安倍晋三の東日本大震災発生日に合わせた毎年恒例2017年記者会見中止は復興遅れ隠し・復興政策失敗隠し

2017-03-13 10:18:37 | 政治

 安倍晋三が2012年12月就任以来、2011年の東日本大震災発生日3月11日合にわせて毎年恒例としていた記者会見を今年は中止した。

 理由は復興遅れ隠しなのは明らかである。復興遅れ隠しは復興政策の失敗隠しを意味する。

 2013年、2014年、2015年、2016年とこれまで計4回の記者会見を開き、「被災地の復興なくして日本の再生なし」、あるいは「福島の復興なくして日本の再生なし」と、復興を日本再生の優先課題とすることを力強く約束し、2020年東京パラ・オリンピックを「東北が復興を成し遂げた姿を世界に発信する機会とする」と2020年夏以前を復興完了期とすると同時に復興を世界への約束とし、それも単に元の姿に戻す原状回復ではなく、「世界のモデルとなるような新しい東北の創造に取り組む」と野心的な地域政策への挑戦を高々と掲げ、被災者が心に受けた傷を癒すにはインフラや住宅の復興のみならず、「人と人のつながりを守り、被災者が孤立することのないよう、地域の見守り体制」の構築にも重点を置くと同時に特に「子供たちへのケア」の必要不可欠性を訴え、「ハード面の復興のみならず、心の復興に一層力を入れていきます」と気配りある数々の約束を被災者や国民に向かってこれでもかと提示した。

 そして何度「復興を加速する」と宣言しただろうか。「安倍内閣におきましては、省庁の縦割りを排しながら現場主義を徹底し、政府一丸となって加速化に全力をあげました」(2014年3月10日)

 「何としても、復興を加速する。その決意のもと、総理就任以来、3年余りで30回近く、被災地に足を運んでまいりました」(2016年3月10日)

 だが、東日本大震災が6年目を迎えるに当たってマスコミが改めて取り上げ始めた復興に関わる報道を見ると、安倍晋三が勇ましく延々とファンファーレを鳴らし続けた約束事とは現状は程遠い。

 その報道の一つ、《復興「遅れている」「実感持てない」が6割に》NHK NEWS WEB/2017年3月6日 17時00分)記事から、そのアンケートを取り上げてみる。    

 NHKはPDF記事、「NHK東日本大震災6年被災者アンケート」で詳しい内容を載せている。参考のために記事アンケートの個所をPDF記事から画像にして載せておいた。

         「震災時に住んでいた地域の今の姿は?」
  














  「前設問で①~④に〇をつけた方にお伺いします。震災時に住んでいた地域の今の姿は震災前と比べてどう感じていますか?」
 

 調査対象 5000人を対象。
 回答者  1437人
 調査期間 2016年11月~2017年2月。

 「震災前に暮らしていた地域の復興状況」

 「進んでいる実感が持てない」26%
 「想定よりも遅れている」36%
 「それなりに進んでいる」34%
 「想定よりも早く進んでいる」2%   

 復興は「それなりに進んでいる」+「想定よりも早く進んでいる」の回答者に対して「地域の今の姿を震災前と比べてどう感じるか」

 「地域経済がよくなった」4%
 「地域に活気が出た」8%
 「交通の便がよくなった」13%
 「買い物が便利になった」15%

 記事は以上のアンケート結果を載せて、〈地域経済や生活環境の回復にはつながっていないと考えている人が多いことが分かった〉と解説している。

 その具体的証明として一昨年と昨年のアンケートとの比較を行っている。

 復興が「進んでいる実感が持てない」26%(昨年比マイナス6ポイント) ← 昨年32%

 これは復興の逆行を示している。

 復興が「想定よりも遅れている」36%(昨年比マイナス17ポイント) ← 昨年53%

 「想定よりも遅れている」という実感は昨年よりも17ポイント減少しているが、あくまでも“遅れている”という文脈内の減少であって、ここに来て急速に復興が加速したという文脈への反転を示しているものではないことは次の比較を見ると理解できる。

 復興が「想定よりも進んでいる」2.4% = 昨年2.4%と ← 一昨年2.5% ← 一昨昨年1.8%

 「想定よりも進んでいる」という実感は低い水準にあり、しかも殆んど変わらない値となっている。

 記事も、〈「復興が進んでいる」と感じる人の割合は、依然として低い状態が続いています。〉と解説している。

 復興は「それなりに進んでいる」+「想定よりも早く進んでいる」の回答者に対して「地域の今の姿を震災前と比べてどう感じるか」の実感が、「地域経済がよくなった」4%、「地域に活気が出た」8%、「交通の便がよくなった」13%、「買い物が便利になった」15%と、それぞれ低水準にとどまっているのは復興が好転している状況にあると見ることができる生活者が低い水準にあるということであり、この低水準は同時にそれぞれの好転した復興状況の利益享受者が少数に留まっていることの現れを示している。

 このことと、「震災前に暮らしていた地域の復興状況」が、「進んでいる実感が持てない」26%に対して「それなりに進んでいる」が34%、「想定よりも遅れている」36%に対して「想定よりも早く進んでいる」が2%のそれぞれの対比から見えてくる全体の状況は格差を構造とした復興の二極化であろう。

 言葉を替えて言うと、復興の波に乗った者がそれなりに存在する一方で取り残された者が大勢いることを示していることになる。

 復興が遅れていることの何よりの証明は人口減少であろう。NHKのニュースでやっていたが、復興事業が盛んだった頃は事業従事の作業員が大勢訪れて繁盛していた食堂が事業がピークを過ぎるにつれ訪れる作業員が減少し、事業が区切りがつくと殆んど訪れなくなって、僅かしか来店しない地元住民相手では商売が成り立たないから閉店することに決めたということだが、作業員は一時的な仮の人口であって、そこに住みついている人口がそれれなりの数を占めないと、商売は成り立たないし、新しく店を開く契機とすることもできない。

 いわば震災を受けて避難した住民が元の場所に戻り、尚且つ新しい住民が住み着くようにならないと、それぞれの地域の活性化は期待できないことになる。

 と言うことは、仮設住宅で避難生活を送っている住民はもとより、他県避難者も含めて元の生活の場への帰還の程度が復興の進展に関係するバロメーターとなる。

 ところが、2017年3月11日付「NHK NEWS WEB」記事によると、東北沿岸の被災地では人口減少が進んでいると同時に復興庁調査による2017年2月13日時点での全国で避難生活を余儀なくされている被災者は12万3168人、このうちプレハブの仮設住宅や民間の賃貸住宅を借り上げている「みなし仮設」、それに福祉施設などで暮らしている被災者は10万4991人に上ると伝えている。 
    
 人口減少は具体的には国勢調査のデータをもとにNHKが纏めた2011年3月1日から2017年2月1日までの岩手、宮城、福島の沿岸にある14の市町村の人口は震災前と比べて10%以上人口が減少しているという。

 この人口減少に加えてプレハブの応急仮設住宅で暮らす避難者は2017年1月末現在で岩手、宮城、福島の3県で計3万5503人に上り、住人の65歳以上の高齢者が占める割合は岩手が県全体の高齢化率とほぼ同じ30.9%(2017年1月末時点)、宮城が県全体の高齢化率よりも約4ポイント高い30%(2017年1月末時点)、福島が県全体の高齢化率よりも約14ポイントも高い42.9%(2016年5月末時点)だと、2017年3月7日付「時事ドットコム」記事は伝えている。

 福島県生活拠点課「自宅を建て直す意欲を失った高齢者が残りがち」

 記事は、〈警察庁によると、3県では2016年末までに仮設で1人暮らしをしていた避難者230人が死亡。その58.3%に当たる134人が65歳以上だった。〉と伝えている。

 上記「NHK NEWS WEB」記事は復興庁調査で震災発生時の2011年3月から2016年9月末までに避難生活による体調の悪化などで亡くなったいわゆる「震災関連死」と認定された被災者は10の都県で少なくとも合わせて3523人、震災による犠牲者は「震災関連死」を含めて少なくとも合わせて2万1969人となっていると伝えている。

 その多くが住んでいた場所を奪われ、中には家族・親しい知人を失った被災者が狭い仮設住宅で6年も暮らさざるを得な住人が占めることになっているはずである。

 マスコミ記事の仮設住宅群のどの写真を見ても、その中に商店や学校、公園や医療機関を抱えていないゆえに街の様相は見えず、収容所群の様相しか見えない。特に高齢者が6年も暮らして体調を崩すしていく状況にあることは否応もなしに理解しなければならない。

 人口減少、高齢化、仮設住宅に取り残されている人口が市に昇格できる人口条件の5万人に近い3万5千人等々、元の街の復活はおろか、復興に遙か程遠い状況は安倍晋三が毎年の震災発生日に合わせて行ってきた記者会見の発言とは全て裏返しとなっている。

 仮設住宅その他で体調を崩し、普通の生活を取り戻すことなく震災関連死の扱いで終末を迎える3500人という少なくない人数や他県避難者の子どもたちが被災を理由にイジメに遭うのは安倍晋三が被災者が心に受けた傷を癒すにはインフラや住宅の復興のみならず、「人と人のつながりを守り、被災者が孤立することのないよう、地域の見守り体制」の構築を言っていたことの裏返しの状況を示すものであろう。

 そして人口減少と高齢化になす術もなく状況任せとなっている現状は復興を単に元の姿に戻す原状回復ではなく、「世界のモデルとなるような新しい東北の創造」を完成形にすると野心的な挑戦を高々と掲げたこととは遠く及ばない、まさに裏返しの状況で推移していることの証明としかならない。

 「安倍内閣におきましては、省庁の縦割りを排しながら現場主義を徹底し、政府一丸となって加速化に全力をあげました」と言っているが、その「加速化」たるや、政府や自治体が予算をつけた公共土木工事のみに当てはまることで、人が集まり、賑わう街の復活・復興を未だ成し遂げていないのだから、そういった復活・復興とは縁のないタワゴトとなっていて、住民が望む復活・復興とは裏返しの状況しか与えていない。

 当然、「何としても、復興を加速する。その決意のもと、総理就任以来、3年余りで30回近く、被災地に足を運んでまいりました」と言っている、「3年余りで30回近く」も「被災地に足を運んだ」ことが何ら意味を成さない、安倍晋三の思惑を裏返しにしたお粗末な現状を見ないわけにはいかない。

 「被災地の復興なくして日本の再生なし」、あるいは「福島の復興なくして日本の再生なし」と高らかにファンファーレを吹き鳴らしたものの、復興の全体的状況が格差を構造とした二極化を呈していて、復興に取り残された住民が多く存在する以上、ファンファーレが意味させていたこととは裏返しの状況にある。

 とても恒例の記者会見を開いて、さも復興が進んでいるかのような、幸せの青い鳥をテーマとしたファンファーレを再び高らかに吹き鳴らす状況にはなかった。

 冒頭発言がそれを許したとしても、記者との質疑で復興が遅れていることの容赦のない矢を放たれたに違いない。

 尤もどのような遅れも認めはしないだろうが、テレビで放送された記者会見やネット上に残った動画を見る者をして、復興は遅れていないとする発言にウソを見い出す危険性は予想しなければならない。

 発言にウソを見い出した場合、そのウソはネット上に飛び交うことになる。

 要するに恒例でありながら、6年目にして記者会見を開かなかったのは安倍晋三の面前で復興遅れを露わにされないための回避、 復興遅れ隠しに過ぎない。

 復興遅れを隠すことで、復興政策の失敗を隠すことができる。

 3月11日に政府主催の「東日本大震災6周年追悼式」に出席して、「被災地に足を運ぶ度、震災から6年を経て、復興は着実に進展していることを実感している」とか、「被災者の方々お一人お一人が置かれた状況に寄り添いながら、今後とも心と身体のケアや新たな地域社会の形成など、復興の進展に応じた切れ目のない支援に力を注ぎ、更に復興を加速していく」等々、現実の復興とは裏返しとなる状況を式辞として述べることができたのは、言いっ放しで済むからであろう。

 なかなか狡猾である。 

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