安倍晋三3/17衆院外務委での籠池理事長「100万円寄付」答弁に自分は正しいとする信念も決意も見えず

2017-03-20 10:22:03 | 政治

 2017年3月16日に森友学園国有地格安取得疑惑の現地調査を行った参院予算委員会メンバーが午後2時過ぎ、退任を表明した森友学園理事長の籠池泰典と小学校の建設予定地で面会した際、籠池泰典は「一昨年9月に安倍総理大臣の妻の昭恵夫人に講演して貰ったときに昭恵夫人から寄付金100万円を頂いた」と、暴露したと言うべきか、話したという。

 早速その日の午後、安倍晋三は官房長官の菅義偉の記者会見を通して、「安倍総理大臣に確認したところ、『自分では寄付はしていない。昭恵夫人や事務所など第三者を通じても寄付をしていない』ということだった」(NHK NEWS WEB)と否定した。

 否定したからと言って、寄付が事実ではない証明とはならない。それが事実であったとしても、これまでの国会答弁で表明してきた安倍晋三の籠池泰典との関係性、あるいは籠池泰典観と真っ向から異なることになるゆえに寄付しましたと言うはずはないし、言うことができるわけでもないから、否定は当然の到達点に過ぎない。

 いわば寄付したとしても否定するだろうし、寄付が事実ではなくても否定する。裏返すと、否定からは実際の事実は確認しようがない。

 野党が国有地売却問題で籠池泰典の国会参考人招致を求めていたが、自民党が反対、実現できないでいたが、籠池の口から「安倍晋三100万円寄付」の発言が飛び出した途端に自民党は「100万円寄付」が事実として独り歩きするのを恐れたのか、事実に反する発言をしても罪に問われない国会参考人招致から事実に反した場合は偽証罪の対象となる証人喚問に格上げ、民進党と合意して3月23日に衆参両院で実施することになった。

 自民党は言葉だけでは寄付を証明しようがないと高を括ったのかもしれない。言葉に対しては言葉で否定し続ければ、無かったとすることができると。自民党の西田昌司が3月6日の参議院予算委で、国有地売却疑惑は「ハッキリ言って冤罪である。森友事件は疑惑というより真実をきちんと報道していない」とか、「私は与党を代表して今回の疑惑と言われている森友事件は疑惑というより真実をきちんと報道していない、トランプさんに言わせればフェイクニュースだ。まさにそれに等しい」と、言葉であっさりと非事実化して安倍晋三を擁護したようにである。

 野党側追及にしても、相手の言葉に対してその矛盾点を突く言葉で対抗して「安倍晋三100万円寄付」が事実か否かを炙り出さなければならない。

 その機会が3月16日に面会に訪れた参院予算委員会メンバーに対して籠池泰典が寄付の話を口にした翌日3月17日の衆院外務委員会での安倍晋三との対決時にあったはずだが、生かすことができなかった。

 これでは証人喚問で籠池泰典から寄付の話をいくら聞き出すことができても、安倍晋三の言葉巧みな否定術によって藪の中とならない保証はない。

 2017年3月17日の当「ブログ」に次のようなことを書いた。

 国会の場で疑惑を追及する側は確証がなくても、それを否定する相手の言葉の矛盾があれば、それを突くことで否定が事実かどうかを炙り出すことができる場合も存在するから、追及を権利とすることができ、疑惑の追及を受ける側はそれが実際に事実でない場合は物的証拠がない限り、自分は間違ったことをしていないという信念に基づいて言葉で否定するしか方法はない点で追及を受けることを義務としなければならないといった趣旨のことを書いた。

 疑惑をぶっつけられた安倍晋三は、当然、「いいえ、私は100万円を寄付などしていません」の一言か、これと類似した言葉しか正面切った否定の証明はないはずだ。

 「誰がどう寄付を受け取ったと言おうと、私は妻を通して籠池氏に100万円を渡していません」等々である。

 だが、上記ブログで書いた社民党の福島瑞穂との加計学園口利き疑惑の遣り取りでは、地方自治体が自らの所有地を無償で法人に提供した例が「20年の間にですね、25例もある」と言って、そのことを以って加計学園に対する今治市の市有地の無償提供に関わる安倍口利き疑惑をも否定する証明にもならない例示に懸命となっていたことは、逆に私は悪いことはしていないという信念の不存在を証明したに過ぎない。

 信念不在証明は何らかの疚しさを抱えていることから生じる。疑惑が単なる悪意ある噂の類いであるなら、どのような疚しさにも囚われることはないだろう。信念の不存在は疑惑を限りなくクロに近づける証明となり得る。

 3月17日の衆院外務委員会での100万円寄附を巡る安倍晋三と民進党福島伸享の質疑から安倍晋三が私は悪いことはしていないという信念に則った答弁をしていたかどうか、そのいずれかによって、「100万円寄付」が事実かどうかの判断基準にしてみたいと思う。

 次の記事から、100万円の寄付に係る遣り取りのみを取り上げてみる。

 「産経ニュース」   

 福島伸享「19日から総理はドイツ、フランス、イタリアなどの訪問にいらっしゃると聞いている。フランスでは大統領選、一時有力とされていたフィヨン元首相が勤務実体のない奥さんや子供に給料を払っていたということで、トップランナーだったのがだいぶ落ちてしまった。お隣の韓国の朴槿恵前大統領の問題を持ち出すまでもなく、どこの国でも政治家の公私混同の問題は非常に国民の目が厳しい。一点の曇りがないことを明らかにしなければ、国際的な場に出ても信頼を得ることができないと思っている。
 森友学園の小学校設置をめぐっても、さまざまな情報がメディアで飛び交っている。こんなもんでいいのかなと思っているが、多くの国民は、なぜあのような不思議な国有地の取引がなされたのか。疑惑の目がこの1カ月消えることがない。

 そして昨日(16日)、新たな事実が出てきた。昨日の参院予算委員会の現地調査で、籠池泰典氏は、平成27年9月に昭恵総理夫人が『私どもの方の講演に来られて、9月5日だと思うが、そのときに、どうぞこれをお使いください、すいませんが、お使いください』と。『どなたからですか?』、『安倍晋三からです』とおっしゃっていた。そこで参議院の委員がいくらですかと聞いたら、100万円。こういうやりとりがあった。

 事実かどうかは今から確認させてもらうが、昨日の菅(義偉)官房長官は、総理に確認したところ、総理は自分では寄付していない、昭恵夫人、事務所など第三者を通じても寄付していないとのことでした。証人喚問に総理は出てくるんですか? そうじゃないでしょ。くだらないヤジはやめてください。改めて総理ご自身の認識を問いたい」

 安倍晋三「かつてお断りをしたにもかかわらず、安倍晋三小学校という名前が勝手に使われてまして、寄付集めがされていたときもそうだったんですが、今回も一方的に名前が出され、私は大変、当惑をいたしております。私自身かねてから国会で答弁している通り、籠池氏とは1対1などでお目にかかったことはなく、これは何回も答弁している通りでありまして、個人的な関係はないわけでございます。そうした方にこれだけ多額の寄付を私自身が行うことはあり得ない話でございまして、また妻や事務所など第三者を通じても行ってはおりません。私の妻はかつて名誉校長となっていたこともありますので、念のため妻にも確認を取りましたが、領収書などの記録はなく、妻個人としても寄付は行っていないということでございましたので申し上げておきます。

 これも念のために付け加えておきますが、これまで何度も申し上げている通り、今まさに議論となっているのは国有地売却や学校認可についてでありまして、国有地売却や学校認可について私も妻も事務所も全く関与していないということは再三申し上げてきている通り。それは明確に改めて申し上げておきたいと思います」

 福島伸享「籠池理事長は証拠もあるとおっしゃっている。偽証罪に問われる可能性もある証人喚問の場にも出てくるということなので、それなりの事実を持って覚悟を持って来られるのでは。

 先ほどヤフーニュースで、最近、話題沸騰している著述家の菅野(完)さんという人が、物証の現物を入手したという報道が流れている。その写真で、平成27年9月7日、昭恵さんが講演した2日後に、淀川新北野郵便局から100万円を学校法人森友学園に振り込んでいて。その森友学園の入金元のところは修正液で消されていて、安倍晋三と書かれているというのが載っている。

 菅野さんという人物は籠池氏側に立って情報を流しているように見えるので、にわかに信じがたい話ですし、当然この報道は慎重に注意していかなければいけない。ただ、証人喚問で籠池さんも来られるので、そこでも我々はお聞きする必要があると思うが、ただこの問題、次から次へと色々な新しい資料が出てきて。例えば稲田(朋美防衛)大臣だって答弁を修正している。

 今度のこの件は答弁の修正はきかない問題だと思っている。総理も同じだと思う。ですから、こうした報道が出ていることも含めて、万全に万全を重ねて、もう一度調査をする必要があると思うが、いかがか」

 安倍晋三「新たな証拠といわれる物が、これが福島委員は事実だということで質問されているのですか」

 福島伸享「そんなこと言っていない。ただそういう報道がいっぱい出たことに困りませんか」

 安倍晋三「それが、あの、えー、私自身も承知しておりませんので、お答えのしようがないということでございますが、ないものはないと答弁させて頂いている通りでございます」

 福島伸享「念のためもう一度、確認させてもらうが、2月28日の参院予算委員会で安倍総理は、寄付金集めにも全く関わっていないということははっきりと申し上げたい、とおっしゃっているが、この答弁、維持するということでよろしいですね」

 安倍晋三「まず冒頭、誤解を招かないように、福島委員が引用されたのは私の答弁の一部であることを申し上げなければならない。そこで2月28日の御党の小川勝也委員への私の答弁を正確に読み上げておかなければいけないと思います。

 『私が小学校に名前をつけるのを既にお断りをしているわけでございまして、お断りをしていることにつきましては先ほど申し上げた通りでございます。妻も私も今回の売買には全く関わっていないわけでありますし、また寄付金集めにも全く関わっていないということははっきりと申し上げたいと思います』。こう申し上げているわけであります。

 また福島委員から2月17日の予算委員会において、振込用紙を示されたわけでございまして。ですから振込用紙を示されて、教えていただいたと記憶しておりますが、安倍晋三記念小学校という名前が、私がかつてお断りをしたにもかかわらず、勝手に使われ寄付集めがされたというご指摘があったことに対して、私はそういう寄付集めにかかわっていないと申し上げたものであり、それはこれまで答弁した通りであります。

 いずれにせよ、私は寄付を行っておらず、妻個人としても寄付を行っていないことであったということは既に説明した通りでございます。その上にかつ申し上げれば、先ほどの紹介をしていただいた答弁は、安倍晋三記念小学校という名前が使われていて、こういう名前が使われているけど、あなたは寄付集めにかかわっていますか、と言われましたから、この安倍晋三記念小学校ということにかかわって寄付集めはしていないというラインでお答えをさせていただいております。

 いずれにしろ、繰り返しになりますが、私も妻も寄付を行っていないということであります。答弁としては先程の答弁、申し上げましたように、福島委員から振込用紙を示されてこうした形で寄付集めを行っているのですかと問われましたので、それはそんなことはない、このように申し上げている通りであります。繰り返しになりますが、私は寄付を行っておらず、また妻個人としても寄付を行っていないということでございます」

 福島伸享「今後、新たな事実が出ないということを信じたいと思いますが、いずれにしても23日に証人喚問がありますので、そちらで両方の言い分を聞きながら事実を確認していきたいと思っている。ただ私はこれは非常に、参院の委員会のメンバーの与野党の前で、籠池さんがおっしゃったことは非常に重いと思う。どこかのマスコミのリークではない。ですから…いやいや、ちゃんと聞いてください。ですから、先日総理は訴訟をやるのは総理の立場として、行政府の長として行うべきでないとか、そうしたことに膨大な時間を割くべきではないとおっしゃったが、そうしたことは一切この件についても考えないということでよろしいのか」

 安倍晋三「私は今ここに内閣総理大臣として立っておりまして、総理大臣として答弁しているわけでございます。そこで籠池氏の発言と私の発言を全く同列にされているわけでございますが、私はそもそも総理大臣としての職務があるわけでございまして、総理大臣としての職務を遂行していかなければならない立場でございます。

 ですから昨日も米国のティラーソン国務長官が来日して、まさに北朝鮮の情勢が緊迫をしている中において、国務長官と会談を行わなければならない。国務長官と会談を行う場合、相当時間をかけて準備をするわけでございます。そして明後日からはドイツ、フランス、イタリア、さらにはブリュッセルにも出張する予定でございまして、そうしたための相当の準備もしなければならない。その後もさまざまな内政の課題もあるのでございます。

 そうしたさまざまな課題に対して私は全力で集中していくべきだということでありまして。そこでこの問題について訴訟を起こせば相当の時間を割くことになるのはご承知の通りでございまして。先般申し上げた通り、御党の元総理大臣からですね、名誉毀損(きそん)で訴えられたわけでございますが、総理大臣は出廷するいとまがないわけでございまして。出廷するいとまない以上、相当書面でちゃんと整えなければいけないわけでございます。それは地裁、高裁、最高裁と延々と続く中においては、最終的には菅直人氏に完全に事実認定で勝利したわけでありますが、相当私も時間を取られた。これは、こうしたことを私は行うべきでないということでございます。

 福島さんが、私が言っていることよりも籠池さんのことを信じる、あるいは出てきた何かネットに載った人物の出してきたものを信じるということであれば、これはしようがないわけでありますから。それは違うということを今、私は申し上げている」

 福島伸享「何をわけのわからないことを言ってるんですか。誰も籠池さんの言うことを信じるなんて言ってないじゃないですか。言ってないですよ、そんなことは。ちゃんと事実を明らかにしないと、これだけこの問題ね、1カ月間、世論が、疑わしいんじゃないか、と言っていることを明らかにする責務は、政府の側にあると思いますし、その一番トップである安倍総理自身の問題がさまざま提起されているわけですから、それを晴らす役割は総理が果たすべきだと思いますよ。私は全然、誰の立場に立って言っているのではありません。真実を明らかにしたいだけです」

 もし安倍晋三が100万円を寄付していない、国有地売却にも口利きをしていない、政治的圧力も掛けていない、自分は間違ったことは一切していないと強く信念していたなら、そのことを証明する言葉以外の物的証拠等を提示する方法がないなら、「私自身も承知しておりませんので、お答えのしようがないということでございますが、ないものはないと答弁させて頂いている通りでございます」で押し通す以外に自分を正しいとする手はないはずである。

 だが、この発言をする前に「籠池氏とは1対1などでお目にかかったことはなく、これは何回も答弁している通りでありまして、個人的な関係はないわけでございます。そうした方にこれだけ多額の寄付を私自身が行うことはあり得ない話でございまして」と、自身がそう言っているだけの事実であるかどうかも不明な関わりを寄付の否定根拠に挙げているのは信念のなさの表れであろう。

 よしんば全てが真正な事実だとしても、面識のない人間に寄付をしない絶対的根拠とすることはできない。その活動をテレビや新聞、あるいはネット上で見聞きしただけで、直接的な面識はなくても、多くの人が活動支援を目的に寄付に応じる。

 面識があるなしは寄付をする・しないの基準とすることはできない。

 安倍晋三は根拠にならないことを根拠に寄付を否定したに過ぎないのだから、もし自身は正しいとする信念が存在していたなら、信念に外れる矛盾した発言とななる。

 福島伸享が寄付の件についても「総理の立場として、行政府の長として訴訟を考えていないのか」と問うと、「私はそもそも総理大臣としての職務があるわけでございまして、総理大臣としての職務を遂行していかなければならない立場でございます」と答弁、2017年3月13日の参院予算委員会で民進党の川合孝典が安倍晋三に対して森友学園籠池泰典理長に利用され、迷惑をかけられているから、裁判で訴えないのかと問われたときと同じように多忙を名誉毀損の告訴に出ない理由としている。

 だが、その前段の「私は今ここに内閣総理大臣として立っておりまして、総理大臣として答弁している」と言っていることは地位に付随する多忙に触れた言葉ではなく、そのような地位にある者がウソをつくはずがない、間違ったことをするはずはないという意味で使ったはずである。

 どのような地位にあろうと、地位を以てして不正を働かない絶対的証明とすることは不可能で、地位を持ち出すこと自体が寄付はしていませんという信念の無さの現れ以外の何ものでもない。

 安倍晋三はここで取り上げた質疑の最後で「福島さんが、私が言っていることよりも籠池さんのことを信じる、あるいは出てきた何かネットに載った人物の出してきたものを信じるということであれば、これはしようがないわけでありますから。それは違うということを今、私は申し上げている」と答弁している。

 一国の総理に疑惑がかかっている以上、与党の西田昌司ならいざ知らず、野党が疑惑を国会で追及するのは野党としての権利であり、その権利を果たすのは当然のことであって、野党のそのような追及の権利を受け止めて安倍晋三は政府の長として追及を受ける義務を果たすことに真摯でなければならないはずだが、にも関わらず、誰が誰を信じるかどうかといった情緒性に頼っている。

 このことも自分は正しいとする信念の欠如を何よりも物語っていて、だから、福島伸享に「何をわけのわからないことを言ってるのか」、国民の多くが抱えている疑惑の全てを明らかにする責任は政府側にあると突き放されてしまうことになる。

 何日前のブログに書いたが、森友学園籠池理事長を名誉毀損で告訴しないということは裁判を疑惑が事実であるかどうかの国民に対する説明責任とする最善の機会とせずに地位上の多忙を優先させていることになる。

 この点についても、自らの信念に対する決意を窺うことができない。

 何一つ疚しさがなければ、自身の信念に対する決意は答弁の端々に現れるはずだ。

 現れないところを見ると、100万円の寄付を認めないわけにはいかなくなる。

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