私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

ジャーナリストとコラムニストの責任は重大

2017-01-18 22:08:57 | 日記・エッセイ・コラム
 私のこのブログに寄せられるコメントの数は僅かです。取捨選択はこれまで一度もしたことがありません。やや過激にすぎると思われるコメントも頂戴しますが、私にとって有用でなかったことはありません。昨年10月5日付けの『白いヘルメット』には例外的に豊富なコメントを頂きました。筆力の衰えてきた私にとっては有難い援護射撃のようなもので、感謝しています。
 今朝、ジョン・ピルジャーの新しい発言(1月17日付)に気がつきました。“THE ISSUE IS NOT TRUMP. IT IS OURSELVES.(問題はトランプではない。我々自身だ)”という表題です。ぜひ読んで下さい。もちろん、ピルジャーさんのホームページに出ていますし、他の所にも掲載されていますが、ここでは、リビア360という異色のサイトも付け加えておきます。カダフィのリビアの声がこのサイトから聞こえてきます。ここから聞こえてくる声に、私は、私が死んだ後の世界についての、甚大な希望を寄せています。

http://johnpilger.com/articles/this-week-the-issue-is-not-trump-it-is-ourselves-

https://libya360.wordpress.com/2017/01/16/fascist-america-the-issue-is-not-trump-its-us/

 さて、今回のピルジャーの発言と同じ響きを持った長文のコメントを、櫻井元さんが、私のブログ記事『白いヘルメット』に寄せてくださっています。そこでは、ジャーナリストの池上彰氏と政治学者の山口二郎氏が厳しく非難されています。以下に、関連部分を少し引用させて頂きます。興味を持たれた方は是非全文を読んで下さい。
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横溢するプロパガンダ、翻弄される愚者、声なき戦争犠牲者 (桜井元)
2016-12-26 05:12:02
先日(12月18日)、東京新聞のコラムに政治学者の山口二郎氏がシリア情勢をめぐってこう書きました。

「欧米のメディアではシリア・アレッポの人道危機が連日、報道されている。民間人の殺戮はシリア政府軍の仕業であり、背後にロシアが存在することは常識である」

「(日ロ)首脳会談後、一部ニュースはロシアのラブロフ外相がシリアやウクライナ東部の情勢について、日ロ首脳が認識を共有したと述べたと報じた。これが事実だとしたら、日本を除くG7各国がシリアの平和的解決を求めているさなか、世界的なセンセーションである」

日本はG7の一員として、残虐なアサド政権とそれを支援するロシアに対して、毅然とした態度をとるべきであり、シリアの平和的解決に向けて苦心している西側諸国の足並みを乱してはならない、というお叱りです。

床屋談義で市井の人たちがマスコミから得た知識をもとにこうした意見を吐くのならまだ許せますが、論壇で影響力のある著名な政治学者が、一定部数を誇る新聞の紙面で、しかも読者にとっては敷居が低く目にしやすいコラムという場を使って、このようなことを述べているとなると、話が違います。これは断じて捨て置けません。・・・・・・

難民の悲劇、白いヘルメット、NGO、情報ロンダリング (桜井元)
2017-01-10 05:51:21
・・・・・・
この正月、ジャーナリスト・池上彰氏の報道特番があり、「難民問題」を取り上げていました。
・・・・・・
さらに池上氏は、政府軍によるアレッポ「解放」をアレッポ「制圧」と呼び、アレッポ市民が政府軍・ロシア軍による「虐殺」の渦中にあるという伝え方をしました。アレッポで昨年末に起きたことがなぜ「解放」なのかは上記動画でバートレットさんが詳しく述べています。バートレットさんはまさに池上氏の特番で流されたような虚偽情報の「毒消し」に奮闘しているわけですが、池上氏のプロパガンダ拡散の罪は非常に重いと言わざるを得ません。

先のコメントで批判した政治学者の山口二郎氏もそうですが、影響力のあるジャーナリストや知識人たちは自らが発信する虚偽情報の持つ意味についてもっと深刻に考えるべきでしょう。あらゆる職業人は仕事の致命的なミスで非常に重い責任をとっています。食品を扱う者は営業停止にすら追い込まれ、医者や看護師も細心の注意を日々要求され、設計士も建築家も些細なミスでも多額の賠償や建て直しを要求されます。中東の多くの人々の命がかかっている重大事を、素人ではなく職業人として世に伝えるジャーナリストや学者であるならば、もっと自身の言葉の重みを自覚すべきです。「間違っていました」では済まされません。他の職業人並みの責任を負ってほしいものです。
・・・・・・
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アレッポ市民の政府軍・ロシア軍による「虐殺」については、米欧のジャーナリストもアレッポ東部で現地取材ができるようになって、これまでの報道が虚偽であったことが白日のもとに曝されたのですから、少なくとも「間違っていました」とだけは言ってほしいものです。

藤永茂 (2017年1月18日)
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桜井さんすごい (寺園敦史)
2017-01-19 09:56:48
今回の投稿を拝読して、ホワイトヘルメットの記事に対する桜井元さんのコメントも読みました。ものすごいパワーのある文章でした。

なんども紹介されているエヴァ・バートレット記者もたいした方だと思いました。
知識人の責任 (箒川 兵庫助)
2017-01-19 18:36:17
シリア情勢だけなのかも知れませんが,山口二郎氏やその仲間の金子勝慶大教授は現場を訪れたわけでもないのに,シリア政府軍のアレッポ虐殺を追認しております。
 日本の政治や経済状況について小生は,この二人の方の意見を参考にすることが多いのですが,シリア情勢については西側マスコミの報道を鵜呑みにされているようで,大変残念です。
 その他にブログでは,フランス語が出来る村野瀬玲奈氏がアレッポの「虐殺」を問題視しています。篠田英朗氏に至ってはアレッポ「陥落」と表現しています(現代ビジネス:国際・『私たちはどんな時代を生きているか』:篠田 英朗 東京外国語大学教授 国際関係論、平和構築)。
 篠田氏は御用学者と言っていいでしょうから問題外としても,山口・金子両氏までがシリア情勢を誤解していることに日本の知識人の限界を示していると思います。
 かくいう小生も『マスコミに載らない海外記事』を知るまでアメリカ合衆国を自由と正義の国と思っていた一人で,慚愧に耐えません。
 またこのブログを通して藤永先生の謦咳に接することが出来ました。ありがとうございます。今後ともご教示くださることをお願い申し上げます。
  
半可通ほど野暮な者はない (一読者)
2017-01-19 21:03:47
良くニュースを見たり新聞を読んだりして、国際情勢に関しては一家言あるという人よりも、そんなの全然興味ない、全く何も知らない人の方がマシというのは実に悲しいことです。
訳してみたのですが、、 (yomodalite)
2017-01-19 23:21:24
藤永先生、いつも貴重な記事をありがとうございます。
ピルジャー氏の文章、さっそく読まねばと思い、
あわてて訳してみましたが、はたして理解できているかどうか・・・

http://nikkidoku.exblog.jp/27460726/

お読みになった方で、訳文の間違いに気づかれた方は、
どなたでも、ぜひご指摘くださいませ。
いつもありがとうございます (狭山与太郎)
2017-01-20 22:39:15
いつも貴重な情報をありがたく拝読させていただいております。
私のつたないブログにも時々先生の情報を引用させていただいて居りますことお伝えいたします。
これからもよろしくお願いいたします
お名前を知ったのは、高校生のころだったと思います。 (松本 聰)
2017-01-21 20:41:34
私が藤永さんのお名前を知ったのは高校生時代、本多勝一さんの『アメリカ合州国』だったのだと記憶しています。これまで何度もFacebookでシェアさせていただきましたが、今宵も=日本時間=南アフリカのスパークリングワインでほぼ泥酔ですので、

高校生だった私も今や、還暦まであとわずかとなりました。くれぐれもお身体、ご自愛ください。
初めて、コメントさし上げます。 (松本 聰)
2017-01-21 20:57:57
私が藤永さんのお名前を知ったのは高校生時代、本多勝一さんの『アメリカ合州国』だったのだと記憶しています。これまで何度もFacebookでシェアさせていただきましたが、今宵も=日本時間=南アフリカのスパークリングワイン+αでほぼ泥酔ですので、後日ご報告します。

高校生だった私も今や、還暦まであとわずかとなりました。くれぐれもお身体、ご自愛ください。
はじめて、コメントさし上げます。 (松本 聰)
2017-01-21 21:01:59
私が藤永さんのお名前を知ったのは高校生時代、本多勝一さんの『アメリカ合州国』だったのだと記憶しています。これまで何度もFacebookでシェアさせていただきましたが、今宵も=日本時間=南アフリカのスパークリングワイン+αでほぼ泥酔ですので、後日ご報告します。

高校生だった私も今や、還暦まであとわずかとなりました。くれぐれもお身体、ご自愛ください。
寺園さんって同和利権追求のされた方ですか? (特命希望)
2017-02-15 22:38:14
今更ですが寺園さんは、同和利権の真相という本をお書きになられた方で間違いないでしょうか。もしそうならコメントを拝見できて非常に嬉しく光栄な事なのですが。

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