日々

2008-01-30 09:17:06 | Weblog
悲しみは突然にやってくる。

松山の友人が
自動車事故で亡くなった知らせが届いた。



父が亡くなった時も
空家に1人ぼっちで居られない時も
機材やピアノ運搬しなければならない時も
車で一時間半の道のりをとばして
友人と共に駆けつけてくれた。

いつも車を出してもらっていた。

その彼が車の事故で逝ってしまった。

口数の少ない
微笑を絶やさない
目の奥に鋭さを湛えた
彼の面影が浮かんでは消え浮かんでは消え・・

時間がたつごとに
彼はいつのまにか目の前から消え
私の心の奥にはっきりと刻印されていく。
どうして亡くなった人とは
いつも一緒にいる感覚になるのだろう。

くしくも
彼が前日まで勤めていた
松山の雑貨屋さん「日々」で
今週歌う。
どこかで彼が聞いてくれてる。
悲しみに暮れるよりも
やらなければいけないことがある。
しっかり想いを届けよう。


アヤコレット(ピアノ・ヴォーカル) 守屋拓之(エレキチェロ) 
松山ライブ
2月3日日曜日 「日々」くらしのもの 松山市南堀端 コムズ向い

1:00スタート 
¥2000円 自家焙煎フェアトレードコーヒーとお菓子付


おとだまことだま

2008-01-28 12:19:05 | Weblog
わたしの夢につきあってくれて
ありがとう。

今日、録音の現場を
12時間共に過ごした
ミュージシャン達に感謝を込めて
こう言おう。

朝5時
おきてお餅を3つ。砂糖しょうゆで海苔巻いて
パクパク。
外はまだ夜の名残が。

6時家を出る。
6時半 電車に乗る。
山の方へ向う。
7時51分藤野に到着。
1時間に1本しかないバスに乗る。
さらに山ヘ向う。運転手さんがマンガを読みながら
エンジンつけて待機してるのにちょっと驚いた。
羊羹とおつまみを売ってるバスの車内・・お座敷バス?

ホールに到着。
誰もいない。
早すぎた・・
警備員のおじちゃんが
寒そうにロビーに待機している。

8時半頃 エンジニア庄司さんがドライバーを
してくれた若いカップルと共に現る。

9時ホールがオープン。
セッティングが始まる。

ピンと冷え切ったホールの空気が
清々しい。

倉庫から出されたばかりの
スタンウェイに手を触れる。
マットな面持と同じように
音色も落ち着いた仕上がり。調律は442だ。

弾き始めて30分ほどすると
何故か、ポマードのような
男性整髪料の香りが
ピアノの鍵盤から立ち昇る。
きっと私の前に弾いた人の
残り香。
鍵盤が私の体温で温まったことによって
残り香は空気中に立ち昇ってきた。
こんなことも、広い空間で
ピアノだけと対面している時間だからこそ
見つけられる小さな面白さ。
前に弾いた人は
どんな音色を鳴らしたのであろうか・・
想像しながらわが音楽に入っていく。
いや、音楽は誰のものでもない。
ただそこに流れていくだけだ。

あの町この町
何日君再来

軽くお昼

12時コントラバス、ドラム入り

ここからが怒涛の集中の連発。
全部で6曲!
それがさらにパート分けになり
ストリングスも入り・・
3時チェロ、バイオリン入り

怒涛の集中集中・・

エンジニア庄司さんは
数曲取り終えるとまるで
ガソリンでも入れるように
3分だけ!と
タバコを加えて
外で空気を吸ってくる。
アーモンドチョコボールを
齧りながらブドウ糖補給で
さらに集中。
すごいのはもっとも
長丁場を要求される
彼の集中の持続性だ。
驚くべき熱を放出している。
もちろん
ミュージシャン達の
集中力のすごさ。
いろんな難問抱えてるにも
関わらず、その時その瞬間に放出する熱。
人が演奏しているというのは
熱を放射するようなものなのか。

飾り気のないホールに響く
一筋の音は
やがて音だま言だまとなって
一本の線を伝い人々の元へ届くだろう。

先行発売は地元から。
リリースは4月か5月を予定。


若い人はもちろん
おじいちゃんおばあちゃんにも
聞いてもらいたいアルバムです。






通過点

2008-01-26 14:40:08 | Weblog
いざ録音。明日は藤野芸術の家 ホール入り。
スタンウェイが待っている。
早朝5時起きだ。

今日は早く寝なくちゃ。

昨夜、テレビをつけたら
たけしの誰でもピカソ
ちあきなおみ特集だった。

おこがましくも
ちあきなおみの歌のファンの1人。
しみじみと皮膚に染みていくような
彼女の歌は大げさでなく
珠玉の職人技である。
少しでも天才という努力のカタマリの
足元にでも及びたいと思う。


歌は心で歌う?
心は歌詞に書いてある。
歌手が付け加えて歌う必要はない。
歌は時間で歌うもの。
時間とはその人が生きてきた時間。
積み重ねた時間。
それで、お客は歌を聞く。

なかにし礼さんの脚本にあった
言葉はそのままピタリと
ちあきなおみの名唱に当てはまる。

10代の頃、ぼんやり想像していた。
これから人生において
よくわからないけど
うんと痛い目にあって、苦労しなくちゃ
こんな歌は歌えない。と
カーメンマクレエの弾き語りを聞いて
思ったものだ。

まだ人生の通過点。

終焉が来る頃には

少しはまともに歌えるようになったな・・

と思えるといい。

いまきたこの道

2008-01-24 14:23:26 | Weblog
あのまち このまち
日が暮れる 日が暮れる
いま来たこの道
帰りゃんせ・・帰りゃんせ・・

ある田舎町。
大晦日に70代の老婆が
行方不明になった。
弟と2人でくらしていた。
時々ふらりといなくなるから
旅行でも行ったのか・・
そのうちかえって来るだろう・・と
親戚も思っていた。

1月21日
家からそう遠くない
国道沿いの側道の溝、
葦の生い茂ったところで
老婆は冷たくなって発見された。
側には年越し蕎麦とお煎餅などが
レシートと共に落ちていた。

歩道とは呼べないほどの
狭い所を歩いて
スーパーから家に戻る途中だった。

暗い道
誰かが彼女を車で撥ねて
そのまま逃げ去った。

家までは500メートルのところだった。

すぐに病院に連れて行っていれば
命はあったかもしれない。

彼女の傍らに残されていた
12月31日5:00と刻印された
レシート、お蕎麦とお煎餅などを買った記録。

あの町 この町
日が暮れる 日が暮れる
今来たこの道
帰りゃんせ、帰りゃんせ・・


彼女の傍らに残された
お蕎麦がとても切なさを呼び起こさせる。
これから食べるつもりだったのに・・

おうちに帰れなかった彼女・・

犯人が見つかることとともに
冥福を祈ろう。





ayacolepan 第1号

2008-01-21 10:39:25 | Weblog
ホームベーカリーで
初!自家製パンを作ってみた。
もっちりパンコースと
フランスパンコースの2種。

所要時間3時間。

むくむくむくむく

ふくらむ  ふくらむ

パン種と女の希望。

いい匂いが家中に充満する。

3heures apres

ヴァラーーーvoila!

ほらね。

家人もにっこり 
Bonne dimanche!

アメフォン

2008-01-20 01:01:03 | Weblog
久々にアメフォンとミーティング。

2年前にamephone指揮のもと制作した
ayacollette & the setouchi authentics
リリースについての打ち合わせ。

彼が頭に描いてきたジャケットのイメージは
ダニエルシュミットの映画
「ラ・パロマ」に出てくる黄色いバラ。
偶然にも今日黄色いカーディガンを着てきたわたし。
黄色がポイントカラーという予感。

映画、大好きなフランス女優 ビュル・オジェ
来日していた話などなど・・(会いたかった・・)

ところで、アメフォンファンのみなさま。
お待たせしました。

ayacollette & the setouchi authentics
今年中にみなさまにお目見えすることでしょう。

おたのしみに。

1℃

2008-01-19 15:11:01 | Weblog
吉祥寺で27日藤野芸術の家 録音のためのリハ

ドラム 菅沼雄太くんをお迎えして

感のいい彼。曲をしっかり頭に入れてきてくれた。

歌もいいのでコーラスもつけてもらうことにした。

叩きながら歌うって器用だなぁ。

スタジオから夜の11時に出てみると

駅前の電光掲示板は2℃

あ、2℃だ。と

家人が言ったとたんに

1℃に点滅・・



もうすぐ氷点下。

凍りつきそうな空気の中

青春時代を過ごした
懐かしい吉祥寺の街を急ぐ。

レーベルが2年かけて
わたしのためにしてくれたことの
積み重ねが今度のアルバム制作に繋がった。

このことは忘れてはいけない。

ありがたいなぁ。

外は寒くても
人の心は温かい。
どんなに寒い街の中でも
これが私をどんなに温かくしてくれることか。

エジプト青年の夢

2008-01-17 23:42:01 | Weblog
FRANCE2のニュースを最近よく見ている。

時々、ありえないニュースが
放送されている。

ヨセフ 男 17才 エジプト人(移民 フランス在住)

アフリカに行きたくて
飛行機に乗り込んだ。

そこまではよくある話。

だが、彼が乗り込んだところは
飛行機の外。
車輪が出入りするあたり。
ちょうど人が入れるくらいのスペースがある。

ヨセフというエジプトの青年は
そこにつかまってアフリカに
本気で行こうと思ったのだ。

空の上は
-56℃ 酸素もない。
当然
彼はすぐに凍死し墜落。
飛行場の近くで遺体で発見された。

こんなことが
ほんとにあるのだ・・
それも1件や2件ではないというから
驚きだ。

本気で青年はアフリカに
行こうと思ったのだ。
ただで行けると思ったのだ。

笑い話のようなほんとの話。

彼は教育を受けていなかったのだろうか・・

移民の多いパリでは
文字の読めない若いアフリカ女性に
会った事があるから
あながちありえない話でない。

飛行機につかまって
アフリカに帰ろうと
思ったかもしれない
青年の命は彼の夢と共に
虫けらのように
空に散ったのだ。

なんて切ない話。

ナポリを見てから・・

2008-01-16 08:31:53 | Weblog
ナポリを見てから死ね。という言葉があるほど
ナポリは風光明媚な土地だというが

今、現在のナポリは

ナポリを見たら死ぬ・・ 

らしいのだ。


嘆かわしい原因は ゴミ!

ナポリ市のゴミ埋立地が
いっぱいになってしまい
ゴミを棄てるところがなくなってしまったというのが
その原因らしい。
驚くべきことに
焼却施設がナポリにはなかった。
すべて埋め立てていたのだ。
さっさと焼却施設を作りなさいよ・・と思うが
ゴミ問題に関してはマフィア
絡んでいるらしく
簡単に事が進まない状況なのだ。

市民達はゴミを置くところがなく
仕方なく街にゴミを置く、置く、置く・・
燃やす、燃やす・・
排出されるダイオキシン。

日本人が行くような観光地は
きれいですよ、大丈夫ですよ。と
観光局は言っているが
ダイオキシンが撒き散らされている
今は行かないのがベターだ。

あまりの臭さに
鼻を押さえて道を歩く市民。
学校も閉鎖され・・

おぉ・・なんということか。

ナポリを見たら死ぬ・・・

というのは本当だったのだ。

FRANCE2で見たニュースは
日本でも昨日ワイドショーでやっていた。
ゴミ問題は人事じゃない。

ショパン幻想即興曲

2008-01-13 14:53:16 | Weblog
ピアノ熱再来

ヴェーゼンドルファー
年明けに弾いてから
ますます高まる。

最近はいつも手慣らしに
CHOPINの幻想即興曲から弾き始める。

浅田真央ちゃんが
2007GPFフリープログラムの曲として
使っていた曲。
荒川静香さんもトリノオリンピック
ショートプログラムで使っていた)
みんなこの曲が好きなのね。

どこまでも突き抜ける疾走感と
ロマンチシズムがあいまって
この曲の虜になる人が多いのは
よくわかる。

弾けば弾くほど
よいピアノを手に入れたいと思う。

3年後に引越しが決まっているので
その時に買うならチャンス。

先立つものを蓄えなければ・・
欲しいピアノはPETROFか中古のドイツピアノか・・
ヴェーゼンドルファーは無理にしても
高級外車が1台も買えようか・・という
値段だったりするのだ・・