現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

冤罪その2 弘前大教授夫人殺害事件

2008-12-07 23:06:40 | 社会問題
那須隆氏死去 えん罪事件の元服役囚(共同通信) - goo ニュース 

弘前大学教授夫人殺害事件で犯人とされ服役した那須隆氏が亡くなった。
事件から実に60年、85歳だった。
私が中3の頃だったろうか、『歴史読本』で「那須隆氏の父親が息子の
無実を信じて、裁判費用として、“源氏の白旗”など那須家重代の家宝
を売り払ってしまった」という記事を読んだ記憶がある。那須隆氏は
那須与一の直系の子孫ということで関心をもったのである。

その後1971年(S46)真犯人が名乗り出てきたので再審請求。
それでも無罪判決を得たのが6年後の1977年(S52)、実に
事件から28年だ。真犯人は時効で起訴されず。裁判とはかくも時間と
お金がかかるものという教材だ。ところが裁判はこれで終わらない。
家族の受けた苦しみに対して「国家賠償」を求める訴訟を起こすが、
最高裁で棄却。

なんということだ。犯人とされた物的証拠は、シャツの襟に被害者の
血痕が付着していたことだが、どうも「検察側が後で付けた捏造
だった可能性がある」と違法性を認めながら、国家は賠償責任なし
と知らんふり。これには怒りを覚える。

ところで、全部売り払ったはずの那須家重代の家宝だが、昨年2007年
10月に栃木県大田原市に「那須与一伝承館」がオープンし、那須隆氏は
そこの初代名誉館長となった由。伝承管には那須家から寄贈された約7百点
もの史料が展示されているとのこと。開館1年で1万8千人を超える来館者が
あった由。はて???だが、まずは安堵。一生を棒に振った、いや振られた
苦しみ、怒りに哀悼の念を捧げたい。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。