文科相松野博一の5/25参院文教科学委答弁は同日文科省前事務官記者会見発言を全て事実とすることになる

2017-05-26 11:49:51 | 政治

 ――文科省松野博一の5月25日参院文教科学委での「既に辞任された方なのでコメントする立場にはない」の答弁は「総理のご意向」文書の事実を証明――

 学校法人加計学園岡山理科大学が国家戦略特区指定を受けた愛媛県今治市に獣医学部新設の特定事業に応募し、認定された経緯を巡って安倍晋三が加計学園理事長加計孝太郎と30年来の腹心の友人であったこと、文科省と農水省が獣医学部新設の抑制政策を取っていたことに反する急ピッチな認定であったことなどから安倍晋三の意向が働いた便宜供与ではないかと疑う国会追及が続いていたが、朝日新聞が「総理のご意向」だとする1枚を含む文科省作成の複数枚の文書を2017年5月17日の朝刊で報じたことから、安倍晋三の意向が働いた便宜供与が俄然信憑性を持ち出した。

 勿論、政府側は全面的に否定した。文科省は5月19日の午前、その文書の存在の調査に取り掛かったと公表し、文科相の松野博一が5月19日の夕方の記者会見でその存在は確認できなかったと明らかにした。
 
 要するに文書に書いてある便宜供与を疑わせる経緯の全てを事実無根とした。

 そのような中で5月24日になって各マスコミが翌5月25日発売の週刊文春が「文書は間違いなく本物だ。大臣や自分への説明用として担当の高等教育局専門教育課が作成した」(産経ニュース)とする文科省前事務官の前川喜平の証言記事を載せると報じた。

 「総理のご意向」文書の政府側の否定に対する認定当時の文科省の事務次官の肯定に野党が飛びついたのだろう、5月25日の午前中に開催された参議院文教科学委員会でこの証言を取り上げ、追及したことを2017年5月25日付「NHK NEWS WEB」が伝えている。「YouTub」の動画から採録した質疑応答の発言と共に伝えることにする。      

 斎藤嘉隆民進党議員「(週刊文春に)部下から受け取った説明用の資料で間違いないという前川氏自身の証言が掲載されている。動かしようのない事実だと思うが、大臣の認識を伺いたい」

 松野博一「ご指摘のあった文書については文部科学省が該当する文書の存在が確認できなかったとの調査結果を公表しています。今ご指摘のあった一部週刊誌の内容に関して、本日発売のものでございますので、読み込んで精査しているわけではございませんが、既に辞職された方の発言なので、文部科学省としてコメントする立場にはございません」(YouTub

 NHK記事は松野博一の次の発言を解説する形で伝えているが、会話体に直してみる。

 松野博一「前川氏が在職していた時に、文書の存在については直接的にも間接的にも報告は無かった」

 民進党議員斎藤嘉隆は理事会で、「文科省前事務官前川喜平氏の参考人招致を求めたが、与党の理事に応じて貰えなかった。疚しいところがなければ、国民の疑念を晴らすためにも参考人招致に応じるべきだ」と言い、改めて参考人招致を求めたいと委員長に伝え、委員長は理事会に諮ってみると応じている。

 以上NHK記事とYouTub動画から紹介した松野博一自身の発言自体が安倍政権側が文書は事実無根だとしていることは事実無根であることを証明している。

 松野博一は言っている。「既に辞職された方の発言なので、文部科学省としてコメントする立場にはございません」

 文書が事実であるかどうかが争われている以上、「辞職された」されないは事実か否かには一切関係しない。書いてある事実が前事務官の辞職によって事実でなくなるという類いの文書ではない。文書を事実無根だとしているなら、「我々は調査したが、文書の存在は確認できなかったのだから、前事務次官が週刊誌に何をどう喋ろうと、全て事実無根だ」と、週刊誌を読まずとも記事自体を頭から全面否定しなければならないはずだ。

 なぜなら、文書を事実無根としている以上、週刊誌報道を頭から全面否定しないのは一貫性を欠くことになるからだ。文書も事実無根、前事務次官の証言もイコール事実無根として初めて一貫性を見せることができる。

 誰にでも一貫性を印象づけることができるそういった文脈での答弁ではなく、文科省の人間ではなくなったからコメントできないという、一貫性を与えることができない文脈の答弁で求められている全面否定を回避している。

 この頭から全面否定できない一貫性欠如の理由は文書に書いてあることが事実だからだろう。このことは次の発言からも証明できる。

 「前川氏が在職していた時に、文書の存在については直接的にも間接的にも報告は無かった」

 「報告は無かった」、だから文書は存在しないという理由付けの発言となっている。5月25日発売の週刊文春が記事にしているの前川喜平文科省前事務官の「文書は間違いなく本物だ。大臣や自分への説明用として担当の高等教育局専門教育課が作成した」としている証言からすると、高等教育局専門教育課から松野と前川喜平前事務官にそれぞれ別々に説明、もしくは報告を届ける形を取っているから、前川喜平前事務官から「報告は無かった」、だから文書は存在しないという理由付けとはならない。

 大体からして文書にしても上の部署に段階的に回して決裁や承認の判を得て、最終的にトップの決済、あるいは承認を得ていく経路を取る場合もあれば、一部部署が作成し、その部署が共有する必要がある幾つかの部署にそれぞれに配布して説明や報告をすることで用を足していく経路を取る場合もあるはずだから、「報告は無かった」ことを以って文書の存在を否定すること自体に無理がある。

 だが、理由にならない理由で文書の存在、そこに書いてある事実を否定しなければならない。逆の言い方をすると、理由になる理由で文書の存在、そこに書いてある事実を否定する発言となっていない。

 やはりこの経緯は文書の存在にしても、そこに書いてある事実にしても実際にあった出来事であることの証明としかならない。

 この参議院文教科学委員会の開催は午前中の約1時間47分のみで、午後に前川喜平氏自身が記者会見を開いて文書が事実であることを証言した。

 当然、その証言は全て事実として受け止めなければ、松野博一の5月25日参議院文教科学委員会での答弁同様、一貫性を欠くことになる。

 2017年5月25日付「NHK NEWS WEB」から記者会見の発言を纏めてみる。        

 前川喜平前事務次官「私が在職中に専門教育課で作成されて受け取り、共有していた文書であり、確実に存在していたものだ。私が発言をすることで文部科学省に混乱が生じることは大変申し訳ないが、あったものをなかったことにはできない。

 官邸、内閣官房、内閣府という政権中枢からの要請に逆らえない状況があると思う。実際にあった文書をなかったことにする、黒を白にしろと言われるようなことがずっと続いていて、職員は本当に気の毒だ。

 (特区制度のもとで今治市と加計学園が選考されたイキサツについて)結局押し切られ、事務次官だった私自身が負わねばならない責任は大きい。極めて薄弱な根拠で規制緩和が行われた。公平、公正であるべき行政の在り方が歪められたと思っている」

 そして証人喚問が決まった場合、「証人喚問があれば参ります」と述べたという。

 だが、自民党は証人喚問に反対している。このことも文書の存在が事実であり、そこに書いてある事実が実際の出来事であることの証明となる。正真正銘の事実でないなら、証人喚問の障害は何もない。却って事実無根の証明を果たすことができる。

 その証明が安倍晋三に対する便宜供与、あるいは政治的関与の疑惑を断ち切る絶好の機会ともなる。にも関わらず、証人喚問に応じない。一気に片付けようとはせずに、これまで同様にその場その場の否定で凌ごうとしている。
 
 いわば森友学園疑惑で同じ手を使っているように時間稼ぎで野党や世間の関心が薄れてウヤムヤになるのを待っている。文書が事実だからだ。

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