『日本沈没』 小松左京先生、これでOK？！

　樋口真嗣 監督『日本沈没』(２００６年　日本)
先週、ちょっと触れておきましたが、キュブ零は幼少の時、藤岡弘、いしだあゆみ主演の『日本沈没』をTV映画で、TBSドラマ版『日本沈没』村野武範、由美かおる主演、をこれは再放送で、見た記憶があります。本当に記憶で断片的なんだけど、本当に日本は沈むんじゃないかと危惧したほど、純粋に怖がって見ていました。どちらも、最初は小野寺と田所博士(２作とも小林圭樹)がわだつみで海底調査をしていた時に、海底の異変を見つけるところから、始まったと思います。わだつみが、軋む音が、怖くて、海底には行きたくないなとビビッっていました。導入部分が、昔の作品は、単純にわかる恐怖で(時代がまだ現在ほど、複雑化していなかったという理由もあるのでしょうが、)今回作品より入りやすかった気がしますねえ。あえて２００６年版といいます。２００６年版は、概ね、ストーリー、映像ともに欲張りすぎていたんじゃないかなあというのが、率直な意見です。確かに映像技術は凄いものでしたが、ガチャガチャしすぎて、昔のシンプルな人間ドラマ、日本人のアイデンティティ、郷土愛に重きをおいたもののほうが、自分は好きだったかなあ。２００６年版も、その路線は踏襲しているのでしょうが、監督が見せたい映像、ストーリーが多すぎて、薄まってしまっているという印象でした。２００６年版で、初めて、『日本沈没』に出逢った人たちは、そんな抵抗なく、素直に楽しめたのでしょう。でも、ミサイルで、プレートを切断するという発想は、あまりにも突拍子すぎていただけなかったなあ。また前作を引き合いに出して悪いけど、前映画版、ドラマも、日本は沈没してしまうのです。映画版は日本人は難民となり、小野寺と玲子ははぐれてしまい、それぞれ異国の地に行ってしまって終わります。いしだあゆみ演ずる玲子がソ連だったか？の難民列車から外を見ているシーンが、あったのをかすかに覚えています。テレビ版は忘れてしまったけど・・・。あと、田所博士は、日本に残り、一緒に沈んでいったのですよ。クズの豊川悦司演ずる田所博士のように及川光博と草なぎだけを犠牲にして、のほほんとはしていなかったのに。(どうしても、豊川悦司を見ると先日まで放送されていたTBSドラマ『弁護士のクズ』で、キャバクラのおねえちゃんと遊んでいた姿が思いだされてしようがありませんでした)
　草なぎ君演ずる小野寺、日本を救った救世主のような扱いで終わったけど、残された日本人、殆ど壊滅状態の日本に帰還し、どのように復興させていくのだろうか、余計な心配ですが、心配になりません？


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