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アトサヌプリでの本当の硫黄採掘の姿-博物館網走監獄資料より

2009-09-13 | Abashiri Prison Museum-網走監獄関連

繰り返すが、アトサヌプリ硫黄山のレストハウス二階にある『ネイチャーホール』の展示を非難したいわけではない。
けれども、私が網走に来て知ったことと、あの展示内容は少し違うと思う。
私が聞いた、囚人のあれほど苛酷な労働について一行の紹介で済ませているのは、どうなのだろうと思う。
楽しい気持ちでやってくる観光客への配慮からかもしれない、地元に恩恵を与えてくれた大企業への感謝からなのかもしれない。それ以上に、観光客が減ってしまうのを懸念したのかもしれない。
けれど、やはり多くの人が真実を知る場をつくってほしい。
アトサヌプリ硫黄山での囚人の苛酷な姿を。


網走の博物館網走監獄に、『行刑資料館』という建物がある。
日本の、特に北海道の刑務所行政の歴史をまじめに解説してくれる建物だ。
建物の前の像は、足袋の足に足かせをつけた明治時代の囚人の姿を表している。


下に、釧路がある。釧路から少し上って、標茶(しべちゃ)。明治時代に釧路集治監が置かれた場所だ。そこから上に上がり、湖(屈斜路湖)のそばにあるのが、アトサヌプリ硫黄山。
そこからもっと上の青い部分がオホーツク海。
そのオホーツク海の近くにある茶色い建物が、最初釧路集治監の分監としてたてられた網走監獄だ。


-展示解説文-
 1885年(明治18年)11月10日、標茶町に囚徒700名を収容する
釧路集治監が創設されました。ここの囚徒に与えられる仕事は、川
湯 アトサヌプリ硫黄山の硫黄の採掘と、道路の開削工事でした。
 1886年(明治19年)標茶から約40km離れた アトサヌプリ硫黄山
に外役所(がいえきしょ)がつくられました。
 採掘した硫黄は、軽便鉄道で標茶の工場に運ばれ、精錬された後、
川蒸気船で釧路川を下り、釧路港から送り出されました。
 採掘作業は、硫黄の粉と亜硫酸ガスに目を犯されない者はいない
という悲惨なもので、栄養失調も重なって、両眼を失明する者が相
次ぎました。
 また、看守も囚徒も硫黄によって頭の働きが異常になり、もうろ
うとしたりイライラして起こる殺傷事件も続出したり、逃走者も耐


-展示解説文-
えなかったといわれています。
 こうして操業が始まってからわずか半年間に、囚徒 300名余りの
うち、45人が病み、42人が死亡しています。明治30年になって、合
葬するためこの地を掘りおこしたところ、でてきた遺骨は 300体に
もなり、その中には手錠をかけられたままの白骨もあったというこ
とです。
 このような囚人苦役の状況は、内地にある仮留監の囚徒にも聞こ
え、「北海道に行けば熊にくわれるか斬り殺される」とおびえられ
北海道への移送を拒み、反抗する気配まであったといわれます。


-展示解説文-
このような不安を持つ内地の囚徒を、説得し、引率したのは、当
時、仮留監の熱心なキリスト教戒師であった原胤昭(たねあき)で、自ら囚徒と
ともに北海道にきた原は、早速、集治監大井上輝前(てるちか)典獄とともに硫
黄山を視察しました。その悲惨さに二人は驚き、鉱山経営者との
契約期間を残したまま、1888年(明治21年)11月囚徒の使役は中止
させました。その後の囚徒の労役は、標茶、厚岸間や、硫黄山、網
走間の道路開削、屯田兵舎の建設、農地開墾などで次第に内役作業
へと移っていきました。
 1897年(明治30年) 英昭皇太后崩御による維新後初めての大赦
があり、多くの長期囚が放免されました。その後も、囚徒の数は減
少し続けたので、政府は、1901年(明治34年)に空知と釧路の集治
監を廃監し、釧路は網走分監に吸収されることとなりました。
--


2009年、私は博物館網走監獄の『博物館網走監獄友の会』の会員となり、
6月28日『釧路集治監を訪ねる旅』に参加した。
その旅でも、むろんアトサヌプリ硫黄山の外役所跡を見学した。
観光客が訪れる場所からほんの50メートルほど右側に行った場所だ。
私たちが行った時にも、建物の木材や、レンガ、ビンが割れたのかガラスなどを見つけることができた。




釧路集治監のあった標茶の共同墓地には、ふたつの集治監の囚人たちを弔う墓があった。
簡素な『合葬者之墓』とだけ掘られた墓石の側面には
自明治十八年
至明治二十九年 死亡三百九十三人
と、確かに彫られている。
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