米朝軍事的緊張:戦争する時代ではないにも関わらず安倍晋三は戦争できる国にする準備を進めている

2017-08-13 11:34:54 | 政治

 米朝関係がかつてない程の軍事的な緊張が高まっているようだ。7月4日(2017年)に続いて7月28日夜遅く発射実験したミサイルはICBM級と言われ、誘導能力や制御能力は未確立ながら、アメリカ本土に到達可能と言われている。

 米朝緊張関係の要因の一つに北朝鮮の対米挑発に向けたトランプの日本海への空母2隻の展開、米韓軍事演習と共に軍事的解決も辞さないとする発言も関わっているようだ。
  
 国連安保理は北朝鮮の7月の二度のミサイル発射実験に対して8月5日、一段と厳しい対北朝鮮制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮はこの決議に反発、北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍報道官は米戦略爆撃機による朝鮮半島周辺での訓練実施を非難し、北太平洋の米領グアム島周辺を中距離弾道ミサイル「火星12」で「包囲射撃する作戦計画」を慎重に検討しているとの8月8日付の声明を発表した。

 「時事ドットコム」   

 声明「「アンダーセン基地を含むグアムの主要軍事基地を制圧・けん制し、米国に厳重な警告メッセージを送るためだ。近く、最高司令部に報告され、金正恩朝鮮労働党委員長が決断すれば、任意の時間に同時多発的、連発的に実行される」

 アンダーセン空軍基地には米爆撃機が配備されていると言う。

 この記事では触れていないが、声明はグアム向けのミサイルの飛行コースに島根県、広島県、高知県の上空を挙げ、グアム島周辺30~40キロの水域に着弾することになると触れていたと言う。

 政府は8月12日、北朝鮮ミサイル発射に備えて中国・四国の4カ所に地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の配備を行った。

 トランプの方はこのミサイル発射予告に対して8月10日、「彼がグアムに何かしたら、誰も見たことのないようなことが北朝鮮で起きる。これは挑発ではない」と述べたと「NHK NEWS WEB」記事が伝えていた。

 北朝鮮の軍事的威嚇に対するトランプの軍事的威嚇という対応を取っている。お互いの威嚇が威嚇で終わると底が割れてしまい、双方共にオオカミ少年の姿を纏うことになって、オオカミ少年だと冷笑されないために無理やり軍事攻撃をかけない保証はない。

 それがどちらの側からの攻撃であっても、双方共に大きな打撃を負うことになるはずだ。北朝鮮の国力自体はアメリカのそれと遥かに劣っていても、先軍政治の結果、軍事能力が肥大化しているはずで、戦前の日本と同じように国力が遥かに優るアメリカに長期戦には耐えることができなくても、その場任せの短期戦を仕掛けてくる可能性は否定できない。

 当然、アメリカ国民の犠牲をゼロに抑えることはできないだろうし、アメリカが在日米軍基地を北朝鮮本土攻撃の発信基地とするのは分かり切っているから、日本も攻撃対象とすることになって、同じく日本国民の犠牲をゼロに抑えることはできないはずだ。

 誰が考えても、戦争をしたら、国民の生命・財産は守ることはできないことを自明の理としなければならない。

 8月12日に山口県長門市を訪れていた安倍晋三は北朝鮮のグアム周辺ミサイル発射声明に対して「国民の生命と財産を守るために最善を尽くす」と強調したとNHKテレビが放送していた。

 この発言はあくまでもグアム周辺を目標地点としたミサイル発射が無事日本の上空を通過した場合とそのミサイル発射が失敗して日本の本土のどこかに落下する恐れが出た場合の限定となる。

 但し後者であったとしても、パトリオットミサイル(PAC3)が北朝鮮ミサイルを日本の本土上空に達する前に撃墜できた場合に限ることになる。

 もしこの発射をキッカケとしてアメリカが北朝鮮攻撃に踏み切り、両国が戦争をするようになったなら、安倍晋三の言葉は全く以って無効となって、論理矛盾が生じることになる。一国の指導者による「国民の生命と財産を守る」なる言葉はどのようなケースでも機能しなければならないからだ。

 この論理矛盾に整合性を与えるとしたら、「一部の国民の生命と財産を犠牲にして、大多数の国民の生命と財産を守るために最善を尽くす」と言葉を変えなければならないだろう。

 21世紀の今日に至ってもなお戦争をする時代だろうか。戦争をして、「一部の国民の生命と財産を犠牲にして、大多数の国民の生命と財産を守るために最善を尽くす」という時代だろうか。

 アメリカは北朝鮮に対してその核保有を認め、国交締結交渉の用意があると宣言、先ずは米朝が同じテーブルに着くことが先決問題ではないだろうか。国交締結が成立したなら、全ての経済・金融制裁を解除するだけではなく、自由な経済関係を築く。

 米朝がこのような関係となれば、相互に敵国と見做す警戒視は必要なくなって、アメリカは北朝鮮が核を向ける国から外れることになって、アメリカから見た場合、その核は無効化する。

 勿論、北朝鮮にプラスになる条件だけではなく、北朝鮮の核保有は認めても、その核の他国への拡散は禁じる、30年といった時間を区切った独裁政治から民主国家への転換、最悪でも、独裁政治は金正恩政権一代限りとするといった条件は付けなければならない。

 あるいは日本の拉致問題の全面解決を条件の一つとして加えて貰うこともできるはずだ。

 これまでのように北朝鮮は政権の延命だけを目的として果たす気もない約束をし、その約束を破ってきたが、約束を破った場合に備えてテーブルに約束の保証人として中国やロシアを加える必要がある。約束を反故にした場合のツケの支払いを中国やロシアも北朝鮮に対して求めさせるために。

 北朝鮮が約束を破った場合の第1段階の採るべき方法は米中露に日韓を加えた、金正恩独裁体制の壊滅を狙った厳格な対北朝鮮金融・経済制裁の厳格な包囲網の構築であって、その過程で北朝鮮が暴発したなら、そのときは仕方がない、「一部の国民の生命と財産を犠牲にして、大多数の国民の生命と財産を守る」ことになる軍事攻撃を以って報いるしかない。

 但しその軍事攻撃は戦争をしない時代を迎える方法を構築できなかった代償としなければならない。その代償の一類型である多くの国の少なくない国民の生命と財産の犠牲が戦争というものについて多くを学ばせることになるだろうが、学んだことを忘れさせ、風化させることも人間が陥りやすい平和と戦争の時代を循環する代償の一類型と見做さなければならない。

 もし北朝鮮が民主化を約束し、その約束が果たされたときは、金正恩一族が北朝鮮国民から命を狙われる危険が生じた場合はアメリカへの移住を許し、その生命を保護することを条件の一つに加える必要も生じるかもしれない。

 もはや戦争をする時代ではなくなっていても、中東やアフリカで戦争紛いのことが起こっていて、多くの国の決して少なくはない一部国民の生命と財産が犠牲を受けている。

 だとしても、国家の指導者の「国民の生命と財産を守る」という言葉は現在の時代に於いて誰の命一つにしても尊いとする生命の尊厳に厳格に合致していなければ、言葉自体の価値を失うゆえに「一部の国民の生命と財産を犠牲にして、大多数の国民の生命と財産を守る」ことになる、あるいは「大多数の国民の生命と財産を犠牲にして、一部の国民の生命と財産を守る」ことになる可能性が否定できない戦争は回避していって、それを無くす方向に叡智を傾けるべきだろう。

 だが、トランプは北朝鮮の軍事的威嚇に軍事攻撃の選択肢をちらつかせて同じく軍事的威嚇で応じている。

 日本の安倍晋三は北朝鮮の核・ミサイル開発と中国の海洋進出を念頭に日本の安全保障環境が厳しくなっていることを正当化の口実に軍備増強に励み、日本を戦争できる国にする準備を進めている。
 
 その一方で、「国民の生命と財産を守るために最善を尽くす」と言っている。

 戦争は「一部の国民の生命と財産を犠牲にして、大多数の国民の生命と財産を守る」ことになりかねない。あるいは「大多数の国民の生命と財産を犠牲にして、一部の国民の生命と財産を犠牲にしかねない」危険性も孕んでいることに留意しなければならない。

 生命の尊厳を言うなら、あるいは「国民の生命と財産を守る」という言葉を厳格に守るなら、もはや戦争をする時代でないということにしなければならない。戦争は生命の尊厳や国民の生命と財産の尊重に対する逆説としかならない。

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