ケイの読書日記

個人が書く書評

たかぎなおこ 「ひとりぐらしも何年め?」 メディアファクトリー

2017-09-05 10:41:18 | たかぎなおこ
 なんと! たかぎさんは、一人暮らしも18年めだそうです。(このコミックエッセイが出た2015年の時には)
 コミックエッセイって、絵の専門教育を受けてなくても描いてる人いるけど、たかぎさんは、美術短大に行って、その後美術の専門学校に行ってるので、上手です。

 上京してからの5年半、狭いワンルームに住んでいたたかぎさんですが、その辺の事は、以前読んだ『浮草ディズ』に書いてあって、苦労した事を知っているので、勝手に親近感を持っています。
 イラストレーターとして勤めていた広告代理店を辞め、東京で一旗揚げようと上京してきたのに、なかなか芽が出ず、バイトで生活費を稼ぐのが精一杯の日々。(絵で生活しようとしてる人は本当に多いのです)
 家族は地元に帰って来いというし、今日も参加したコンペでは不採用だし、くじけそうな時、大手出版社の人から電話が…。たかぎさんが書いているブログをコミックエッセイとして本にしないかと言われ…。それからは、とんとん拍子。恋愛要素は全くないが、一種の東京サクセスストーリーです。

 本書の中に『預かりネコ暮らし』が2編入っています。担当さんが、出張や旅行に行く時、飼い猫をたかぎさんに預けるのです。1回目のネコはココにゃん。10歳のスコティッシュの女の子。2回目はモモタ。2歳のミックスの男の子。たかぎさんのマンガもかわいいが、フォトメモが付いていて、それが本当に可愛いのなんのって!! モモタはまだ2歳だから、スレンダーだけど、ココにゃんは立派な中年なので貫禄あります。
 太ったネコは皆そうなのかなぁ?我が家のネコ、みぃ太郎(11歳)も仰向けで寝るのが好き。おなかのフワフワな腹毛の気持ちよさそうな事! ココにゃんは、お腹がすくと頭突きで知らせるそうですが、うちのみぃ太郎は、私の顔を引っかいてきます。大変です。

 もう一つ印象に残ったのが、たかぎさん、仕事場としてシェアオフィスを借りた事。ほとんどの物書きが(経済的に余裕があれば)自宅と別に仕事場を借りてるんじゃないかな?やっぱり自宅だと、いろんな雑事があって、仕事に集中できないよね。
 オフとオンの切り替えは大事。
 私は、シェアオフィスというと、一つの特定の部屋か机を借りると思っていましたが、そうではない所も多いらしい。
 たかぎさんが借りたのは、固定席ではなく、空いてる席に自由に座っていいというシステムの所。料金は月に15000円で使い放題。飲食コーナーもあり、軽食が買えるし、お弁当を持ってきてもいい。
 しかし、それなら客が少ない時間を狙って、ファミレスで仕事しても良いような…。ファミレスで仕事している物書きもどっさりいると思う。
 ちなみに、たかぎさんは週3回ほどのペースで通ったそうですが、そうすると月に12回。15000円を12で割ると1250円。1回1250円をシェアオフィスに払うんだったら、ファミレスでご飯とドリンクバーを注文して、ゆったり仕事した方が、お得な気がする。
 ああ、こんなチマチマした事、考えながら読んでました。

 たかぎさんは、その後、知人が借りた事務所を一緒に使う事になり、仕事場がうんと広くなり、新しいカレもできてゴキゲンだそうです。めでたしめでたし。

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