心はいつも旅の空

ひとり旅、フォークソングなど、心癒される瞬間をテーマとして、思いのままに書き綴るブログです。

奈良漬アイス

2010年06月05日 23時37分36秒 | ある日のできごと
平城遷都1300年祭会場に行ったら、奈良漬アイスの最中版を食べよう!おいしかった!
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突然ではありますが、「高里町役場殺人事件」を終わります!

2010年06月01日 23時07分13秒 | ある日のできごと
作者の都合により、可愛がっていただきました「高里町役場殺人事件」を終えることといたしました。ご愛読いただきましたみなさまに心から感謝申し上げます。

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雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ

2010年05月25日 22時36分51秒 | ある日のできごと
雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ

毎日、人より早く出勤し執務室の掃除をし
みんなが出勤するまでに、朝刊を取り出し、
政治面、社説、国際面と目を通して社会の移り変わりをいち早く察知する。

常に周りの人たちが与えられた仕事に全力投球できるために気配りを怠らず、
絶えず、法令や条例違反に目を凝らし、
発見すれば例外なくすぐさまこれを排除すると共に、
上司や周囲と力を合わせて再発防止策を講じる。

周囲の人たちの顔を見渡し、その場の険しさやうっとうしさを察知すれば、
ジョークのひとつも飛ばし、その場の空気を和らげ、
昼休みには、スポーツウエアーに着替えて
健康のために運動場を駆け巡り、滝のような汗をかく。

午後には睡魔との闘いに打ち勝つためにより一層の気合をいれ、
来庁されたお客様には常に望まれていることが何かを
的確にかつ迅速に把握する努力を惜しまない。

お客さまのお話をお聞きすれば、すぐさま予算を投じての解決策を考え、
予算が無いときには、精一杯の行動で期待に応えること、
予算も行動でもお応えできない場合は、一緒に声をあげて嘆くことを忘れない。

夕方の執務時間の終了ベルも我関せず、
ただひたむきに今日こなすことができなかった仕事や、
明日の日の為に準備することを考え、時間を惜しまず残業し、
帰る際には自宅のご近所のみなさまに明日以降の役場での御用を
聞かせていただける、


というような…………そんな職員にわたしもなりたい!ん〜ん

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ちょっと、そんな呼び方しないでください!

2010年05月22日 23時25分41秒 | ある日のできごと
自分のこと、どんな風に呼ばれたいですか?

○○君、○○さん、ごく自然で気持ちがいいですね、まあ、人によってはよそよそしいと、
感じてしまう人もいるかも知れませんが…

一番いやなのは、「お前」でしょうね… 全く見下げられているとしか感じませんものね…

普段の職場や、全うな関係ではまずこの呼び方はないでしょうね…
(ご主人に、お前と呼ばれてみたいという古風な趣味を持つ女性の価値観は別ですよ!)

この「お前」より少々やわらかく聞こえるものの、「お前」と同様、やはり不快感があるのは…「アンタ」なのです。

僕知ってます!殆どの人に面と向かって「アンタ」と平気で呼ぶ人を… これって腹立ちますわ!
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ミステリー作戦タイム

2010年05月21日 00時20分16秒 | ある日のできごと
頭を休めて、作戦タイム
画像は、大阪のチンチン電車 阪堺電車です。
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高里町役場殺人事件 その14 車イスの散歩

2010年05月08日 08時24分27秒 | ある日のできごと
「あれ、また工事するの?」

「ついこの前も工事をやってたよね…?」

公園である朝のゲートボール会場に向かう初老の女性たちのやりとりである。

現場100回の原則で、今日も佐竹は例のカニツアーバスの出発地点である、役場駐車場にたっていたた。

高里町役場の駐車場の一角には、戦後、この地方の復興に貢献したといわれる元参議院議員の熊沢光太郎氏の胸像がある。胸像の前には近く工事のため、この中に立ち入らないでくださいとの表示があった。

「確かこの前に除幕式終わったよね…」

「そうそう、うちのお父さんも出席したもん」

「どこをどう工事するんやろね」

「わからんね… 」

しかし、バリケードで囲まれた胸像の周りのコンクリート敷きを見ていると、もちろん乾いてはいるものの、猫とも犬とも言えぬ足跡が無数についていることが分かる。おまけに複数の自転車のタイヤあとも…

「ああ、これやね… この足跡…」

「そりゃ、工事やり直しせんとね…」

二人の女性が立ち去った後、佐竹はこのコンクリート敷きのスペースを覗いてみることにした。

確かに、見過ごせないこともないが、関係者にしてみればおもしろくない動物の足跡であるし、自転車のタイヤ痕でもあった。

ちょうど2坪半くらい胸像敷地の周りを歩いてみて見ると、先の工事期間をしめした注意書きの看板が放置されていた。それによると、工事の終了を2月10日までとし「ここに立ち入らないでください」との施工主の意思表示がされている。

佐竹は2月10日という日にひっかかった。調べてみるとこの胸像の除幕式は2月11日。
それまでにコンクリートが乾かないうちに、何者かまた何物かが、侵入もしくは闖入したのであることが推測できる。

2月10日…バスの出発した日、つまりあの事件の日。その日に犬や猫の闖入があったことも十分考えられる。

もちろん、佐竹の思考の先には犬や猫はなかったが、自転車のタイヤ痕が気になった。

ほぼ80センチの感覚を明けて、2台の自転車が仲良くこのコンクリート式に侵入することは不自然であるけど、これが車イスのタイヤであるとするならば大いに考えられる…

佐竹は、このタイヤ痕を鑑識と共に調べることとした。

後日、鑑識からの調査結果が報告され、このタイヤ痕はやはり比較的太い構造の車イスのものであり、おおまかな車種まで特定することは可能であるとの報告がもたらされた。

……

佐竹は、初めて伊勢尾の家を訪問することにした。

「伊勢尾さん、たびたび申し訳ないのですが…」

「あ、いいですよ」

「お嬢さんの車椅子を押しての散歩は日課ですが?」

「そうですね…一日一回はするようにしています。本人の楽しみですからね…」

「だいたいこのような日差しがあって、気持ちの良い時間帯になりますよね…」

「いえいえ、なかなかそうはいかないんですよ。勤めがありますしね… ま、夕方が多いですね」

「朝の散歩もいいんじゃないですか?」

(一瞬変わった表情がそこにはあったように見受けられた。)

「いえ、それはありません。娘が肺炎などを引き起こすと大変ですからね…」

「じゃ、冬場の早朝なんてことは…」

(もう一度、伊勢尾の表情がこわばるのを佐竹は見て取った。)

「…ん、ありえません!」

これだけの会話をして佐竹は伊勢尾邸を後にした。

動向した刑事は、玄関脇に停めてあった車椅子のタイヤ痕を採取することを忘れなかった。










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高里町役場殺人事件 その13 余裕綽々!

2010年05月02日 16時06分50秒 | ある日のできごと
高里町役場の裏には町民憩いの広場が広がる。建設当時に植えられた桜はようやくたくさんの花をつけ始め、3月も末の日曜日となると、地球温暖化のせいか、桜がほころび始め、たくさんの親子連れやカップルが押し寄せ、のんびりとした昼下がりを迎えていた。

そんな中、一台の車椅子を押す40歳近い男の方に桜の花びらが舞い落ちていた。
車椅子に乗っている女性は、頭こそ右に左に動かせているものの、その全体重を車椅子に預けているかのようでもあった。

「あの、伊勢尾さんですよね…?」

「は、はい、そうですが…」

「少しお話をうかがわせていただいてよろしいでしょうか…?」

「は、はい、いいですよ、このとおり娘と一緒なので短い時間なら…」

「単刀直入に申し上げますが、あなたは2月8日早朝、それから3月8日夕方、どちらにおられましたでしょうか…」

「あの〜、お話の趣旨がさっぱり分かりませんし、それにあなたはいったいどちら様なのでしょうか…?」

「あ、こりゃどうも…失礼しました。最近、役場の中に出入りしているもので、知っていただいているのかと思いまして、これはこれは失敬。…2月8日の川辺課長殺しと3月8日の、川辺課長夫人殺しを調べております、兵庫県和田山警察署の佐竹と申します。」

「あ、なるほど、それは僕のアリバイを調べているわけですよね…」

「ま、お気を悪くせんでください。」

「その切り込み方で気を悪くしないやつはいないんじゃないんですか?ちょっと待っていてくださいよ…。3月8日の早朝ならホテルに泊まってましたね…」

「ほー ご旅行か何かで?どちらのホテルかをお話してくだされば、宿泊名簿などを調べさせていただきますが…」

「いや、弱ったなあ、旅行ではないんですよ。宿泊名簿っていいましてもね、その、いわゆる、ん〜ん、ラブホテルなんですよね…」

「ラブホテル?あ、そりゃ失敬しました!…宿泊名簿も無いわけだ…。それを証明していただく方は… つまり一緒にベッドインされてた方、立ち入ってすいません!」

「ん、困りましたね、プライバシーにかかわることと、言いたいんですが、その相手の女性が、もうこの世にいないのです!」

「え、もしかして、川辺課長夫人…???」

「そうなんですよ!」

「だから、どうしようもないのです。」

「ん〜ん」

「だから、刑事さん、僕の無実を証明してくれる人を僕が3月8日に殺害することもおかしいでしょ?」

「ん〜ん」

「では今日のところはこの辺で…」

伊勢尾は車椅子を再び押し始め、帰っていった…


「あの、もっと詳しく、ゆっくりと聞かせていただきたいのですが…」

「はい、はい、また今度、時間を作りますよ!」

佐竹には信じられないほど、伊勢尾は余裕綽々だった。

あの、人をのんだような笑い方、鋭い目とともに自信がにじみ出た伊勢尾に、佐竹はますます興味を抱くのだった。

つづく

…ここにお越しくださった、Nくん、Oくん、Yくん、Iくん、とっとと書き込みを残してね!…



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高里町役場殺人事件 その12 第2回合同捜査会議

2010年04月20日 18時43分18秒 | ある日のできごと
捜査会議に臨んで… つながったもの つながっていないもの…

つながったもの…
●バラ園に勤務しながら、役場の臨時職員として働く伊勢尾氏と川辺課長夫人
●伊勢尾氏と川辺課長夫人と藪田氏とヒ素を含む薬品
●川辺課長と伊勢尾氏の愛娘
●川辺課長及び夫人への伊勢尾氏の殺害動機

つながらなかったもの…
●カニツアーの参加者と真犯人
●川辺課長の死と川辺夫人の殺意
●川辺課長及び夫人の殺害時の伊勢尾氏の行動の詳細


和田山警察署で行われた第2回の合同捜査会議でこれまでの経緯が、主任捜査官の佐竹により報告された…

佐竹の描くストーリーは概ね次のとおりである。

第1の被害者である川辺課長は、前任地の大淀川町にある私立幼稚園で通園バスの
運転手をしていた。川辺課長は高里町役場でもそうであるように、
前任地の幼稚園でもその行動は破天荒であり、特に酒が絡む事件は後を絶たなかった。

今から15年前の冬の日の朝、夜明けまで深酒をしていた川辺課長は、
酒が当然抜け切ることなく、バスを運転した結果、柳の木公園前のバス停で
通園バスを待っていた園児を5人なぎ倒す形で接触し、5人に重軽傷を負わせた。
この中にバラ園勤務で高里町役場の臨時職員である伊勢尾氏の愛娘が含まれており、
当時は幸いかすり傷程度で済んだことから、園としても川辺氏に厳重注意ということで
済ませてしまったが、事故から一ヶ月経った日のこと、伊勢尾氏の娘は原因不明の頭痛、
嘔吐、めまいに襲われ、見る見るうちに正常な日常生活を送れなくなり、
総合病院の精密検査で1ヶ月前の交通事故の後遺症である可能性が
高いことが指摘されたものの、確たる因果関係を証明するにいたらす、
伊勢尾氏の園に対する申し入れは却下され、司法の判断も同等のものであった。
娘の状態は更に悪化の一途を辿り、失明、半身不随の車椅子の生活を余儀なくされた。

15年後の1月、愛娘と同い年の子どもたちが成人式を迎え、
まぶしいばかりの和服姿で歩いている姿を見たことにより、
川辺氏への殺意をしっかり抱いたものと推測される。

この後、伊勢尾氏は計画的に川辺課長夫人に近づき、来るべき日のために
ヒ素とハルシオン入りの薬を腰痛に効くといって飲ませるために、
川辺夫人とその兄を使ったものと推測できる。

その薬が殺害目的で運搬していた事実は藪田氏には見受けられない。

伊勢尾氏が川辺課長に手を下す動機なり、またその夫人の殺害に関与している可能性は
高いものと思われる。

伊勢尾氏はカニツアーのバスが2月8日の早朝、高里町役場を出発することを
相当前から聞きつけており、そのバスのトランクから最後部座席に針金を忍び込ませ
細工したこともほぼ間違いがないものの、その日のその時間のアリバイと共に
確たる証拠はまだ掴めていない。

また、共犯である川辺夫人の殺害時の件についても状況証拠は揃っているものの
まだ推測の域を脱することができず、今後、この2点については極秘裏に
かつ集中的に捜査が続行する。   つづく

………ブログに訪れたみなさんは、コメントを残してください………

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高里町役場殺人事件 その11 バスのトランク

2010年04月18日 10時20分45秒 | ある日のできごと
会田は、カニシーズンも終わった春の平日、少々閑散としつつある旅館の前で、例の犯行現場となったバスを入念に調べた。もちろん初めてではない。川辺課長が死んでいた最後部のシートを特に入念に調べていた。

もちろん、バスの外回りも… ふと気がついたことだが普通バスの側面についているトランクが無い。あ、そうか… 乗用タイプと同じように、後ろのトランクにゆとりをもたせているのか…?

後ろのトランクを開ける。全然狭い、これじゃ、お土産のカニを積んでかえるスペースが無いよな… そのトランクの形状は実に狭く、このトランクはバスの最後部の座席によって、仕切りが成されているタイプなのである。

中を覗いて見ると、バスのシートだけでなく、シートのマクラ部分も覗けるタイプである。
会田は、バスの点検に立ち会ってくれた運転手に頼んで、川辺課長が座っていたように腰を掛けてもらうことにした。なるほど、このトランクから座っている人の首まで見えて、トランクを通じて仕掛けや工夫をすることが可能だ!ということに気がついた。

あらかじめ、このバスのトランクから川辺課長が座るであろうシートに大きな輪を作ってバスの床に広げておき、川辺課長が腰を掛けると同時に、徐々にその輪を首あたりで狭めておいて、出発間際に絞める!シートに深く腰を掛けてから熟睡する川辺課長にはそんな仕掛けを知る由もない!…なるほど!

捜査会議の前日、会田はその京丹後市での成果を佐竹に報告をしていた!

「うん、うん、なるほど… でも会田君、その針金のような輪に川辺氏が入ったとしても、それが首あたりに、ピタリとはまらないことには計画は台無しだよな…」

「そんな時は、いったん計画は中止して、針金だけを車内から抜き去ればいい。現にその針金は今回車内では見つかっていない。」

「なるほど、ということはバスの外からその針金を仕掛けて、犯行後、抜き去った者がいるってことだな…?」

「はい、そうです!」

「ということは、犯人はカニツアーの面々の中にはいない。」

「はい、そうなります!」

「犯人はバスの外で、長い針金の両端を持っていた…ってことか?」

「いえ、それではあまりにも危険すぎます。片方をガードレールの支柱や木にくくりつけておいたと考えるのが妥当だと思います。」

「明日の午後の捜査会議で報告したい!悪いがこれから高里へ走ろう!付き合ってくれ…」

「はい!」

会田は疲れてはいるものの、その声には張りがあった!自分の目でそれを確かめて見たいという衝動が走っていた…つづく

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高里町役場殺人事件 その10 娘の晴れ姿

2010年04月07日 23時41分48秒 | ある日のできごと
後藤田老人は、伊勢尾の遠縁に当たる存在でもあり、また、伊勢尾とも昔から家族ぐるみの付き合いであったようだった。

伊勢尾の娘静香は交通事故による後遺症で、5歳の頃から車椅子の生活を余儀なくされ、単に肢体が不自由であるだけでなく、その事故の後遺症で知的障害を併発しその人生は大きく歪められたというのだ。

5歳の頃、自宅付近で近所の子どもたちと幼稚園への登園バスを待っているとき、その列に猛烈なスピードで飛び込んできたゾウをかたちどったいつものバスは、いつしか凶器のバスに変身していたのだった。
近所の誰もが急ブレーキの音を聞きつけ家から飛び出した… その時には数名の幼稚園児が舗道や車道に横たわっていた状態だった。

大きなブレーキ音がきしむ事故であったものの、幸か不幸か、子どもたちはかすり傷程度で済んだ。その中で一番怪我がひどかった伊勢尾の娘でさえも足を骨折した程度のことで難を逃れたかに見えた。

幼稚園バスを運転していた男は、そんなことから厳重注意程度で雇い主である幼稚園と被害者である家族との間で示談が成立していた。この事故は次第に沈静化の方向に向かうこととなった。

しかし、この事故を境にあの日ゾウの形をしたバスが自分に迫ってきたことがよほど怖かったのか、伊勢尾の娘の静香は、一切口を聞かない子どもになってしまい、後日分かったことだが、頭は強く打ったり、脊髄に損傷を与えたことも明らかになり、静香は幼稚園に登園することはおろか、日常生活を送ることさえも困難な日を重ねることとなったというのだ。

しかも、事故直後には分からなかったものの、そのバスの運転手は早朝であるにもかかわらず、大量の酒を飲んでいたとの周りの証言もあり、事故から一ヶ月も経ってから、悪質極まりない事故により、ひとりの少女の人生がめちゃくちゃに壊されることとなったということだった。

後藤田老人は、当時自分の孫のように静香ちゃんを可愛がっていたこともあり、この幼稚園バスの運転手の男が許せないという表現をしきりに使った。

静香ちゃんは今年1月、元気であれば同級生たちとの成人式に晴れ着を着て臨んでいたことを思えば、伊勢尾本人はいうに及ばず、後藤田老人でさえも怒りを新たにすることとなったようだった…

佐竹はこの日のうちに、兵庫県和田山警察に帰り、その二日後に行われる捜査会議への報告資料をまとめることとしていた。

佐竹の部下会田は、佐竹の命により、あの日、カニツアーの面々が乗車していたバスを調べるために京丹後市の旅館を訪れ、車中を再度念入りに調べることで課長が殺された瞬間の実況見分を自分の推理に基づいて行っていた。

明日の捜査会議には、奈良の高里警察からも3人の捜査員が出席することとなっていた。佐竹も会田もこの会議に期すものがあった。つづく

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高里町役場殺人事件 その9 驚きのバラ園

2010年04月01日 22時49分21秒 | ある日のできごと
吉井ストアの従業員食堂の片隅で、店長立会いのもと、後藤幸恵と佐伯京子が和田山警察の佐竹の質問に答えていた。

「その役場の、いやバラ園の伊勢尾さんなんですが、みのりさんと逢っていた様子を教えてほしいのですが…」

「様子ねえ〜 どうってこと無いわよねえ…」

「だって、その怪しいっておっしゃっていましたよね…」

「あれは、あたしたちが言ってるんじゃなくって…」

「誰が言っているんですか…」

「誰って、ねえ…み〜んなが言っているわよねえ…」

(「相変わらず… いい加減な噂話を好き勝手に広げている」佐竹は呆れ顔だった!)

「でも、あれだけくっついて泣いたり笑ったりしているとねえ…」

「ほお〜 そうなんですか?でも、何か親身になって相談に乗っていただけなんじゃないんですか…」

「そんなことはないわ、あれは絶対に怪しいわよ ねえ…?」

(案の定、佐竹がふんだとおり、二人はあまのじゃくであり、その後はぺらぺら終わりのないマシンガントークの世界となった。)

その結果、二人は一週間に1度から2度、彼女が早番の日に限って夕方店の通用口で人目を避けながら逢っており、時には抱擁してキッスを目撃されていることも一度や2度ではなかったようだった。

ある日、彼女たちが逢っていた足元に白い粉の撒き散らされており、白い紙が幾人もの人に踏みにじられていた日のことも明らかになった。

もうそれは一ヶ月近く前のことであるものの、佐竹はその職員通用口付近に閉店後、鑑識を派遣しその白い粉の成分の反応があるものか無いものかを確認することとした。

鑑識は、約一ヶ月前の白い粉の痕跡を見逃しはしなかった。やはりここでもわずかばかりのヒ素の反応が現れた。

捜査本部は一気に色めきだって、バラ園の手伝いであり、伊勢尾敏之の動向に興味を持ち始めた。

次の日、佐竹は思い切ってバラ園を尋ねてみることにした。

あいにくバラ園には伊勢尾の姿はなかった。あいにくというよりこれが幸いでもあった。

佐竹は、バラ園の経営者である老人の後藤田誠之助に、園芸の手ほどきを教えて欲しいという客と言ってその指導を乞うマニアを装った。

ひとしきり、バラの手入れについて話を聞いた佐竹は、

「伊勢尾さんのお子さん、もう大きくなられたんでしょうね…」

「あれ、伊勢尾さんのこと知っておられたの… ん、大きくなってもあの体じゃねえ…」

「うん、うん、まだ良くない?」

「一生、車椅子やもんねえ…」

「そうか… 可愛そうだね… ま事故っていえば、しょうがないものねえ…」

「事故?ふん、あんなの事故なもんか!ありゃ、殺人じゃ… 人殺しじゃ…」

「人殺し?」

「ああ、人殺しじゃ、何度でも言ってやる!」

(さっきまでの穏やかな老人の姿は、もうそこにはなかった。)

(佐竹はその老人のその言葉と、鬼のような形相に唖然としていた!)

つづく

【お立ち寄りいただいた方は、どうか、その足跡をコメントとして残してください。】





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奈良・法華寺へ

2010年03月28日 06時35分14秒 | ある日のできごと
誰かに奈良を案内するとき、連れてきてあげたいところがまたひとつ増えました。
それは、法華寺です。聖武天皇のお妃である光明天皇は身分の上下にかかわらず、飢えや病気に苦しむ庶民に手を差し伸べられた方として有名であり、独特な薬草風呂(蒸し風呂)を振舞われたらしいです。

総国分尼寺として全国の尼僧の根本道場として存在感をもち、また天皇家にゆかりのある門跡寺院として格調高い寺、これが法華寺です。
お堂や十一面観音さま(この観音様は光明皇后をモデルにした…)も素晴らしいのですが、境内や庭園に咲く花は、心を和ませてくれました。
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春が来ましたよ!桜が咲きそうです…

2010年03月27日 23時59分52秒 | ある日のできごと
雨続きの春三月も終盤。今日は快晴でもあり、奈良方面へ用事も兼ねて家内と散策をしてまいりました。
桜など、春の代表格の花々がそれぞれいまやおそしと、その準備を終えて境内においでになった方々に、愛想を振りまいているかのようでした。
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高里町役場殺人事件 その8 バラの花を手にした男

2010年03月27日 00時17分57秒 | ある日のできごと
殺人事件があった吉井ストアは、あれから2週間過ぎた後の日曜日。あんな恐ろしい事件があったとは思えないくらい、平穏でなおかつ活気のあふれる午後を迎えていた。

川辺みのりが殺害された洗面所には赤いバラの花が、その事件の暗い雰囲気を塗り替えたい目的で飾られていたものの、そのバラが死んだ彼女の好きだった花だと知っているほかの女性店員からは、返って物悲しいさがその空間を漂っているかのようにも感じられると不評でもあった。

超過密な時間を終えた、幸恵と京子が二人並んで鏡に向かい、化粧直しをしながら雑談をすることが日課だった。

「バラの花か…、みのりが好きだったものね…」
「そうね、それってあの日のことを言ってるの?」
「あの日って?」
「去年の暮れのみのりの誕生日の日のこと…」

「そうそう、彼女、自慢していたものね… ご主人、顔に似合わず、おしゃれなところがあるのね?」
「馬鹿、何言ってるのよ!あのご主人が実りにバラの花を渡すはずがないじゃない!」
年上の幸恵は目を丸くしてあきれていた。

「え、違うの?あの日、お店の裏口でバラを持ってきた人、あの人がご主人じゃないの?」
京子は驚きを隠せなかった。

「違うわよ!」
「だってみのりのご主人は役場の人でしょ?」
「そうよ」
「あの日、バラの花持ってきた人、あれって役場の人だったわよ…、私てっきりご主人かと思っていたわ」

「あの人は、伊勢尾さん…」
「イセオさん?」
「そう、伊勢尾さん。ちょっと二枚目だけど、にやけていて… 私は嫌いなタイプね」
「あの人、役場にいない?」
「役場に?ああ、そういえばそうね、最近、臨時職員に採用されたわね…あの人はバラ園の手伝いもしている人なのよ」
「だから、バラの花か…」
「っていうか、みのりとは怪しい関係だったみたいよ…」

「そういえば、ちょくちょくお店の通用口に来てたわね。」
「うちのお店に、高里バラ園からお花を入れているしねえ。それにいつも彼女に何かそっと渡していたわね…」
「そう、美人は徳ね!お金もらってたのかな?」
「いつも何か、白い小さな包みだったような気がするわね…」

あの… すいません…

洗面所の影から掛けられた声に、二人は心臓が止まるぐらい驚かされた…

洗面所の外側には、店長と見知らぬコートの男が立っていた。

「あ、こちら警察の方…」
「兵庫県和田山警察の佐竹と申します。あまり大きな声だったものだから…ついつい聞いてしまったんですが…その、川辺みのりさんと伊勢尾さんのお話、詳しく聞かせてもらえないでしょうか…」

日曜日の夜、高里から和田山に帰ろうとしたとき、吉井ストアの事務所に立ち寄った、佐竹は実に偶然にも、耳寄りな情報を耳にすることができたと…そっと、ほくそ笑んでいた。
つづく

(お読みいただいた方は、その足跡をそっと残してくださいね…!ham)



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高里町役場殺人事件 その7 バスの運転手

2010年03月20日 17時24分57秒 | ある日のできごと
その1…川辺課長夫人に殺意があったのか、無かったのか…?
その2…川辺課長を「殺したい!」と思うほどの動機をもった者はどこにどれだけいるのか…?
その3…川辺課長は役場内外でどんな人生を歩んできたのか…?
その4…川辺課長夫人の交友関係…?

和田山警察署で行われた捜査会議では、これらの点を中心に捜査された中間報告があり、その結果を要約すると、次の通りであった。

その1…川辺課長と夫人との間では、夫婦間によくある軽易なトラブルが原因であり、それそのものに殺意をいだかせるようなことはなかった。

その2…川辺課長は役場の中では、大声を出して部下や同僚、場合よっては自身の上役である副町長にまで喧嘩越しが耐えなかった。自分の所管に関することで、他課との接点がある場合は必ず、些細なことでも自分の耳に入っているか入っていないかが重大事であり、無視されたかのように思う事案については、決して決裁をしなかったらしい。川辺課長にいじめられている風な職員といえば、例の藪田が真っ先にあげられるぐらいで、役場内部の聞き込みでは、殺人の動機につながるようなものはなにも無かったようである。

その3.川辺課長は課長になって10年選手であるが、採用は中途採用であり、45歳という高齢で、どんなコネクションを使って採用されたのか、また、昇進したのかは分からないが、とにかくなにもかもが、異例尽くしだったようだ。

川辺課長は、役場本庁に勤務するまでは、町内の私立保育園の通園バス運転手、老人ホームの送迎バス運転手などしており、勤務態度的には保育園の保護者や送迎バスの利用者との口論は頻繁にあったものの、これとて殺意が云々ということまで取り出されることではないらしい。


その4…川辺課長は無類の嫉妬深さをもっており、妻であるみのりさんの浮気(?)で衝突が絶えず、近所でも大声の喧嘩の内容は筒抜けであったらしい。みのりさんは高校の同級生との同窓会で、元カレと出会って以来、川辺課長の目を盗んで、逢瀬を重ねていたとの証言もあり、聞き込みではこの元カレからも話を聞いているようだが、元カレ曰く、「みのりが課長さんと結婚してからでも、俺以外の男と寝たのは、ひとりやふたりじゃねえよ。5人、6人、いや10人はいるんじゃねえの…」という証言もしている。

結果としては、なかなかつかみどころの無い捜査会議であった…
やれやれ… 佐竹はため息をつきたくなった。

ねえ、ねえ、ちょっと聞きたいんだけど…

はあ、
(佐竹とコンビを組んでいる、友村からも同様の疲労感が漂っていた…)

川辺課長は、バスの運転の方は確かなの?運転はうまいのかな?

え、老人ホームと保育園からの聞き込みでは、事故とか違反の報告は聞いていません。

その… 高里町内の運転履歴じゃなくって、もっと前も含めて…

そうですね、ちょっとそこんとこを重点的に調べてみます。

(次の日の夕方、例のごとく、高里町に派遣された友村は2時間半の道のりを帰ってきて)

佐竹さん、佐竹さん、分かりました!

ん、ん…

川辺課長は高里町以外でも幼稚園バスの運転をやっていて、そこは隣町の大淀川町なんですが、そこで大きな失敗をやらかしていますね…

へえ、どんな失敗?

酒を飲んで幼稚園バスを運転して、バスを待っていた園児の列にバスを突っ込ませてしまって、当時4歳の女の子に大怪我を負わせていますね…

ふ〜ん、そうか…

ずいぶん昔の話?

かれこれ20年も前になる話しらしいです。

(これこそ、殺意、動機がにじみ出るような、事故かも知れないな…)

佐竹は、心の中でつぶやいていた つづく











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