ケイの読書日記

個人が書く書評

岸本葉子「がんから5年」

2008-07-12 13:44:23 | Weblog
 がんというのは手術でがんを取っても、転移している可能性があり、5年経って再発しなかったら、そこで初めて治りました、と言えるらしい。

 岸本さんが40歳でがんを告知され、5年後に主治医に「治りました」と言われるまでの記録。

 今ってほとんど告知するんだね。昔は家族が本人に代わって医者からがんと告知され、本人に知らせるかどうか迷った、という話をよく聞いたが。
 確かにその方が治療方針は立てやすい。

 遅かれ早かれ人間はいつかは死ぬのだから、勇気を持ってがんに立ち向かえと言うのは、健康だからこそ言えるのであって、がんの告知を受けた患者さんの頭の中はパニックだろう。

 それにしても、岸本さん、一人でよく頑張ったなぁと感動する。それとも一人だから家族に寄りかかれない分だけ、自分がしっかりしなくちゃと余計気が張ったんだろうか。
 本当に見事な精神力である。

 この本の中で、岸本さんの執刀医の竹中先生が「僕が手術した最高齢が直腸がんの患者さんで97歳だった」という話をしている。
 がんばるなあ、すごいなぁ、この97歳の生に対する執着心を見よ!! 年間3万人を超す自殺者にも見習ってもらいたい。

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