安倍晋三の自衛隊を主に頭に置いた「心からの敬意を表そうではありませんか」を思想・信条の強要から解く

2016-10-01 11:44:47 | 政治

 安倍晋三が2016年9月26日の臨時国会所信表明演説で日本の安全保障・日本の国家防衛の観点からの発言だから、主として自衛隊を頭に置いて、「彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と求めると、どちらが先に態度で表したのか分からないが、大方の自民党議員が起立して拍手で呼応、安倍晋三自身も拍手して応え、その任務を共に讃えたことがマスコミに疑問を投げかける形で取り上げられた。

 これに対して民進党の小川敏夫参院議員から9月29日の参院本会議での所信表明に対する代表質問で問題視され、9月30日の衆院予算委員会で同じ民進党の細野豪志からも同様に問題視された。

 勿論、安倍晋三は例の如く言葉巧みに自己正当化に走ったことは断るまでもない。

 先ず所信表明で問題視された安倍晋三の発言を「首相官邸」サイトから取り上げてみる。  

 安倍晋三「『我々は、核兵器のない世界を希求する勇気を持たなければならない』

 本年、現職の米国大統領として初めて、オバマ大統領による被爆地・広島への訪問が実現しました。唯一の戦争被爆国として、我が国は、「核兵器のない世界」を目指し、国際社会と共に、努力を積み重ねてまいります。

 北朝鮮がまたも核実験を強行したことは、国際社会への明確な挑戦であり、断じて容認できません。弾道ミサイルの発射も繰り返しており、強く非難します。このような挑発的な行動は、北朝鮮をますます孤立させ、何の利益にもならないことを理解させるべく、国際社会と緊密に連携しながら、断固として対応してまいります。核、ミサイル、そして、引き続き最重要課題である拉致問題の包括的な解決に向けて具体的な行動を取るよう強く求めます。

 東シナ海、南シナ海、世界中のどこであろうとも、一方的な現状変更の試みは認められません。いかなる問題も、力ではなく、国際法に基づいて、平和的・外交的に解決すべきであります。

 そして、我が国の領土、領海、領空は、断固として守り抜く。強い決意を持って守り抜くことを、お誓い申し上げます。

 現場では、夜を徹して、そして、今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっています。極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りを持って、任務を全うする。その彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」――

 日本の国防についての発言だから、自衛隊を優先させていると取られない都合上、海上保安庁と警察を並べたといったところだろう。

 YouTubに掲載の所信表明の動画を見ていると、映っているのは安倍晋三自身の姿のみだが、安倍晋三が「我が国の領土、領海、領空は、断固として守り抜く。強い決意を持って守り抜くことを、お誓い申し上げます」と発言し終えたころで、自民党席からだろう、「オーッ」といった複数の声が一つとなった音声と共にかなり多い拍手の音が聞こえ、「今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と促したところでもやはり同じような声と拍手が起こるが、対して安倍晋三はマイクの前で自らも手に力を入れた拍手を議長が「ご着席ください、ご着席ください」と二度指示を出すまで続けた。

 自民党側はスタンディングオベーションは申し合わせて行ったことではない、自然発生的に起こったとしているが、それがウソ偽りのない言い分でり、また自民党議員のスタンディングオベーションが先で、安倍晋三の拍手が後であったとしても、「心からの敬意を表そうではありませんか」と呼びかけたのは安倍晋三であり、しかも首相であると同時に自民党総裁という上の地位にあるのだから、安倍晋三が全体を通して自民党議員に対してスタンディングオベーションとその拍手を主導していた関係にあったはずだ。

 安倍晋三の拍手自体について言うと、自民党議員の行為を了とし、それを一段と高める役目を担っていた。

 自民党議員たちが自発的に始めた行為であったとしても、彼らが全体を主導して壇上の安倍晋三が従った関係ということは決してあり得ない。

 次に9月29日の小川敏夫の質問を《民進党サイト》から取り上げてみる。  

 小川敏夫「安倍総理あなたは国境警備の海上保安官、警察官、自衛官に敬意を表そうと訴えました。私も、同じように職務に精励している自衛官らの方々に敬意を表する気持ちでおります。加えて、私は、消防官、医療、介護、バスやタクシーの運転手、勤労者、その他社会の様々な分野で働き社会に貢献している方達全員に敬意を表する気持ちであります。

 総理あなたが自衛官らだけを特別に取り上げて尊敬の対象とするのは、総理、あなたの心の中に国民よりも軍隊優先という考えが潜んでいるからでは無いでしょうか」

 要するに小川敏夫は安倍晋三の軍隊優先の思想が言わせた所信表明での発言であり、それに応えた自民党議員のスタンディングオベーションではないかと追及した。

 安倍晋三の答弁は2016年10月1日付「エコノミックニュース」から取り上げて見る。  
 
 安倍晋三「海上保安庁と警察は軍隊ではない。自衛隊は通常の観念で考えられる軍隊と異なるとの政府見解は小川議員も当然ご存知と思います。そのうえで、海上保安庁・警察・自衛隊はひたすら国民を守るため厳しい任務に就いている。所信表明演説では厳しくなる東アジア情勢のなかで、緊張感に耐えながら任務にあたっている方々に言及したものであり、厳しさを増す状況で任務にあたっていることは小川議員にも十分に共有頂けるものと思う。

 国民よりも海上保安庁、警察、自衛隊が優先するという考えは根本的に間違っているだけでなく、彼らの誇りを傷つけるもの。かつて政権を担い、閣僚(法務大臣)を務められていた方の発言だけに、大変残念だ」――

 「海上保安庁と警察は軍隊ではない」し、政府見解では「自衛隊は通常の観念で考えられる軍隊と異なる」から、これも軍隊ではないから、軍隊優先の発言とするのは「根本的に間違っている」と、軍隊優先の発言だとする指摘を否定している。

 政府見解がどうであろうと、自衛隊は軍隊そのものの組織である。新安保法制で海外派兵される自衛隊が駆けつけ警護や宿営地防衛に「通常の観念で考えられる軍隊と異なる」組織として敵部隊と対峙するのだろうか

 あるいは対峙できるとしているのだろうか。

 軍隊そのものの組織として行動し、必要が生じた場合、軍隊そのものの組織として武器を使用、敵部隊と戦うことになるはずだし、そうしなければ満足に戦うことはできないだろう。

 安倍晋三が言っていることは自身の発言を言い逃れる詭弁に過ぎない。

 小川敏夫が「総理、あなたの心の中に国民よりも軍隊優先という考えが潜んでいるからでは無いでしょうか」と追及したのに対して安倍晋三は「国民よりも海上保安庁、警察、自衛隊が優先するという考えは根本的に間違っているだけでなく、彼らの誇りを傷つけるもの」と反論している。

 いわば小川敏夫が安倍晋三の頭の中に国民よりも軍隊優先の考えが潜んでいるのではないかと指摘したのだから、安倍晋三はそのように考えている、考えていないで答えるべきを一般論としての考え方の間違いを以て小川敏夫の指摘を間違いだとしている。

 これも言い逃れの詭弁に過ぎない。

 確かに一般論として言うと、「国民よりも海上保安庁、警察、自衛隊が優先するという考えは根本的に間違っている」。だが、安倍晋三の頭の中には少なくとも軍事優先の願望――先軍政治の願望が巣食っている。

 この理由を言う前に細野豪志と安倍晋三の遣り取りを9月30日付「産経ニュース」から見てみる。  

 細野剛志「まず1問、基本的な政党の姿勢に関することでお伺いしたいことがあります。それは先日の本会議におけるスタンディングオベーションの問題ですね。
 
 首相は本会議場でこう議員に呼びかけられた。『海上保安庁、警察、自衛隊の諸君に対して、今この場所から心からの敬意を表そうではありませんか』。私も演劇であるとか、演奏会等でスタンディングオベーションしたことがあります。ただ、いずれも聴衆の中から自発的にスタンディングオベーションというものは起こるものであって、スピーチの途中でスピーチをしている方から求められているものに対しては、正直違和感を感じました。首相、いろいろ国会内でも議論が出ていますが、この問題について率直にどうお考えになっているか、そこを率直にお聞かせ願えませんか」

 安倍晋三「いま私の発言の内容を引用していただきましたが、私が『スタンディングオベーションをしてくれ』と一言も言っていないわけですから、既にご紹介したことは明確ではない、このように思います。

 先般も参院の本会議で既に答弁していること、(民進党の)小川(敏夫)議員からの質問がございましたので、既に答弁していることでもございますが、所信表明演説の中において、まさに今日本をめぐる安全保障環境が厳しさを増している中においてですね、海上保安庁、あるいは警察、そして自衛隊の方々がですね、厳しい緊張感の中で、まさに大変な思いの中においてしっかりとその職務を遂行しているということであります。

 一方その中で、力による現状変更の試みもあるわけであります。そこでやはり、そういうことに対して、我々はしっかりと対応していくという意味も含めましてですね、そういう呼びかけを行ったところであります。

 細野剛志「私が伺いたいのは、本会議の場所でスタンディングオベーションをするというのがふさわしいかどうかを伺いたいわけですね。私は本会議場におりましたが、自民党の議員の中で真っ先に立った議員もいましたが、相当躊躇(ちゅうちょ)しながら周りを見て立った議員というのはたくさんいましたね。

 またですね、大島(理森)議長はスタンディングオベーションが起こった後に、『ご着席ください』と自制を促しているわけですね。私はある種、良識だなと思ったのは、公明党が立たなかったこと。じゃあ大島議長や野党のわれわれや公明党の皆さんが、自衛官や海上保安官に対して敬意を持っていないかというと、そんなわけないですよ。

 私も自衛隊の行事が地元にありますから、それはしばしば行きますよ。PKO(国連平和維持活動)の部隊が帰ってきたときは拍手で迎えますよ。そういう思いは持っているけど、首相というのは行政府の長ではあるけども、立法府の長ではないですよね。そこについては一定の緊張感が必要で、実質的には促していないとおっしゃってるけども、『この場所から』と言われれば促していると聞こえますよ。

 首相に促されてスタンディングオベーションをするというのはどうなんだろうか。これがふさわしいかどうかについて聞いているんです。促していないということでおっしゃってるんで、そこは首相の思いとして受け止めますが、本会議でスタンディングオベーションがふさわしいかどうかという点についてはどのように思われますか」

 安倍晋三「例えば、スタンディングオベーションと拍手がどう違うのかということでありますが、スタンディングオベーションを私は促しているわけではありませんし、敬意を表そうと。敬意を表する仕方はいくらでもいろんな方法があるんだろうと思うんですけども、それとは別にああいうヤジで現す方も…(ヤジを飛ばした民進党の)初鹿(明博)さんですか、ヤジによって表す方もいますね。ヤジで議論が中断することもありますよね、今もまたヤジがありましたが、御党はヤジで意思を表すわけですね。

 それが果たして良いのかという議論もあるわけだと思いますよ。私はね。だから私が申し上げているのは、私に拍手しろと言っているわけではなくて、そういう緊張感の中でこの日本を、そして国民の命を守るために頑張っている方たちに対して敬意を表そうと言ったわけであります。そして、その敬意の表し方については、まさに議員個人個人が判断したら良いんだろうと思います。

 一方、このスタンディングオベーションというものについて、良い悪いかは、まさに議員が判断するわけでありまして、例えば米国の議会においてはスタンディングオベーションはよくあることでありますし、私も昨年米国の上下両院合同会議において(演説を行った際に)十数回、スタンディングオベーションがございました。このスタンディングオベーションが悪いと私は言うことはないわけでありまして、それはまさに、これは、その強制して全員が一斉にやることは確かにおかしいと思いますが、まさにこれは議員が自発的にどういう対応を取っていくかに尽きるわけでありまして。

 どうしてこれがことさらですね、問題になるのか私はよく理解できないわけでありますが、いずれにせよ、こういうことについては、まさに今申し上げましたように、私はスタンディングオベーションを要請をしているわけではなくて、まさに敬意を表そうと申し上げたわけでありまして、敬意の表し方については、それはそれぞれの判断であろうではないかと思うわけであります」

 細野剛志「議院運営委員会で議論したようですが、首相のところにはきちっと議運の懸念が伝わっていない印象ですね。首相を見ていて常に感じますが、立法府というのは常に行政に対して、ある種の緊張感を持っていないといけないんですね。首相は何度か、立法府の長と答弁されている。これはさすがに、私も予算委員会の理事をやっていまして、最終的には議事録の修正を認めましたよ。言い間違いだと思いますよ。しかし、意識の中のどこかに立法府で自分がトップに近い位置、トップの立場にあるという意識があるのではないか。

 私が正直に違和感を持ったのは、私も目の前に海上保安官とか自衛官を目の前にした場合は、敬意を示し、拍手をするんですよ。しかし、あの場面で拍手をする気にならなかった、もちろん立つ気にならなかったのは、自民党の皆さんを見ていると、自衛官というより安倍首相に拍手をしているように見えるわけですよ。さらに言うならば、首相ご自身も本会議の壇上で拍手をされている姿を見ると、率直に感じたのは、この国の国会ではないように錯覚すら覚えましたよ。そこも含めて私はもう一度、立法府が持つ役割と行政の緊張関係についても考えていただくほうがいいと思います。

 そしてもう一つ指摘をしたいのは、与党のおごりです。昨日、福井照議員が、この方はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)特別委員会の理事をやっている方ですね。(TPP承認案などについて)強行採決をするという断定的なお話をされた。これまで、私も結構長い間、国会にいますが、委員会の理事がそれこそ実際の議論が始まる前に強行採決すると言ったのは聞いたことがない。こんなことをやり出したら、国会で議論する意味がないじゃないですか。

 さすがにご本人は辞任をされたようですが、私どもは与党のおごりは絶対に許しません。提案はしっかりしていくし、批判だけにとどまるつもりはないですが、明確におかしいことはブレーキをかける役割をしっかりやっていくことだけは、申し上げておきたいと思います。午前中の時間が少なくなってますから、その与党のおごりについて、午前中最後に首相、どうお感じになってますか」

 安倍晋三「私に対して拍手をせよと私が思っていたというのは、これはまさに…(細野氏:思っていたとは言っていない)。いや、思っていたということをほとんどおっしゃっているじゃないですか。つまり、自民党自体が私に対する拍手をしているんだという表現はされましたよね。それはあまりに、最初に言っていた批判だけに明け暮れないという言葉とは全然違うんじゃないですか」

 自民党議員が私に対する拍手だと言っていたんだったら別ですよ。私自体がはっきり警察や海保や自衛隊の諸君に対して敬意を表そうではありませんかと明確に言っていて、その日本語を当然理解をしているわけですから、それに対して、拍手しているのを、まるで首相に対して拍手しているという言い方は、あまりにもこじつけによる批判ではないか。批判のため、うがった見方ではないかとこう思うわけでありますし、かつ、私は許せないと思うのは、そのとき、どこかの国と同じではないかと。どの国なんですか。いや、これはあまりにも侮辱ではないかと思います。それはまさに、どこかの国と同じではないかというのは、どこなんでしょうかね。

 それはね、ただ単に侮辱に明け暮れているとしか私は思えないわけではあります。そういうことははっきりと申し上げたい。建設的な例えば、補正予算案の建設的な議論するというのであれば議論をしようじゃないですか。勝手に自民党議員がそう思っていないにも関わらず、まるでそう思っているかのごとくの批判はお互いにやめようではないかということを私は申し上げたい。大切なことです。

 まさにわが党に対する侮辱を、まずわが党に対する侮辱を細野さんがされたから、私はそう申し上げているわけでありまして、これは、理事が抗議をするようなことではありませんね。むしろ当然本来であれば、こちらの理事が抗議したいと思うぐらいのことではないかと思います。いずれにせよ、われわれも謙虚にこの理事の運営については当たっていくのは当然のことと思っております」――

 細野剛志の質問は単刀直入な追及を心がけていないからだろう、回りくどいし、余分な例を付け加えているし、途中から質問の趣旨まで変えてしまっている。

 細野剛志がスタンディングオベーションは「自発的」なもので、スピーチをしている者が求めるものではないと言ったのに対して安倍晋三は「私が『スタンディングオベーションをしてくれ』と一言も言っていない」と、口に出して言う訳はないことを言って反論している。

 当然、細野剛志は口では言っていなくても、壇上から「心からの敬意を表そうではありませんか」と求めて起きたスタンディングオベーションであり、自らも拍手して応えていたのだから、スタンディングオベーションを主導していたのではないかと追及すべきを、「促していないということでおっしゃってるんで、そこは首相の思いとして受け止めますが」とあっさりと最初に意図した追及の矢を自ら折ってしまい、「本会議でスタンディングオベーションがふさわしいかどうかという点についてはどのように思われますか」と、追及の趣旨を変えてしまっている。

 本会議で相応しいかどうかは場合によるはずである。所信表明での安倍晋三の例が相応しいかどうかで絞るべき一点を反論に合うや否やその一点を拡散させしてしまった。

 一度効果を上げた反論だからか、安倍晋三はその後も「スタンディングオベーションを私は促しているわけではありません」、「私はスタンディングオベーションを要請をしているわけではなくて」と、同じ趣旨の反論を許すことになっている。

 所信表明とは「こうだと自分が信ずることを明らかにすること」を意味する。一国のリーダーの所信表明演説とは、「自分はこういう政治を行います、こういった政策で国民の暮らしの向上を図ります」等々、自らが今後行おうとしている政治の内容を政策毎に国会議員ばかりか、議会演説を通して国民に明らかに示すことを言う。

 だが、日本の安全保障・日本の国家防衛の所信を明らかにする中で、自衛隊員を主とした対象として夜を徹して任務を全うしているからと言って、「彼らに対して今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と求めるのは所信表明ではない。

 なぜなら、自衛隊を違憲だと捉え、そのことを自らの思想・信条としている議員や国民からしたら、敬意を表すことはできないだろうし、違憲としていなくても、安倍晋三の新安保法制に反対し、そのことを自らの思想・信条としている議員も国民もいる以上、自然災害救助に敬意を表すことはできても、海外派遣や集団的自衛権行使にそう簡単には敬意を表することができないだろうし、国民に限って言うと、できない国民は数限りなく存在するはずだ。

 他の例で言うと、自身の所信は憲法9条改正に置いていたとしても、「9条改正を実現したいと思います」と自らの所信を述べることはできても、9条改正反対を思想・信条としている議員も国民も無視できない数で存在する以上、「9条を改正しようではありませんか」と促しも呼びかけも求めることもできないのと同じである。

 反対者の思想・信条を無視して促したり求めたり呼びかけたりしたら、所信表明から外れて、反対者の思想・信条に対する強要となる。

 民主主義の原則と法律に則ったそれぞれの賛成多数で決着つけるべき問題だからだ。

 だが、安倍晋三の「彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」が所信表明から外れている上に日本の安全保障・国家防衛の文脈で自衛隊員の任務を主として頭に置いた、それゆえに思想・信条の強要にも関係してくる発言である以上、軍事優先の願望――先軍政治の願望が巣食っていると見做されても仕方はあるまい。

 細野豪志が「自衛官というより安倍首相に拍手をしているように見えるわけですよ」と発言したのに対して安倍晋三は「自民党議員が私に対する拍手だと言っていたんだったら別」だが、「まるで首相に対して拍手しているという言い方は、あまりにもこじつけによる批判ではないか」と反論しているが、安倍晋三の呼びかけから始まり、自らも壇上で拍手して了としていたのだから、全体を通して主導していた関係にあった。当然、安倍晋三に対して拍手していた部分が多分にあったことは否定できない。

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