第1次安倍内閣構想、麻生内閣下導入のふるさと納税は所詮アベノミクス連動の格差拡大アイテム

2017-05-15 11:27:38 | 政治

 ふるさと納税は第1次安倍内閣下(2006年9月26日~2007年9月26)で構想され、「所得税法等の一部を改正する法律案」が第1次安倍内閣後継の福田内閣下(2007年9月26日~2008年9月24日)の2008年1月23日に国会に提出され、4月30日に可決・成立し、同日公布・施行されたが、ふるさと納税に関わる部分は麻生内閣下(2008年9月24日~2009年9月16 )の2009年4月1日施行。但し2008年1 月1 日以降に支出された寄附金については適用を受けた。

 「総務省 ふるさと納税ポータルサイト よくわかる ふるさと納税」  
 〈「納税」という言葉がついているふるさと納税。

 実際には、都道府県、市区町村への「寄附」です。

 一般的に自治体に寄附をした場合には、確定申告を行うことで、その寄附金額の一部が所得税及び住民税から控除されます。ですが、ふるさと納税では原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となります。〉

 ふるさと納税は総務省のサイトにこのように紹介されている。

 実際には「所得税の控除」に関わる計算や住民税(基本分)に関わる計算があり、その計算では全額が控除対象とならないが、特例分としての住民税の計算を加えると、〈原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象〉となる仕組みだという。

 こういうことだと思う。所得税と住民税それぞれの納税額が2000円以上となる場合は確定申告という面倒を厭わずにまめったくふるさと納税として特定の地方自治体に寄付をすれば、納税額から2000円を差し引いた全額が控除の対象となる。

 ふるさと納税した納税者は規定の全額が控除の対象となるばかりか、納税という形で寄付した自治体から謝礼として返礼品を受け取ることができる。その土地土地の水産物や農産物等の名産品であったり、あるいはその土地の大手製造業が製造する有名品であったり、その土地の有名品ではなくても、返礼品として利用する自治体もある。

 例えば静岡県磐田市はヤマハ株式会社がヤマハ発動機と電子楽器等の製造工場を、河合楽器がピアノ製造工場を抱えている地の利を生かして、10万円以上のふるさと納税に対してヤマハエレキギターを、70万円前後以上の寄付に対してヤマハの各種バイクを、120万円以上の寄付に対してカワイアップライトピアノといった具合の返礼の仕組みで寄付を募っている。

 納税者側からしたら、高額の物で欲しいものがあったなら、カネを使わずして手に入れることができる。

 あるいは多額納税者の場合は寄付をする自治体を幾つかに振り分けて寄付することで、その数の自治体からその土地の農水産品、その他の特産品を手に入れることができ、節税だけではなく、その分の生活費をカネを使わずして節約することができる。

 中には手に入れた高額な返礼品をネットや中古品販売店に新品として持ち込んで、実際の価格に遜色ないカネで売りさばくケースもあるというし、返礼品が商品券の場合は金券ショップで何割引きかで売り捌く例もあるという。

 ふるさと納税がこういった仕組みで利用することができること自体が既にカネがカネを生む、高額所得者により有利な錬金術の構造となっている。

 平成26年1月1日から12月31日までの1年間の「平成27年調査」による所得税と市県民税免除の100万円未満の世帯は6.4%。2015年の国勢調査に於ける日本の世帯数5340万世帯でその6.4%は約342万世帯、2016年の1世帯平均人数は2.49人となっているから、約852万人がふるさと納税というカネがカネを生む錬金術の場外に置かれていることになる。     

 場外に置かれずとも、所得が低くなるに比例して、手に入れることができる節税を含めた生活費節約の機会と機会に応じた節約金額が少なくなることになる。

 高額所得者になる程にカネがカネを生む錬金術の恩恵に浴し、その一方で浴すことのない大勢の人間がいる。

 この格差はふるさと納税が、アベノミクス自体が格差ミクスとなっていることに連動した格差拡大のアイテムに過ぎないということであろう。

 各自治体がふるさと納税を高額な物で釣る競争に走って過熱化し、返礼品の金額が高くなり過ぎたことで総務省が既に2016年4月に「資産性の高いものや高額な返礼品」などを自粛するよう通知を出していたが、一旦競争に参戦すると、加熱状態だと分かっていても、競争から抜けた場合の寄附金額が減ることを恐れて、なかなか抜けることができなくて、総務省の通知はさして効果はなかったのだろう、総務省が今度は返礼品の額を寄付金額の3割以下に抑えるよう要請する方針を検討し始めたとマスコミが伝えていた。

 例え返礼品を寄附金額の3割に抑えたとしても、カネを持っている者たちが返礼品の種類と金額を見比べて納税先の自治体を幾つにも振り分けて、それぞれに決めた金額別に寄付をする遣り方で錬金術にせっせと励みさえすれが、ふるさと納税が自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となる仕組みとなっている以上、高額所得者程節税の金額が大きくなるばかりか、返礼品が生活費節約の恩恵を与えるカネがカネを生む錬金術の構造を取ることに変わりはない。

 当然、カネを持っている者たちは錬金術にせっせと励むに違いないし、せっせと励みたくなる性格のふるさと納税となっている。

 大体からしてふるさと納税は各自治体間の税源の偏在是正とふるさと納税による寄付金を地方創生の手段とすることなどを目的として設けられたと言うことだが、返礼品の種類や金額によって寄付が多く集まる自治体と集まらない自治体の格差が生じているという。

 一説によると、ふるさと納税の多い自治体と少ない自治体とでは年間最大70億円もの税収格差が生じているという。

 かくしてふるさと納税はアベノミクスは格差ミスクの時代にふさわしく、格差拡大のアイテムであり続ける。

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