功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

佳本周也の世界(1)『B-ON』

2017-07-11 22:58:09 | 日本映画とVシネマ
「B-ON」
「B→ON(ビーオン)」
製作:2009年

▼去る2007年、ある一本の映画が日本中を湧かせました。その作品の名は『クローズZERO』…これまで無数に作られてきた不良映画の最新モデルで、観客はイケメン俳優たちによる喧嘩アクションに魅了されました。
この成功によって不良映画が相次いで製作され、Vシネ業界もムーブメントに参戦。数十本にも上る『ガチバン』系列、『喧嘩の極意』シリーズなどが続々とリリースされていきます。
 そんな中、ベテランスタントマンである佳本周也もツッパリ戦線に参入を表明し、『クローズZERO』公開の同年にロマネプロモーションを発足。なんと自らの会社で不良映画の製作に乗り出したのです。
本作は佳本氏にとって初期の監督作であり、キャストはほぼ全員がコンプリート☆キッズ(佳本氏が代表を務める芸能プロダクション)所属のアクターで占められています。のちにシリーズ化もされ、不良映画ブームに大きな足跡を残しました。

■蘭城高校のトップに君臨する亜未巻土は、仲間たちと共に喧嘩三昧の日々を送っていた。しかし、何者かによって子供のヤンチャでは済まない事件が多発し、これを重く見た警察は1人の刑事を派遣する。
彼の名はギュウゾウ(電撃ネットワーク)。この地域をシメている蘭城高校に教師として赴任した彼は、亜未やその仲間たちに何度も接触。当の亜未たちは下級生と張り合ったり、ライバルの松梅高校と対峙したりと、奔放な不良ライフを満喫していた。
 だが伝説の不良であったギュウゾウは、お礼参りに現れた東下高校の連中を一喝して退けると、亜未たちに「ツッパってツッパってツッパリ通せ!だが誰にも迷惑かけんじゃねえぞ!」と熱弁するのだった。
一方、誰の派閥にも属さない狂犬・玖導成近は、東下高校の三下悪党・間島亮と結託。2人は蘭城と松梅の潰し合いを画策し、松梅高校や亜未の仲間を襲撃していく。
 第三者による介入を察知した亜未たちだったが、今度は松梅高校の2年トップ・彪芽立が襲撃された。そこで彼らは犯人捜しを決意し、東下高校と果ての無い抗争を展開する。
やがて亜未の前に玖導が、仲間たちの前に東下高校3年のトップ・佳本周也と上野山浩が現れた。遂に始まる一大決戦…果たして、ツッパリ通せるのはどっちだ!?

▲率直に述べると、本作はかなりラフな作りとなっています。収録環境の関係なのかセリフが聞き取りづらく、ロケ地は使い回しが多め。いきなり場面が途切れるような編集もあり、クオリティに関しては疑問が残ります。
しかし、登場人物たちの掛け合いはベタながらも悪くはなく、特に教師役であるギュウゾウの存在が光っていました。彼は飄々としていながら実は…というキャラクターで、なかなか動かない亜未に代わって物語をグイグイと引っ張っていきます。
決めるときはきちんと決めるし、最後は主人公を差し置いて美味しいところを掻っ攫うなど、彼は本作の実質的な主役と言っても良いかもしれません。その他にも特別出演のヒロシ…もとい清水宏次朗など、演技面ではサブキャストが存在感を発揮していました。

 これに対し、主人公を筆頭とした若手出演者たちはアクションで対抗。初っ端から亜未が超ロングな階段落ちを見せ、軽快な立ち回りで掴みのアクションを披露します。
特筆すべきは終盤のラストバトルで、それまで小競り合いレベルだった殺陣のボリュームが一気に爆発。亜未VS玖導では両者ともに伸びやかな蹴りを連発し、マーシャルアーツ的な動きも随所で見られました。
 一方で不良らしい喧嘩アクションは亜未の仲間たちが担当し、そこを佳本&上野山という強敵が引っ掻き回す展開に。この2人は亜未の元にも殴り込み、パワー型の佳本と軽業担当の上野山が襲いかかります。
さらに戦いはこれで終わらず、佳本&上野山を退けた亜未に玖導が奇襲を仕掛け、まさかの第2ラウンドが勃発! ちょっとグダついてる感がありますが、個人的にはなかなか楽しめた一戦でした。
 予算も無ければ独創的なアイディアも無い。しかし「俺たちもやってやるぜ!」という監督と出演者たちの熱気が伝わってきそうな一本。なんとなくショウ・ブラザースに対抗した独立プロ作品を彷彿させる…と例えるのは少々大袈裟でしょうか(汗
さて次回は、単なる不良というジャンルの型枠を超え、佳本監督が新たなタイプのアクション映画を模索します!
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