一昨日、『艦爆一代』読了。
真珠湾以来の艦爆乗りとして奇跡的に生き残った小瀬本国雄。(国は旧字)
フィリピンでは一度特攻隊に組み込まれるが、
戦局の悪化で台湾を経て内地に戻ることになる。
そして、そこで最新鋭の攻撃機「流星」に乗るのである。
急降下爆撃も雷撃も可能な傑作機だが、しかし登場が遅すぎた。
ほどなく内地も敵の激しい空襲を受けることになり、
小瀬本は再び特攻隊「神風特別攻撃隊御楯隊」に組み込まれ、
流星をもって特攻をかけることになる。
実に、昭和20年8月15日。
僚機とわずか2機による、敵機動部隊への特攻だった。
二度と戻れぬ出撃だったが、離陸すると、
なんと愛機流星の脚が引っ込まない。
それではスピードが出せず、爆弾を抱えてよたよたと敵に
近づけば、体当たり前に撃墜されるのは火をみるより明らかだ。
やむなく出直すことを僚機に知らせ、ともに引き返そうと伝えるが、
僚機は反転せず、そのまま敵に向かっていってしまった。
もちろん僚機は帰らなかった。
小瀬本は次の出撃こそと、壮絶な決意を新たにしたところに、
玉音放送である。
運命の不思議さを感じずにはおれない。
もう少し早く玉音放送が流れていたら、あるいは僚機がともに
引き返していたら、あたら僚機搭乗員は命を失わずにすんだのである。
極限状況の中でこそ、人間はその真価が発揮されることもある。
戦争の善悪を論ずるよりも、極限状況に置かれた時、はたして
自分はどう行動するだろうかと考えながら読んでいくと、
いわゆる一代記的な面白さ以上に、懸命に戦おうとした男たちの
姿勢が胸に迫ってくる。
真珠湾以来の艦爆乗りとして奇跡的に生き残った小瀬本国雄。(国は旧字)
フィリピンでは一度特攻隊に組み込まれるが、
戦局の悪化で台湾を経て内地に戻ることになる。
そして、そこで最新鋭の攻撃機「流星」に乗るのである。
急降下爆撃も雷撃も可能な傑作機だが、しかし登場が遅すぎた。
ほどなく内地も敵の激しい空襲を受けることになり、
小瀬本は再び特攻隊「神風特別攻撃隊御楯隊」に組み込まれ、
流星をもって特攻をかけることになる。
実に、昭和20年8月15日。
僚機とわずか2機による、敵機動部隊への特攻だった。
二度と戻れぬ出撃だったが、離陸すると、
なんと愛機流星の脚が引っ込まない。
それではスピードが出せず、爆弾を抱えてよたよたと敵に
近づけば、体当たり前に撃墜されるのは火をみるより明らかだ。
やむなく出直すことを僚機に知らせ、ともに引き返そうと伝えるが、
僚機は反転せず、そのまま敵に向かっていってしまった。
もちろん僚機は帰らなかった。
小瀬本は次の出撃こそと、壮絶な決意を新たにしたところに、
玉音放送である。
運命の不思議さを感じずにはおれない。
もう少し早く玉音放送が流れていたら、あるいは僚機がともに
引き返していたら、あたら僚機搭乗員は命を失わずにすんだのである。
極限状況の中でこそ、人間はその真価が発揮されることもある。
戦争の善悪を論ずるよりも、極限状況に置かれた時、はたして
自分はどう行動するだろうかと考えながら読んでいくと、
いわゆる一代記的な面白さ以上に、懸命に戦おうとした男たちの
姿勢が胸に迫ってくる。