昨日友人と有楽町で会食、諸々の親しい人の近況情報の交換で時間を費やす。
彼は元気でいるそうだ、彼は今までにない苦境で大変そうだが何とか落ち着いたようだ、まあ人生いい時もあるし悪い時もある。
などと人の事だから勝手な事を言い合って、昼のひと時が過ぎた。
帰りに新聞を見ると、銀座8丁目の資生堂ザ・ギンザが今年中に閉店すると言うニュースが記されていた。
ザ・ギンザは資生堂のアパレル部門のセレクトショップで1975年に創業、以来パリ、ミラノの先端的なファッションを紹介、アルマーニなど当時はここでしか手に入れることが出来なかった貴重な存在であった。
私には芦原義信先生設計のこの建物に色々な思い出がある。(写真)
外壁が特徴的でリブ付き打放しコンクリートハツリ仕上げという、アメリカ東海岸ニュージャージーあたりでよく見る仕上げで、建築家のポール・ルドルフがよく使っていた物である。
資生堂ザ・ギンザはその表面にウレタン塗装がかけてあり、しっくりと落ち着いた表情で、銀座の町並みに相応しい建物であった。
私が初めて本格的なビルの設計を行ったのは、九段一口坂にある”新村ビル”であるが、ここはレコード会社の”ポニーキャニオン”が本社として借りていた。
オーナーの新村さんがザ・ギンザの外壁デザインを気に入られ、あれをやりたいとおっしゃったので、もう少し手の込んだハツリ仕上げを行った。
ザ・ギンザの隣にあった資生堂パーラーが入ったビルはすでに建替えされ、今度は来年このザ・ギンザビルが建て替えとなる。
約33年の命であった。味のあるビルが次々となくなり銀座の風景も変わっていく。
最近私の知り合いがグループ旅行で、フランス、ドイツを廻り帰国した。
ほとんどが初めてか2回目の人達で、アルザス・ストラスブールやハイデルベルグなどを回り、ドイツの町の美しさに感心していた。
あのような町を残しながら、なお経済成長をしていることが不思議なようであった。
一言では言えないが、これには彼我の政治構造、産業構造の違いが大きく影響している。
建築的には良い建物をストックとして残して行くさまざまな手立てがされているようだ。
日本でも本当は大企業が模範を示すべきであるが中々そうも行かないようである。










