、公的医療保険になる。

  無保険は、何の保障もない人たちで、2008年のこの統計では、4634万人で、全人口の、13.4%となっている。全人口の約15%にあたる4900万人が無保険というデータもある。  

 

◇ オバマケアの登場

  アメリカの医療保険制度に風穴を開けたのが、オバマ大統領率いる民主党政権だ。

幾多の困難を乗り越えて、国民皆保険を目指し、2010年3月、略称で

         「医療費負担適正化法 (Affordable Care Act:ACA)

                         注:affordable 手ごろな価格の

を成立させた。 これを、大統領の名前を冠して、通称、オバマケアと呼んでいる。  

 詳しい内容は把握できていないが、日本のような公的機関が全面的に所掌する社会保険ではない。従来の民間ベースの職域の医療保険を中核としながら、公的機関が大きく関わりながら、メディケア、メディケイド等も拡充する形になっているようで、主なポイントは以下のようだ。

   ・最低限の医療保険への加入を義務づけ

   ・保険加入を斡旋する医療保険取引所の開設

   ・保険料、保険金に関する保険会社への公的規制の強化

   ・メディケイドの加入資格の対象を拡大

   ・中小企業雇用主への指導 

等が行われ、2014年4月以降から、完全実施となっている。 

 アメリカで、1965年、メディケア、メディケイドがスタートしたのは、医療保険制度でのエポックメーキングな出来事と言われているが、2010年にスタートした、オバマケアは、それに匹敵する、画期的な制度の改革と言われる。

 

◇  オバマケア開始後の推移

 制度開始後、医療保険加入者数は、下図のように増えてきているようだ。(残念ながら、最近のデータは見当たらない)

 2014年で、加入者は1400万人ほど増えており、それに応じて、無保険者の比率が、2012年の、人口の20%程から、13%程に改善されているようだ。(前出 大和総研) 

 また、先述の図では、無保険比率は、2008年時点で、すでに、13.4%とある。更に、他のサイトでは、無保険率は、2009年以降、徐々に悪くなり、2013年に最悪18%程だったのが、2014年になって、13%に改善されたともあり、数値はかなり不明確だ。

いずれにしても、オバマケアによって、無加入者が、大きく減少した事は間違いないようだ。 

 一方、自治体等の財政面の状況や、連邦政府の医療費の抑制はどうなのだろうか。 オバマケアについては、これは社会主義だ、などと、制度への根強い批判も続いてきたようだ。

 

 ◇ オバマケア代替法案の上程と撤回

  トランプ大統領は、選挙期間中から、オバマ政権の医療保険制度(オバマケア)を批判し、それを廃止することを、選挙公約の目玉の一つに掲げてきた。

 1月の大統領就任直後に、トランプ政権は、オバマケアに関する大統領令(13765号)を発出し、廃止に向けた予備的措置をとったようだ。そして、程なく、オバマケア代替法案(American Health Care Act:AHCA)を下院に提出したようだ。

代替法案の内容は、十分には把握していないが、保険加入の義務化の廃止や、メディケイドの縮小などという。 

 連邦議会予算局が、代替法案を実施した場合の見通しを試算したようだ。それによれば、10年後(2026年)の、連邦財政赤字の削減は、1500億ドル程で、一方、無保険者が、現状の2800万人から、2400万人増えて、5200万人になるという。これは、前述の、2008年のデータよりも悪化する予想だ。

 共和党内の保守強硬派は、代替法案は、まだ不十分だとして反対する一方、共和党内の穏健派も、2014年以降、オバマケアが半ば定着しつつある中、代替法案が成立すると、上記のように、無保険者が、再び大幅に増えることは、国民の支持が得られないだろうと懸念し、反対したようだ。

  アメリカ議会の下院に提出していた、オバマケア代替法案について、トランプ大統領は、与党共和党のライアン下院議長と会談し、法案通過のために必要な賛成票が得られないと判断し、この3月24日、法案を取り下げたようだ。

当然ながら、当面は、オバマケアが継続することとなる。

 与党が多数を占める下院だが、内部の反発で、過半数の賛成で、議会を通過させる見通しが立たず、採決直前ギリギリで、法案を撤回したようだ。

内政上の最大の課題に関して、不戦敗の形で敗北する結果となり、政権への、大きな打撃となろうか。

   

 

 

 

  

 

 

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