ケイの読書日記

個人が書く書評

谷口桂子「一寸先は光」

2012-01-21 13:34:20 | Weblog
 派遣切りにあい、彼にも振られ、家賃が払えなくなってアパートを追い出されたミサキは、途方にくれたが、高校時代の友人に助けられ、彼女が経営する遺品整理屋でアルバイトする事になる。

 ある日、49才で孤独死した女性の部屋を片付けながら、彼女の人生に思いを巡らせる。 かつては、キャビンアテンダントとして、颯爽と大空を飛び回り華々しく働いた彼女。
 CAをやめ、アメリカに留学、資格を取って愛人と共同で青山に事務所をかまえ、マスコミにも取り上げられ輝いていた彼女。

 その彼女が死んだというのに、誰一人駆けつける訳でもなく、お葬式すらあげなかったようだ。実家にさえ遺骨の引取りを拒否されたらしい。
 いったい、なぜ?

 ミサキは、彼女のために泣いてくれる人を探し始める。


 この主人公・ミサキがカラッとした性格に書かれているせいか、じめついた話にはなっていないが…これは、今、問題になっている無縁社会や孤独死を取り扱っている深刻な話ですね。

 一人暮らしをしている場合、職を失うとなかなか人とつながるのは難しい。友人もいるだろうが、子供の頃のように連れ立って遊ぶ事も少なくなるし、無職になると引け目を感じて連絡しづらい。

 実家も、親が元気なうちは気軽に帰省できるだろうけど、親が亡くなり兄夫婦(弟夫婦)の代になると、迷惑がられたり。
 分かるよ。その気持ち。お嫁さんの立場になれば、私でもそう思うかもしれない。

 だから、それに代わる縁を見つけるしかないんだろう。自分から踏み出して。






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