『燃えよデブゴン豚だカップル拳』

「燃えよデブゴン豚だカップル拳」
搏命箪刀奪命槍
Odd Couple
1978

●本作はサモハン＆劉家榮（リュー・チャーヨン）主演で、本編中に二人がそれぞれ別の役で一人二役を演じた意欲作でもある（監督は劉家榮）。
サモハン演じる剣の達人と劉家榮演じる槍の達人は長年のライバル。１年に一度、武林聖山で戦いを続けていたが、戦力が拮抗して決着が付かないまま、２人とも白髪のじいさんになっていた。このままではジリ貧だということで、両者は互いに弟子をとって、その弟子を戦わせることを提案する。
サモハン師匠が目をつけたのは若者の劉家榮（一人二役）。彼を弟子にしようと四苦八苦したが、彼の家を燃やして（！）恨みを買わせることで弟子にするのだった。一方、しもべの火星（マース）をつれて船着場へやってきた劉家榮師匠は、そこで輝く才能を垣間見せる若い船頭サモハン（一人二役）と出会い、うまく言いくるめて彼を弟子にする。
それから二人の師匠ははそれぞれの弟子の育成に努め、決戦のときを迎える運びとなった。
槍の使い手である若者劉家榮を探して町の食堂にやってきた若者サモハンは、女の子にイタズラを働く石天（ディーン・セキ）を懲らしめ、なんだかんだで二人の弟子は顔をあわせた。剣と槍の壮絶な討ち合いが続いたが、そこへとわって入った謎の一団が？
実は、若者劉家榮と若者サモハンを捕まえ、しもべの火星を殺害したこいつらの首領・梁家仁（リャン・カーヤン）はかつて洪金寶＆劉家榮両師匠にやられた経験があり、その復讐のために二人の弟子をさらったのだった。
弟子を助けるため、二人の師匠は敵陣に乗り込んだ。雑魚なんかは相手にならなかったものの、問題は梁家仁の強さだ。二人の師匠に復讐を誓った梁家仁は、これまでの間にメキメキと実力をつけ、加えて二人の師匠が昔より年を食っていたこともあり、戦いはやがて梁家仁のペースになっていく。
二人の師匠はもはやこれまでと悟り、二人の弟子を何とか逃がして壮絶な最期を遂げる。若者サモハンと若者劉家榮は、打倒梁家仁を誓って決戦の舞台に踊り出る！この戦い、果たしてどうなる？！
…と、色々書き綴っては来ましたが、このストーリー解説なんか無くても結構！
要は全編、サモハンと劉家榮がただひたすら闘うだけという、香港映画好きでないと耐えられない構成となっているのだ。逆に言えば、二人のすばらしいアクションが心ゆくまで堪能できるということでもある。脇を固めているのが陳龍や梁家仁や黄蝦といった達人ぞろいだったという事も影響しているのだろう。
かなりオススメ作品です。