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暇なおじさん。
囲碁(四段)2013年10月取得、自炊本の作成、Excelマクロを利用したプログラム作成。

雪舞うバレンタイン

2014年02月14日 06時27分08秒 | 日記

  (天声人語)雪舞うバレンタイン

 暑さにせよ寒さにせよ、言っても仕方のないことを人はぼやく。その例に〈夏は又(また)冬がましじゃと言ひにけり〉と一句引用すれば、俳句好きの方からお叱りを受ける。江戸期の俳人、上島鬼貫(うえじまおにつら)の句は正しくは〈冬は又夏がましじゃと言ひにけり〉。寒暑のたびに胸に浮かぶが、どちらだったか忘れてしまう
▼調べると、この一句は「夏之部」にある。夏の暑さにうんざりしながら、寒い冬になれば今度は夏の方がよく思えるのだと、苦笑ぎみに自他を慰めたのだろうか。四季あるかぎり繰り返される愚痴である
▼そういえば、兼好法師が「家は夏向きに作るべし。冬はどんな所でも住める」と書いていた。徒然草の名高いくだりは夏に書いたのではないだろうか。冬なら逆になっていたのでは、と臆測してみる。もちろん素人の当てずっぽうである
▼さて、列島はまた広い範囲で雪らしい。バレンタインデー。金曜。そこへ雪が舞えば演出の妙だろうが、デートの小道具ですむかどうか。先週末に難儀をした首都圏のあたりでは、人はぐっと身構える
▼バレンタインといえば、日本では昔、チョコレートに「猪口令糖」の字をあてたこともあった。甘味に猪口はそぐわぬ当て字だが、洋酒入りがあったのだろうか。今は1人が年に約2キロを腹に収めるそうだ
▼近年は、「本命」や「義理」のほかに「自分へのご褒美チョコ」なるものが勢力拡大中らしい。寒暑に負けずに頑張る身を自らねぎらう。それもいい。春待つ一日によく似合う。



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