晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

梯久美子 『昭和二十年夏、僕は兵隊だった』

2014-09-23 16:37:55 | Weblog

 午前中に25kmラン、身体が疲れると眠たくなる。スタート時点で気温12℃、それが徐々に上昇して、昼には20℃に。涼しくなったと感じる。午後は、少し本を読む。今日は理想的な晴走雨読生活。そして、どちらに正義があろうが、戦争はしてはいかんと思う。

 

 『昭和二十年夏、僕は兵隊だった』(梯久美子著 角川書店 2009年刊)2014.9.23

 2013.1.26、27、このブログで映画『人間の條件』の感想を記した。旧軍隊内部の病理を題材とした映画で、現実をかなりリアリティに表現しているのではないかと思った。

 本書は、水木しげる、三国連太郎ら二十歳前後で戦場に送り込まれた兵士たちからの聞き取りである。敵との闘い、病との闘い、そして飢えとの闘いにおいて、同僚が次々と亡くなっていく現実。私たちは、戦争を経験していないので、映画のシーンや写真を思い出したりしながら、戦争の現実を想像することしかできない。

 一人ひとりの兵隊にも家族があり、友があり、こころがある。しかし、戦場では、それは員数であり、モノであり、消耗品の扱いである。

 2014. 8.24付け「集団的自衛権問題の核心」で、私は、「人を殺してはいけません、人など殺せませんと言っていた人たちが、親兄弟を守るため、やられたらやりかえせ、といった勇ましい言葉やムードの前に木っ端みじんに絡めとられてしまった歴史を持っているのではないか。」と書いた。

 本書を読むと、アへ首相が唱える集団的自衛権だろうが、個別的自衛権だろうが、一度戦争が始まってしまうと、終わりの無い負の連鎖が限りなく続くということがわかる。

 同じく、2014.8.29付けで、「終戦か、敗戦か」を書いたが、著者は、本書のまえがきの冒頭で、「昭和20年夏。戦争は、敗けて終わった。」と書いた。そう敗けて終わったのだ。

 

 

 


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